どんな休日の過ごし方をしている? 有給休暇の取得状況からみえる日本の意外な事実

世界的に見ると、日本の有給休暇取得率は低い水準にあります。
一方で、多くの人が休み不足を感じているわけではないという結果も出ています。
今回は、有給休暇の国際比較を手がかりに、日本人が休日をどのように過ごしているのかを考察していきます。

本記事は音声でもお楽しみいただけます!
この音声コンテンツは、記事の文脈をAIが読み取り独自に対話を重ねて構成したものです。文章の読み上げではなく、流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。※AIで作成しているため、一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。

日本人は本当に休めていないのか

米旅行予約サイト大手のエクスペディアが2024年に公表した「有給休暇・国際比較調査」によると、2023年の日本で働く人の有給休暇の平均支給日数は19日、そのうち実際に取得した日数は平均12日で、取得率は63%でした。この数値は調査対象となった世界11地域のなかで最も低く、日本は最下位という結果でした(図1)。*1

図1:2023年の世界11地域における有給休暇の取得状況
出所)エクスペディア「世界11地域 有給休暇・国際比較調査2024を発表」
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2024/

興味深いのはここからです。同じ調査では、日本で働く人の47%が「休み不足を感じていない」と回答しており、この割合は11地域のなかで最も高かったとされています(図2)。*1

図2:休み不足を「感じていない」と回答した割合
出所)エクスペディア「世界11地域 有給休暇・国際比較調査2024を発表」
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2024/

さらに、日本では「毎月有給休暇を取得している」と答えた人の割合が3割にのぼり、これも世界で最も高い割合でした(図3)。*1

図3:「毎月有給休暇を取得している」と回答した人の割合
出所)エクスペディア「世界11地域 有給休暇・国際比較調査2024を発表」
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2024/

これらの結果を見ると、休みの取得率は少ないものの、その現状に不満を持っている人は少ないようです。

なお、世界と比較すると低水準に見える日本の有給休暇取得率ですが、状況は少しずつ改善しています。

厚生労働省の「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」によると、2024年の有給休暇取得率は66.9%でした。取得日数、取得率ともに1984年以降で最も高い水準となっており、日本の取得は長い目で見ると着実に上昇していることがわかります(図4)。*2

図4: 労働者1人平均年次有給休暇取得率の年次推移
出所)厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況 」P.8
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/dl/gaikyou.pdf

実は、筆者は日本の有給休暇の取得率はもっと低いと思っていました。

筆者が社会人になったのは、2000年代後半です。図4を見ても取得率が低い年代にあたります。上司や同僚もめったに休まないため、「遊びに行くから休む」とはなかなか言いにくいものでしたし、当時は有給休暇をほとんど消化していませんでした。自分の趣味や遊びのために休むことに、少し罪悪感を持ってしまっていたほどです。

だからこそ、現在の取得率が66.9%に達していることに驚きを隠せません。

世界的に取得率は低いとはいえ、社会的にも仕事を休みやすい雰囲気が醸成されつつあるようです。

「休み不足を感じない」の背景にあるもの

前述の通り、日本で働く人の47%は「休み不足を感じていない」と答えています。*1

この結果からは、日本人の休み方には、日数の多さだけでは測れない特徴があることが見えてきます。

短い休みをこまめに取るスタイルが定着している

その背景の一つとして考えられるのが、まとまった長期休暇よりも、短い休みをこまめに取るスタイルです。エクスペディアの調査でも、こうした「定期的に短期間」休むスタイルが、休み不足を感じにくくしている可能性があると指摘されています。*1

海外では、長めの休暇をまとめて取り、旅行やバカンスをしっかり楽しむ文化が根付いている国もあります。一方、日本では数日単位、あるいは1日単位で休みを挟みながら、日常の疲れを少しずつリセットする形がなじみやすいのかもしれません。長く休むことには心理的なハードルがあっても、短い休みなら取り入れやすいといった感覚が、日本人の休暇取得の特徴として表れているように見えます。

休みの「量」より「回復感」が重視されている

同じくエクスペディアの調査では、日本で働く人の56%が「直近の休暇でリフレッシュできた」と回答しており、この割合は11地域のなかで最も高かったとされています。*1

この結果を見ると、日本ではたくさん休めたかよりも、「休んで少し楽になれたか」「気持ちを立て直せたか」が満足度を左右しているとも考えられます。たとえ長期休暇でなくても、仕事から一度離れて気持ちを切り替えられれば、それだけでちゃんと休めたという感覚につながるのでしょう。

休みを取ることに慣れていなかった?

