古きと最新の融合で未来を開拓、オープンイノベーション拠点を支える空間づくり

私たちは新しいチャレンジを促進するために、多様な使い方ができ、社内外の知見を融合して組織の垣根を超えた共創を支援するハブとして、イノベーションスタジオを創りました。コンセプトを基に構築された空間とShureの音響技術をはじめとしたICT設備は、新しいオープンイノベーションを支援する重要な要素です。

株式会社建設技術研究所 企画・営業本部副本部長 兼 事業企画・推進部部長 森川氏
株式会社建設技術研究所

企画・営業本部 森川  鶴野
株式会社日総建 設計本部 設計監理部 田辺

事業内容:社会インフラ整備全般の総合コンサルティング(企画・計画・調査・設計・施工管理・維持管理など)
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町2-14-5
内容:CTIグループ イノベーションスタジオ新設(2025年3月)
HP:https://www.ctie.co.jp/

 課題

建設技術研究所様では、新事業開発や新技術開発を加速するため、オープンイノベーションの考え方を促進する拠点として「イノベーションスタジオ」を開設しました。
建設技術研究所様は、これまで独自に多くの技術開発を行ってきたという自負をお持ちでした。しかし、今後より大きく事業展開していくためには、自由な発想や異分野連携が必要であり、若手を含む多様な人材が集い、変化や挑戦を促す空間が必要だとお考えでした。

また、社内の多様な部門や社外の企業・研究機関と協働するためにはコミュニケーションの質が重要と考えた同社は、特にWeb会議の音声品質を向上し、多人数がフレキシブルに利用する空間にもマッチする高品質な音響ソリューションを必要としていました。

ソリューション

空間設計では、ウチダシステムズから「温故知創(おんこちそう)」のコンセプトをご提案し、建設技術研究所が培ってきた知識や文化を活かしつつ、創造力を促す新しい価値の創出を目指しました。空間は、和の要素と北欧スタイルを融合した“ジャパンディ”デザインで構成され、落ち着きと開放感を両立。カーテンや可動式家具を活用し、利用者が自由にレイアウトを変えられる柔軟性の高い空間が実現しました。

ICT面では、誰でも直感的に操作できる「やさしいデジタル」をコンセプトに、タッチパネルを活用したシンプルな操作性や空間との調和を意識した機器配置を提案。スタジオ内の多用途利用やWeb会議、セミナー、イベント配信など多様な場面で快適に利用できるよう、空間・ICT・音響のすべてが統合的に設計されています。

イノベーションスタジオの音響設備として、天井に設置するシーリングアレイマイクに注目。最高品質の収音性能でスタジオの臨場感をも伝えられるソリューションとしてShureのMXA920が採用されました。

部屋のどこにいても話者の声を的確に捉えられるほか、VoiceLift技術によってリモートだけでなく室内全体にも自然な音声を伝えることが可能な点も高く評価されました。

効果

社内外の関係者が自由に意見を交わしやすい雰囲気を創出したことで、利用者自身がレイアウトや使い方を工夫しながら場を育てていくという意識も生まれ、共創の場としてのスタジオが自律的に機能し始めています。

また、音響設備のMXA920によって、利用者はマイクの存在を意識することなく、自然な会話が可能になりました。参加者全員の声がバランスよく伝わることで、コミュニケーションの質が大幅に向上しました。小声すら伝わるため、想像以上に会議の雰囲気が変わったと好評です。音についての問い合わせもなく安定稼働しています。

オープンイノベーションの活動を支える重要な要素として高く評価されており、今後の活用拡大が期待されています。

インタビュー

新しい挑戦を支援するイノベーションスタジオの誕生

建設技術研究所様は、1959年の創業以来、国土インフラの計画・設計・維持管理にわたる総合的な建設コンサルタント事業を展開してきました。防災・減災や環境保全、社会資本の老朽化対策といった公共インフラ分野に加えて、地域づくりやエネルギー分野への技術活用、デジタルソリューションの展開など、新たな社会課題の解決にも取り組んでいます。

同社は2025年、そうした新たな挑戦を促進する施設として、東京・日本橋のオフィスに「CTIグループ イノベーションスタジオ」を整備しました。新技術開発や新事業創出を加速するための、グループ横断的なオープンイノベーション拠点として位置づけられています。

「新しいチャレンジを推進するには、多様な使い方のできる空間が重要だと考えました。我々の業務も複雑化していますし、セクションの垣根を超えて集まることで新たな発想が生まれる。そんな取り組みを促進する場が必要でした。社内外の知見を融合し、事業部門や研究部門そして外部との共創を支援するためのハブとなる施設です」と、建設技術研究所の森川氏は述べています。

