人間の性質は5つに分けられる?「ストレス」を軸に適材適所を考える「FFS理論」の世界をのぞいてみよう

採用にあたって「華のある人物」、それは非常に魅力的です。
しかし、全ての面接担当者が同じ考えを持ってしまっていたら?
同質な人材ばかりが集まってしまうのではないでしょうか。それに、「華がある」人にも弱点はあるものです。

そして、その弱点となるストレス要因は人によって異なるといいます。
これによって人材を5種類にわける「FFS理論」についてご紹介します。

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採用で「スポーツ部主将」には山ほど出会う

「学生時代はスポーツ部の主将でした。チームを全国大会に導きました。」

筆者は会社員時代に一度だけ面接を担当したことがあるのですが、志願者の多い業界だけあり、筆者が参加した2次面接でも、持ち時間が1人あたり8分と決められていました。
エントリーシート(以下、ES)はその場で志願者から渡されますが、8分という時間を考えればゆっくり読んでいる暇はありません。会話中心になるのは当然です。
ESに書いていたであろうことも、再び質問することになってしまいます。

そのなかで厳しい言い方をすれば、上記のような経験を持つ学生は自分では優位性を感じているかもしれませんが、筆者らからすれば何十人とそのようなキャリアを持つ学生と対面します。よって、逆に印象に残らないことすらあるでしょう。なにかプラスアルファがなければ心に刺さりません。

そして、そのタイプの人材ばかりを採用すると、何が起きるでしょう?
トップであることを続けてきた人間同士の諍い、そんなことが考えられないでしょうか。

「校閲」に身を捧げた学生

その面接で、筆者は興味深い学生に出会いました。いわゆるガクチカが、学校新聞の校閲だったというのです。自分としても勉強になる、ということでした。

筆者も日常的にお世話になっていますが、他人が書いた文章を校閲するのは大変な仕事です。知識と集中力を必要とします。筆者ならストレスマックスですぐにやめてしまうことでしょう。

しかし彼は自分としても勉強になる、もともとそういう細かい作業が好き、この作業を通じて現場の人には安心して欲しい、ということでした。
現場の記者ではなく、校閲の仕事を好きでやっているのですから、それを何年も続けてこられた、筆者はそこに感動して、彼に一票を投じました。彼の成否がどのようになったか知る由はありませんが…。

同期の多様性

また、筆者が会社員時代の報道局の同期社員は、面白いほど全員が別種の人間でした。

  • バックパッカー=世界の出来事に興味があり、バックパッカーとして色々な国を訪問。
  • 帰国子女=帰国子女ならではの語学力、忠誠心。
  • 政治オタク=著名政治家の経歴を全て記憶している
  • ヘビメタロッカー:ヘビメタバンドを追い続け、ついに直接取材に。
  • 筆者=?

そんな具合でした。

ただそれが、10年ほど経てば、別々の部署でそれぞれの能力を発揮するようになっていました。

「FFS理論」とは

では、「FFS理論」についてみていきましょう。

FFS理論とはヒューマンロジック研究所が発見・開発したものです。
理論によれば、人は5種類に分られるといいます。

まずその分類を見てみると、ちょっとした言葉に現れます。*1

<引用:日経ビジネス「辻社長の悩み「我々はベンチャーなのに、似たような人が増えていないか?」マネーフォワード辻庸介社長に聞く(その2)」>
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00077/102300044/

一見すると厳しい発言に見えるかもしれませんが、本人はその特性から自然にこれらの言語を発するとみられます。かつ、全ての人がひとつのタイプに完全に分類されるわけではなく、割合は違えど複数の特性を併せ持っている可能性もあります。

みなさんの会社でも経験のあることではないでしょうか。わたしたちは日々、これらの分類を無意識であっても嗅ぎ取っています。
あの人はああいうタイプの人、この人はこういうタイプの人。それが稟議の通し方などに影響することもあるでしょう。「この人に出す書類ならこうしておけばいい」というように。

