社員が疲れやすい職場の共通点|隠れた原因と今日からできる改善策を薬剤師が解説

生産性の向上や離職率の低下を目指すうえで、無視できないのが従業員の「疲労」です。

大正製薬の調査によると、20代・30代の8割以上が疲れを感じており*1、サントリーウエルネスの調査でも、40代~60代の多くが6ヵ月以上続く疲労感を抱えていることが示されています*2

引用)大正製薬製品情報サイト「リポビタン>大正製薬お役立ちコラム>疲れに効くコラム>疲れが取れない20代。アンケートで見えた若者の疲れと解消法」*1
https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/43/

あなたは6ヶ月以上疲労感が続いていると感じますか。(単一回答)n=800

引用)PRTIMES「プレスリリース>サントリ―ウエルネス株式会社>秋の疲労感こそ要注意!ミドル世代の疲労感実態調査を実施」*2
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000075017.html

疲れを「個人の体調管理の問題」として片付けるのは簡単ですが、職場に根付いた「当たり前の習慣」が疲労を助長しているケースも少なくありません。

本稿では、こうした「疲れやすい職場」にありがちな習慣を取り上げ、疲れる理由と改善策を解説します。従業員が健やかに働ける環境づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。ヒューマンエラー対策を紹介し、それらを企業でどのように活かせるかを解説します。

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疲れやすい職場にありがちな「見えない習慣」

職場の疲れやすさは、「日常の積み重ね」から生まれます。当たり前に行われている習慣が、いかに心身に負担をかけているか見ていきましょう。

情報過多・マルチタスクによる脳疲労

チャットやメールの通知が絶えず届く環境では、脳は休む間もなく情報を処理し続けることになります。しかも、通知のたびに作業を中断して内容を確認すると、脳は頻繁に注意や集中の対象を切り替えなければなりません。このような「マルチタスク」は脳にとって非常に効率が悪く、作業の質の低下や疲労の増大をまねくことになります。

さらに即レスが評価される文化があると、気持ちが休まらず心理的な負担も大きくなります。このような状態が続くと判断力や注意力が低下する「脳疲労*3」と呼ばれる状態に陥りやすくなります。

座りっぱなしによる血流低下

デスクワークで長時間同じ姿勢を続けると、血流が悪くなって肩こりや頭痛、全身の倦怠感などをまねきやすくなります。また、座って過ごす時間が長くなると、将来的に生活習慣病や心筋梗塞、脳血管疾患などのリスクが高まることが指摘されています*4

このように、座りっぱなしの働き方は、短期的なパフォーマンス低下をまねくだけでなく、長期的な健康リスクにもつながるおそれがあります。

水分不足による疲労やパフォーマンス低下

空調の効いたオフィスは空気が乾燥しやすく、気づかないうちに体から水分が失われる「かくれ脱水」が起こりやすくなります。

一般的に、体内の水分が4%失われると強い疲労感が、5%ほど失われると頭痛や熱感が生じる*5とされていますが、海外の研究では、体内の水分がわずか1〜2%減るだけで注意力や判断力が低下することが報告されています*6

こうした点を踏まえると、自覚症状がほとんどない軽い脱水でも、仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすと考えるべきでしょう。

休めない職場文化による疲労の蓄積

引用)パーソル総合研究所「ニュース>「はたらく人の休憩に関する定量調査」を発表適切な休憩は心身の不調リスクを下げ、集中力を高める効果」*7
https://rc.persol-group.co.jp/news/202501301000/

休憩が短い、あるいは取りづらい職場では、一時的に業務を離れても心身の緊張状態が続きます。たとえば、デスクで作業を続けながら食事をする「ながら食べ」は、気持ちの切り替えができないため十分に休めません。

また、急いで食事を済ませる「早食い」の習慣にも注意が必要です。消化器官に負担をかけるだけでなく、血糖値が急激に変化するため、午後に強い眠気を感じたり集中力の低下をまねいたりすることがあります*8

さらに、休憩中にチャットやメールの通知が鳴り続けると、脳を休ませることができません。「いつ連絡が来るかわからない」という心理的なプレッシャーも続くため、疲労感がさらに大きくなります。

