【医師が解説】仕事の効率化も目指せる!オフィスでの歯磨き驚きの効果とは?

歯磨きには、口腔内を清潔に保つだけでなく、集中力を高め、頭をリフレッシュさせる効果も期待できます。

今回の記事では、医師の視点から、オフィスで実践できる効果的な歯磨き方法と、歯間ブラシやデンタルフロスを含むケアアイテムの活用法について詳しく解説します。
働く人の口腔と全身の健康を守り、生産性向上にもつながるオフィス環境づくりの参考にしてみてくださいね。

本記事は音声でもお楽しみいただけます!
この音声コンテンツは、そしきlabに掲載された記事の文脈をAIが読み取り、独自に対話を重ねて構成したものです。文章の単なる読み上げではなく、内容の流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。
※AIで作成しているため、読み上げ内容に一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。

歯周病による健康問題と経済損失

まずは、歯周病とは何かという点や、口腔ケアを取り巻く日本の現状について簡単に触れ、さらに歯周病がもたらしている健康問題や経済損失について解説します。

歯周病とは何か

歯周病は、細菌感染などが原因となり、歯茎に炎症が起こったり、重症の場合には歯を支える骨が溶けてしまうような病気です。*1

歯周病の予防のためには、セルフケアに加えて定期的な歯科健診が欠かせません。
日本では、小学校から高校までは学校歯科健診制度があります。
そして、大学以降から74歳以下の働く世代に対しては、健康増進法に基づく市町村が主体の歯周疾患検診が行われています。
市町村による歯周疾患検診は、40、50、60、70歳が対象者となっています。

それ以外の年齢の特定の職種の方に対しては、労働安全衛生法に基づき、歯科特殊健診が行われています。*2
現状では、デスクワーク作業のような職種がメインとなる若い方に対して、定められた歯科健診制度はありません。

一方で、近年若い方の歯周病患者さんが増加傾向にあります。*3
歯周病は若年層にとっても他人事ではなく、働き盛りの世代こそ、早期の予防とケアが重要と言えるでしょう。

歯周病がもたらす健康問題・経済損失

歯周病は、肥満や糖尿病や狭心症・心筋梗塞といった心血管障害、脳梗塞、女性の場合には早産などに関わっていることが知られています。*4

また、口の中の唾液には、細菌やウイルスと戦うIgAという抗体が含まれています。
しかし、口腔内が不潔な状態では、IgAの働きが不十分になってしまいます。
その結果、口のみならず全身の免疫力が低下することに繋がります。*5

さらに、歯周病や虫歯といった歯科疾患は、働く人たちの仕事や日常生活にも影響を与えることも明らかになっています。

例えば、東京証券取引所一部上場企業の従業員約14,000人に対して、歯のトラブルによって仕事や日常生活に支障が出たかどうかを調べたアンケート調査があります。*6

その調査では、1年間のうち、歯に関する不都合が生じた方は全対象者の中で約35%でした。
そして、通院によって仕事や日常生活での時間的損失が出たという方は全体の約20%でした。*6
口の中の健康を保つことは、個人にとっても企業にとっても重要ということが伺えます。

歯磨きがもたらす身体的・精神的効果

ここでは、歯磨きがもたらす身体的・精神的効果について解説しましょう。

口腔内の健康管理と全身疾患リスクの低減

歯周病は、糖尿病や脳卒中などの全身疾患の原因となる可能性が指摘されており、免疫力の低下にもつながります。
そのため、日頃から心筋梗塞や狭心症などの全身疾患のリスクを下げるためにも口腔を健康に保ち、歯周病を予防することが大切です。

リフレッシュ・集中力アップとしての効果

歯磨きは、口腔内を清潔に保つだけでなく、気分をリフレッシュさせたり、集中力を高めたりする効果も期待できます。
実際に、歯磨きを仕事の合間の「積極的休息」として活用できる可能性が報告されています。
積極的休息とは、仕事であまり使わない身体の部位を動かすことで、疲れを和らげる休憩方法のことです。*7

ある研究では、健康な男女を2つのグループに分け、パソコン上で連続計算をさせました。
その後、グループの一方には歯磨きをさせ、もう一方は何もさせませんでした。
結果、歯磨きをしたグループでは、目の疲れが軽減され、爽快感が増し集中力、頭のスッキリ感も向上したという結果が得られました。

歯磨きをすることで、口の中が刺激されるだけでなく、ブラッシングの際に手や腕を使う動作によっても、身体に軽い刺激が加わります。
こうした刺激が脳を活性化し、積極的休息としての役割が果たされ、気分転換や集中力の回復に役立っていると考えられています。

オフィスで実践できる口腔ケア方法

ここからは、オフィスで実践できる口腔ケア方法について解説しましょう。

基本の歯磨きテクニック

歯磨きは食後に行いましょう。
歯ブラシはただ前後に動かすだけでは不十分な場合もあります。
例えば歯と歯茎の隙間を磨く際には、歯ブラシの毛先を45度くらいの角度にし、小刻みに動かすと効率的に歯垢を取り除くことができます。*5

歯ブラシだけでは歯と歯の間や歯と歯茎のスキマなどは磨き残ししやすいため、ワンタフトブラシやデンタルフロスを併用しましょう。*8

なお、ワンタフトブラシは、毛束が少ないタイプの歯ブラシです。
奥歯の奥や歯と歯肉の境目、入れ歯の前後の歯など、通常の歯ブラシでは届きにくい場所をピンポイントで磨くことができます。
歯茎の炎症が強く、歯ブラシやデンタルフロスなどでは痛みが強い際も、ワンタフトブラシを使うことで出血や痛みを軽減できます。*9