しかし、部署によって上司に必要な資質は異なります。それがマッチしているのか、考えるべきところです。
あるいは「異質な人とも仕事をやれる人物か」ということを推し量ることもできるでしょう。

上の表をみると、全てのタイプそれぞれの発言は客観的に見れば誤りではないのです。しかし、時と場合によるということもありますし、場合により人を不快にすることもあるでしょう。

例えば拡散性の高い人からすれば弁別性、保全性の高い人の意見はストレスになるでしょうし、保全性の高い人からすれば凝縮性の高い人、拡散性の高い人の考えは気に入らないことでしょう。

このような5種類の人間が関わり、互いに理解を持とうとすることで人も組織も成熟していくのだと思います。同質の人間ばかり集まっていては社内が「イエスマン」に溢れ、機能しなくなるというわけです。

人材は企業の「ポートフォリオ」である

このFFS理論は、実は大企業でも採用されています。*2
ソニー、ホンダ、リクルートグループ、LINEなど800社で導入されています(2022年6月、当該書籍発行時)。

そしてよく金融の投資について株式、債券、通貨など「分散投資」が求められるように、企業もまたそのような考えで人材をストックしていくことは重要かもしれません。

なお、世の中の割合として、

  • 65%は「保全性」が高く、35%は「拡散性」が高い
  • 「凝縮性」と「受容性」を比較すると、「凝縮性」の因子が高い人が20%、「受容性」は80%

だということです。*3

多くの日本人は「保全性」「受容性」が高い性質を持っている。これは日本企業の文化にも反映されているように感じられます。「保守的な組織が多い」というのも、上記のような比率を考えるとうなずけてしまいます。

志望動機すら聞かずに採用

なお、あくまで人材はポートフォリオであるとして、志望動機すら聞かずに採用しているのがセプテーニグループです。*4

デジタルマーケティング事業などを展開している東京のセプテーニホールディングスでは、採用にあたって志望動機よりもこのバランスを重視しています。

どのような特性を持つ人をそれぞれ何人ずつ採用するか予め決めておき、志望動機も聞かず理論にのっとって人材を採用するといった手法を導入しています。

具体的にはこのようなやり方です。

我々の場合、パーソナリティを4つに分類し、人材ポートフォリオを作成しています。4タイプをそれぞれ何人ずつ採用するかを決めていて、それにのっとって採用しているので、人材の多様性はある程度担保されているんです。
(中略)
2つの軸があって、1つは「攻め型」か「守り型」か。これはFFS理論で言うと、「拡散性」か「保全性」か、です。そしてもう1つは、「分析型(デジタル)」か「直感型(アナログ)」か。これはFFS理論で言うと、「弁別性」が高いのか、低いのか、で判断します。

<引用:「“志望動機”を一切聞かない企業。その理由は?」日経ビジネス>
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00077/020900026/

あまりにも合理的すぎる人選かもしれませんが、採用した学生のことを長い目で見ればこれはこれでひとつのかんがえかただとも思えます。

スキルも大切ですが、「性に合う企業か」どうかも大切なことでしょう。

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この記事を書いた人

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後TBSに入社、主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として国内外の各種市場、産業など幅広く担当し、アジア、欧米でも取材活動にあたる。その後人材開発などにも携わりフリー。取材経験や各種統計の分析を元に各種メディア、経済誌・専門紙に寄稿。趣味はサックス演奏と野球観戦。
X(旧Twitter):清水 沙矢香 FaceBook:清水 沙矢香

【参考資料】

*1
日経ビジネス「「辻社長の悩み「我々はベンチャーなのに、似たような人が増えていないか?」マネーフォワード辻庸介社長に聞く(その2)」
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00077/102300044/

*2
古野俊幸「 宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」 p3

*3
古野俊幸「 宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」 p47

*4
日経ビジネス「“志望動機”を一切聞かない企業。その理由は?」
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00077/020900026/


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そしきLab編集部

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