コミュニケーション不全による不調の見逃し

職場でのコミュニケーションが減ると、従業員の細かな変化に気づきにくくなり、「疲れているサイン」を見逃しやすくなります。会話が少ない職場では相談そのもののハードルが高くなるため、従業員が疲労や不調を抱え込んだまま働き続けてしまい、結果として過労や離職をまねくこともあるでしょう。

特に、テレワークやフリーアドレスのように日常的に顔を合わせる機会が少ない働き方では、疲れの兆候を察知しづらくなります。さらに、管理職自身が多忙で疲れていると、部下の変化に目を向ける余裕がなくなるため、深刻なサインを見落とす可能性が一段と高まります。

疲れやすい職場を疲れにくくする改善策

「疲れやすさ」の背景がわかると、改善すべきポイントが見えてきます。働き方のルールをほんの少し変えたり工夫したりするだけで、疲れにくく快適な職場に変えていくことができます。

「デジタルデトックス」タイムの導入

脳を疲れさせないためには、情報を適度に遮断することが大切です。

・通知をオフにする集中タイムを設定する
午前中の1時間など、特定の時間を「通知オフ」にして業務に没頭できる環境を作ります。情報の流入を一時的に止めることでマルチタスクが減り、仕事への集中力が高まるとともに、脳の疲労を抑えられます。

・チャットやメールの優先度を明確にする
チャットやメールを送る際は、【至急】や【週明けでOK】といった一言を件名に添えるルールを設けます。優先度がわかれば、受取側の緊張やあせりが軽減されるため、精神的な疲れをため込みにくくなります。

・時間外の連絡制限で「オフの質」を高める
勤務時間外や休日は仕事の通知を見ないなど、デジタルデバイスから物理的に距離を置くことを組織として推奨します。脳をしっかり休ませることができれば、翌日に疲れを持ち越しにくくなります。

アクティブなワークスタイルの採用

座りっぱなしを防いて血流を良くするためには、意識的に「動く」仕組みを取り入れるのが効果的です。

・30分に1回は立つ
30分に1回くらいの頻度で立ったり動いたりすると、座りすぎによる健康リスクを軽減できるとされています*4。立つのが難しい場合でも、足などを動かして血行を促すとよいでしょう。

引用)厚生労働科学研究班「元気と健康のために座りすぎを減らそう」*9
https://www.nibn.go.jp/activities/documents/09suwarisugi.pdf

・スタンディングミーティングを導入する
短い会議は、あえて立ったまま行います。血流が促されるほか、会議が長引くのを防ぎ、集中して話し合えるというメリットもあります。

・物の配置をあえて不便にする
プリンターやゴミ箱、書類などをわざとデスクから少し離れた場所に配置すると、自然と歩く回数が増えます。運動量としては多くないかもしれませんが、体のこわばりを防ぎ、疲れにくい状態を保ちやすくなります。

水分補給しやすいオフィス環境の整備

水分補給は、手軽で効果的な疲労対策の一つです。「のどが渇く前に飲む」という習慣が職場の文化として定着すれば、パフォーマンスの低下予防にもつながります。

・ウォーターサーバーを設置する
各フロアにウォーターサーバーを設置して、すぐに水分を摂れる環境を整えます。「水」へのアクセスが良くなれば意識しなくても水分補給の回数が増え、「隠れ脱水」を未然に防ぎやすくなります。

・季節ごとに「水分補給リマインド」を掲示する
「水分補給を忘れずに!」といったポスターを、従業員の目に留まりやすい場所に掲示します。夏場だけでなく、乾燥しやすい冬場にもデザインを変えて掲示を続けることで、常に水分補給を心がけてもらえるようになります。

・利尿作用の少ない飲料を低価格で提供する
自動販売機のラインナップに、カフェインを含まない麦茶やミネラルウォーターなどを低価格で充実させます。利尿作用のあるコーヒーや緑茶ではなく、水分を体にしっかりとどめる飲み物を選びやすい環境を作ることが大切です。

休憩の質を高める制度設計

疲労をやわらげ、午後の業務に集中するためには、質の高い休憩を取れる環境づくりが欠かせません。経営層や管理職が「休憩は業務の一部である」と明確に示すと、休みやすい雰囲気が生まれ、休憩の質の向上にもつながります。

・休憩時間を固定・確保する
昼休憩の開始時間を固定して、従業員が安心して席を立てるようにします。早食いを防ぐために、休憩直後に会議を入れないルールを設けることも有効です。