デンタルフロスは、細いしなやかな繊維を歯と歯、歯肉の間に通すことで汚れを取り除くことができるものです。
指に巻いて使うこともできますが、より簡単にフロスを使用したい場合には、ホルダー一体型フロスもあります。
自分が使いやすいタイプを選ぶと良いでしょう。*10

なお、ホルダー一体型フロスで奥歯の間をケアする際、歯の手前側ではフロスを奥に押し出すように、逆に奥側ではフロスを手前にひきつけるようにすると良いでしょう。*11

引用)*11 デンタルフロスによる プラークコントロールについて.日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学.2014;34(3):231-237.p234
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd/34/3/34_231/_pdf

医師がおすすめするオフィスでの歯磨きセット

オフィスでの歯磨きグッズとしてそろえておきたいものとしては、歯ブラシ、タフトブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、そして歯磨きペーストなどがあります。
歯ブラシは、使用後はよく洗い、乾燥させるようにしましょう。
そのために、自分用のコップを用意しておくのも良いですね。

なお、筆者は、通気性のあるポーチに歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、歯磨きペースト、折り畳みできるコップを入れ、職場に置いています。

職場で口腔ケアを習慣化するための工夫

職場として口腔ケアを習慣化するためには、以下のような工夫が考えられます。

設置しやすい洗面スペースの工夫

洗面スペースに、歯磨きセットを置くための場所があると良いでしょう。

新型コロナウイルス感染症の流行などがあり、トイレなどの共有スペースで歯磨きをすることに対して抵抗感がある方もいるでしょう。
感染症対策の方法としては、唾液の飛沫飛散を減らすために、口を閉じて歯磨きをするということも有効です。
また、歯磨きの際にはお喋りはしないよう注意しましょう。*5

就業ルールや休憩時間との調整

歯磨き時間を職場として設けることができるかどうかは、その職場の業務内容やシフトなどによっても制約を受けます。
しかしながら、通年は難しくても、ある特定の期間のみ「歯磨き週間」として歯磨きを推奨することなどは可能な場合もあるでしょう。

例えば毎年6月4日から10日は、日本歯科医師会によって「歯と口の健康週間」とされています。*12
この期間には、歯磨きの時間を設けるように職場として周知し、積極的に歯磨きの時間を作るようにするというのも一つの手といえます。

チーム全体での健康意識向上の取り組み

チーム全体の取り組みとして、以下の点を従業員に周知してみましょう。

  • 歯磨きには、健康増進ならびに仕事の効率アップといったメリットがある点
  • 歯磨きは歯ブラシだけでは不十分であり、歯間ブラシやデンタルフロスなどの器具も有効に使いたい点

さらに、セルフケアと同様に、定期的な歯科健診も重要です。

特に20、30代の方は、原則として市町村が主体となる歯科健診の対象外です。*3
そのため、1年に1回ほど、自分で歯科を受診するなどして、定期的な歯科健診を受けることが望ましいと考えられます。
それぞれの方の口腔状態に合わせた頻度で、歯科でのケアを受けるようにしましょう。

まとめ

オフィスでの歯磨き習慣は、健康と業務効率の両立に役立ちます。
従業員の健康を守り、仕事を円滑に進めていくためにも、歯間ケアやリフレッシュとしての活用も視野に入れた、継続可能な取り組みをしていきましょう。

筆者も医師になりたての頃、昼食後に歯磨きはしていたものの、歯間ブラシや定期健診の重要性は知りませんでした。
その結果、虫歯を悪化させてしまい、治療のために勤務時間を削る必要もありました。
こうした経験からも、働く皆さんには日頃のケアと定期的な歯科健診をおすすめします。

まずは、その一歩として、今日からお昼休みに歯磨き習慣を取り入れてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

木村 香菜

行政機関である保健センターで、感染症対策等主査として勤務した経験があり新型コロナウイルス感染症にも対応した。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医、日本人間ドック・予防医療学会認定医。

資料一覧

*1 歯周病とは? 日本臨床歯周病学会
https://www.jacp.net/perio/about/

*2 歯科口腔保健の推進に向けた取組等について 厚生労働省 p5
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001252532.pdf

*3 歯科口腔保健の推進に向けた取組等について 厚生労働省 p14
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001252532.pdf

*4 歯周病が全身に及ぼす影響 日本臨床歯周病学会
https://www.jacp.net/perio/effect/

*5 歯みがき い・ろ・は 感染症対策のカギは「お口のケア」に!|「歯の学校」 WEBで学ぶ 公益社団法人 日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/hanogakko/vol73/iroha.html

*6 勤労者における仕事および日常生活への歯科疾患による影響の実際.口腔衛生会誌.2002;52:141-149. p141
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jdh/52/2/52_KJ00003759269/_pdf/-char/ja

*7 歯磨き行為の積極的休息への応用について.産衛誌.2010;52:67-73. p67
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sangyoeisei/52/2/52_B9009/_pdf

*8 「8020」達成のために必要な予防対策 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-01-005.html

*9 Dental News letter Vol.13発行のお知らせ | 救済医療室のご案内 | 国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 救済医療室
https://kyusai.acc.go.jp/news/20240328_01.html

*10 令和元年度 産業標準化事業表彰受賞者インタビュー Vol.15
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/keihatsu/hyosho/interview/R01fy/20191008-17.html

*11 デンタルフロスによる プラークコントロールについて.日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学.2014;34(3):231-237.p234
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd/34/3/34_231/_pdf

*12 歯と口の健康週間 日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/enlightenment/poster/


組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。

企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

この記事を書いた人

アバター

そしきLab編集部

【この記事は生成AIを利用し、世界のオフィスづくりや働き方に関するニュースをキュレーションしています】