前述のように、筆者が社会人になりたての頃は、有給休暇をなかなか取りにくいと感じていました。

かつて有給休暇が取得しづらかった時代を経験した世代であれば、今は取りやすくなったことそのものが「休める」という実感につながっているのかもしれません。

そもそも、十分に休むことへの期待値自体が低くなっている可能性もあります。「月に一度休めれば十分」「数日取れればありがたい」と感じる人が多ければ、不足感は表面化しにくくなります。

毎月少しずつ休み、必要なときに備えて残し、取れた休暇で気分転換できれば、それで十分だと感じる。そうした休み方が、日本の「休み不足を感じにくい」という結果につながっているようにも思えます。


これは、休暇の価値を軽く見ているというよりも、限られた条件のなかで自分なりに休みを機能させている、とも言えるでしょう。

休日の過ごし方に表れる日本人の価値観

実際に、日本人の休日の過ごし方を見てみると、「調整」が一つのスタンダードになっているようです。

レジャーより身近な気分転換

Job総研の調査によると、「理想」と「実際」の休日の過ごし方として最も多かったのは「家でゆっくり過ごす」でした(図5)。*3

図5:みんなの「理想」と「実際」の休日の過ごし方
出所)Job総研プラス「休みの日の過ごし方、みんなはどうしてる?調査データで見えた充実のヒント」
https://jobsoken.jp/info/j-79/

半数以上の人が、自分にとってちょうどよい休日のかたちとして、家で静かに過ごす時間を求め、実際にもその過ごし方を選んでいます。

こうして見ると、日本人の休日は、非日常を大いに楽しむ日というより、家でゆっくりしたり、何もせず休んだりしながら、少しずつパワーを取り戻す日になっているようです。

何もしない休日にも意味がある

休日というと、つい「何か有意義なことをしなければ」と考えてしまいがちです。ですが、実際には、何もしない時間そのものが心身を整えるうえで大切な役割を果たしているのかもしれません。

パナソニックの調査では、約8割の人が「ひとり時間を充実させると人生の満足度も高まる」と考えており、実際に「ひとり時間が取れている人」ほど人生の満足度が高い傾向が示されています(図6)。*4

図6:「ひとり時間の取得状況」と「人生の満足度」の関係
出所)パナソニック株式会社「『ひとり時間』の実態調査」P.5
https://panasonic.jp/content/dam/panasonic/jp/ja/life/housework/100139/hitorijikan_2025.pdf

ひとり時間の過ごし方として最も多かったのが「エンタメ鑑賞」で、次いで「睡眠(昼寝、仮眠などで体を休める)」が38.9%でした。休日のひとり時間は、外で特別な体験を求めるよりも、自宅や身近な環境で無理なく気分を整える使い方が中心になっていることがわかります。*4

重要なのは、こうした時間が単なる暇つぶしではなく、満足感にもつながっている点です。ひとりでぼんやり過ごす時間やあえて予定を入れない時間は、一見すると何も生み出していないように見えても、気持ちを立て直したり自分のペースを取り戻したりするうえでは意味のある時間だといえそうです。

こうして見ると、「何もしない休日」は決して後ろ向きな過ごし方ではありません。予定を詰め込まず、少し眠る、ぼんやりする、好きな動画を見る。そうした一見ささやかな時間こそが、慌ただしい日常のなかで擦り減った気持ちを回復させる役割を果たしているのではないでしょうか。

「何もしない」ことにも、十分な価値があるのだと思います。

無理をしない休み方という選択

日本人にとって休日は、非日常を華やかに楽しむ日というより、日々の疲れを整え、自分のペースを取り戻すための時間として機能しているのかもしれません。

もちろん、それは前向きな工夫の結果だけではなく、仕事の都合や周囲への遠慮、物価高による支出負担など、さまざまな制約のなかで形づくられている面もあります。*1

大切なのは、休みの量だけでなく、どのように休めているかに目を向けることではないでしょうか。

レジャーを楽しむ休日にも、家で何もしない休日にも、それぞれ意味があります。自分にとって無理のない休み方を知り、気持ちよく働き続けるためのリズムをつくること。その積み重ねが、仕事にも暮らしにも、少しずつ良い循環をもたらしていくのではないでしょうか。

メルマガ限定で配信中

プロが教える“オフィス移転の成功ポイント”

  • 組織づくり・ワークプレイスのトレンドを素早くキャッチ
  • セミナーやイベント情報をいち早くお届け
  • 無料相談会やオフィス診断サービスを優先的にご案内!
無料でメルマガを登録する

この記事を書いた人

田中ぱん

学生のころから地球環境や温暖化に興味があり、大学では環境科学を学ぶ。現在は、環境や農業に関する記事を中心に執筆。臭気判定士。におい・かおり環境協会会員。

参考資料

*1
出所)エクスペディア「世界11地域 有給休暇・国際比較調査2024を発表」
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2024/

*2
出所)厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況 」P.8
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/dl/gaikyou.pdf

*3
出所)Job総研プラス「休みの日の過ごし方、みんなはどうしてる?調査データで見えた充実のヒント」
https://jobsoken.jp/info/j-79/

*4
出所)パナソニック株式会社「『ひとり時間』の実態調査」P.5
https://panasonic.jp/content/dam/panasonic/jp/ja/life/housework/100139/hitorijikan_2025.pdf


組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。

企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

この記事を書いた人

アバター

そしきLab編集部

【この記事は生成AIを利用し、世界のオフィスづくりや働き方に関するニュースをキュレーションしています】