・食事をする環境を整備する
可能であれば、食事専用のスペースを社内に確保し、仕事用のデスクとは別の場所で食事を取れるようにします。場所を変えることで、脳がオフの状態に切り替わりやすくなります。

・休憩中の通知オフを推奨する
休憩中はメールやチャットの通知をオフにして、デジタルデバイスから離れるように促します。情報から距離を置くことで脳が休まり、疲労の回復につながります。

不調を見逃さない相談体制の確立

小さな変化に気づける仕組みを確立し、深刻な事態になる前に手を打てる「セーフティネット」を構築しましょう。

・定期的な1on1ミーティングで体調をチェックする
月に一度、15分でも良いので、仕事の進捗だけでなく従業員の心身の状態を確認する時間を設けます。定期的に対話の機会を持つことで、小さな変化にも気づきやすくなります。

・管理職への教育で「気づく力」を高める
産業医による研修や厚生労働省のメンタルヘルス情報サイト「こころの耳(https://kokoro.mhlw.go.jp/)」などを利用して、管理職が部下の不調のサイン(声のトーン、身なり、勤務態度などの変化)に気づく力を養います。専門的な知識で「部下の管理」の質を底上げし、不調の重症化を未然に防ぎます。

・雑談を推奨して「話しやすい空気」を醸成する
朝会やミニミーティングで、業務とは関係ない雑談を交わす時間を作ります。日頃から心理的な安心感を高めておくことで、従業員が相談を切り出しやすい土壌が整います。

まとめ|職場習慣の改善は、生産性向上への投資

従業員が「疲れやすい」と感じる環境をそのままにしておくことは、燃費の悪い車で走り続けるようなものです。「職場の習慣」というインフラが整ってこそ、優秀な人材の力が発揮されます。

一方、従業員が心身ともに健やかに働ける「疲れにくい職場」を整えることは、結果としてミスを減らし、離職を防ぎ、企業の成長を支える盤石な基盤となります。

まずは「当たり前」と思っている現在の習慣を一つ見直してみてはいかがでしょうか。ひょっとしたら、それが持続可能な組織づくりの第一歩になるかもしれません。

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この記事を書いた人

中西 真理

公立大学薬学部卒。薬剤師。薬学修士。医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。現在は、フリーライターとして主に病気や薬に関する記事を執筆。

参考資料

*1
出所)大正製薬製品情報サイト「リポビタン>大正製薬お役立ちコラム>疲れに効くコラム>疲れが取れない20代。アンケートで見えた若者の疲れと解消法」
https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/43/
*2
出所)PRTIMES「プレスリリース>サントリ―ウエルネス株式会社>秋の疲労感こそ要注意!ミドル世代の疲労感実態調査を実施」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000075017.html
*3
出所)アリナミン健康サイト「健康トレンド用語集>栄養/疲れに関する用語一覧>脳疲労」
https://alinamin-kenko.jp/kenko-keyword/nutrition_fatigue/brain_fatigue.html
*4
出所)スポーツ庁Web広報マガジンDEPORTARE「数字で見るスポーツの価値>日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは…」
https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html
*5
出所)大塚製薬「ニュートラシューティカルズ関連事業>事業紹介>水分補給>生命の源、「水」>もしも身体の水分がなくなったら」
https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/dehydration-signs/
*6
出所)Wittbrodt MT, Millard-Stafford M. Dehydration Impairs Cognitive Performance: A Meta-analysis. Med Sci Sports Exerc. 2018;50(11):2360–2368.
https://journals.lww.com/acsm-msse/fulltext/2018/11000/dehydration_impairs_cognitive_performance__a.21.aspx
*7
出所)パーソル総合研究所「ニュース>「はたらく人の休憩に関する定量調査」を発表適切な休憩は心身の不調リスクを下げ、集中力を高める効果」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202501301000/
*8
出所)クラシエ「Kampoful Life byクラシエの漢方>もう血糖値スパイクは起こさない!<必見>食べ方・運動ルールとは」
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=16062
*9
出所)厚生労働科学研究班「元気と健康のために座りすぎを減らそう」
https://www.nibn.go.jp/activities/documents/09suwarisugi.pdf


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そしきLab編集部

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