イノベーションスタジオの空間デザインについて、ウチダシステムズ デザイン室 チーフデザイナーの黒澤氏は、「伝統や文化といった過去の蓄積を大事にしながら、新しい価値や関係性を創っていく。そんな思いを込めて“温故知創”という造語をコンセプトに据えました」と語ります。「使い方を規定しすぎず、利用者の創意で育っていくような“場”にしたいと考えました。和の要素と北欧のデザインを織り交ぜながら、開かれた雰囲気と居心地のよさを両立させました」(黒澤氏)

CTIグループ イノベーションスタジオ

CTIグループで建設・設計を担当する株式会社日総建 設計本部 設計監理部の田辺氏は、黒澤氏のデザインを基に、Web会議やセミナーなど多様な目的に対応できるよう機能の集中・分散のバランスへ配慮することを助言しました。

「例えば照明は、3つのミーティングエリアに合わせて配備することを提案し、それぞれ調光することで居心地よく利用できる空間を実現していただきました。CTIグループの事業や技術に関する展示スペースはプロジェクトメンバーで議論を重ね、フレキシブルなつくりを採用し、最新の情報を提供しやすい構成に工夫しました。最新の9面マルチモニターや高品質のWeb会議システムなど、先端設備を採用しており、当グループの体験型オフィスとして機能することを期待しています」(田辺氏)

リアルとリモートの境界を超える高品質な音響環境

建設技術研究所様のイノベーションスタジオは、社外の研究機関や企業とのミーティングや情報発信の場としても活用されます。そのため音響環境の品質は、コミュニケーションの質に直結する重要な要素と位置づけられていました。

「社外の方々とコラボレーションするための場ですから、リアルとリモートの境界を意識せずに参加できることが大切です。参加者がどこにいても同じように議論できるような環境でなければ、真の意味での共創は困難です。そのためICTを担当するチームと連携しながら、音響ソリューションを提案しました」と、ウチダシステムズ 法人第二営業部の稲田氏は述べています。

またイノベーションスタジオのような可変性の高い空間においては、従来型のマイクは柔軟性や利便性に欠ける点が問題でした。受け渡しが必要なハンドマイクや、テーブルに設置するグースネックマイクなどではなく、天井に設置するシーリングアレイマイクが最適と考えられました。

シーリングアレイマイクであれば、マイクの存在を意識せずに自然な会話を支援し、空間のデザイン性や柔軟性を損なわずに高品質な音響を実現できます。そこで建設技術研究所は、最高品質の音響を実現する機器として、Shureのシーリングアレイマイクロホン「MXA920」に注目しました。

イノベーションスタジオの天井に2台設置されたMXA920

スタジオの構築をリードした建設技術研究所 企画・営業本部 事業企画・推進部 グループ長の鶴野氏は、ShureのショールームでMXA920を体験したところ、小さな声でも明瞭に聞き取れることに驚きました。広い部屋でも声を張る必要はなく、どの方向を向いていても声が相手にしっかり届きます。これでイノベーションスタジオの音響を整備できると感じました」と振り返ります。

鶴野氏は、デモンストレーションでShureのVoiceLift技術も体験し、広い室内の全体へ自然な音声を伝えられることを高く評価しました。フレキシブルで広いイノベーションスタジオの音響設備として、MXA920は最適な選択肢だったのです。

自然なコミュニケーションで社内外の共創を促進

イノベーションスタジオには2台のMXA920が設置され、部屋のすみずみまで収音できるように調整されました。MXA920を導入したことで、利用者はマイクの位置や声量に気を配る必要がなくなりました。VoiceLiftの効果も相まって、自然な発声でクリアな音声が伝わるため、音声品質がコラボレーションを阻害することもありません。発言のハードルが下がり、積極的な議論が可能となりました。音についての問い合わせやクレームはなく、話しやすさを感じてもらえているようです。

「当初、マイクでWeb会議が大きく変化するとは思っていませんでした。しかし、MXA920は小声もクリアに聞こえて、スタジオの臨場感が伝わるようになりました。会話のタイミングも自然になって、ミーティングの雰囲気が大きく変化したように感じています」(鶴野氏)

MXA920によって実現される高品質な音響は、スタジオでもリモートでも同じように声が届き、活発な議論を促します。共創を支援する設備として最適な音響設備なのです。

「ウチダシステムズとの連携によって、イノベーションスタジオという共創のための空間を創ることができたと感じています。またShureも、私たちの細かな要望へ的確に応えてくれました。建設技術研究所は、従来のクローズドなイノベーションだけでなく、このスタジオを中心にオープンイノベーションを活性化していく計画です。ウチダシステムズやShureには、私たちの取り組みをサポートするソリューションの提案・開発を継続していただきたいです(森川氏)

導入製品

シーリングアレイマイクMXA920×2
P300×2

Shure
1925年創業の米国イリノイ州シカゴを本拠とするイヤホン、ヘッドホン、マイクロホン、インイヤーモニタリングシステムなどのコンシューマーおよびプロフェッショナル用音響機器メーカー。
https://www.shure.com/ja-JP

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そしきLab編集部

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