
近年、電話対応に苦手意識を持つ人が増えています。特に若者世代ではその傾向が顕著で、退職理由にまでつながるケースも少なくありません。
しかし、ビジネスシーンにおいて電話対応は避けて通れない場面も多くあります。今回は、電話対応が苦手な方に向けて、筆者の社会人経験をもとに、苦手意識を軽減するための具体的な心得を解説します。
この音声コンテンツは、記事の文脈をAIが読み取り独自に対話を重ねて構成したものです。文章の読み上げではなく、流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。※AIで作成しているため、一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。
若者の多くが電話対応が苦手
冒頭で紹介した通り、電話対応に苦手意識を持つ若者が増えています。情報通信会社ソフツーが実施したアンケート調査によると、全体の約6割、特に20代~30代においては7割以上が電話に対して苦手意識を感じているという結果が出ています(図1)。*1

出所)株式会社ソフツー「若者世代は7割以上が『電話恐怖症』に!?ソフツー『電話業務に関する実態調査』を発表」
https://www.miraiai.jp/research_231101/
筆者自身は若者世代ではありませんが、電話対応が苦手です。新社会人の頃は、電話に出ること自体が本当に怖かったものです。
仕事の電話はもちろんのこと、友人や家族との電話であっても、できれば避けたいと感じています。親しい人相手でも感情を出すのが苦手で、とてもそっけない対応をしてしまうのです。家族への帰省の連絡なども、電話が何となく嫌で先延ばしにしてしまい、結局直前になって連絡して、親に怒られた経験もあります。
この調査によると、若者の電話に対する苦手意識は、「自分の知識で正しく回答できるか不安」「上司にうまく取り次ぎできるか不安」といった、対応に自信が持てないことに起因しているようです。
一方で、ベテラン世代になると、「手を止めて対応する必要があり、集中力が途切れ業務効率が悪い」といった、業務遂行上の負担を不快に感じる傾向が見られます(図2)。*1

出所)株式会社ソフツー「若者世代は7割以上が『電話恐怖症』に!?ソフツー『電話業務に関する実態調査』を発表 」
https://www.miraiai.jp/research_231101/
筆者の場合、後者よりも「自分の知識で正しく回答できるか不安」という理由が強く、まだまだ修行が足りないようです。
退職代行サービスOITOMAによると、新入社員の退職相談の理由として、「電話対応のストレス」を挙げる人が少なくないとのことです。*2
企業にとっては単に「電話が苦手な若者が増えている」というだけでは済まされません。電話対応のストレスが原因で新入社員が早期に離職してしまえば、採用や育成にかけたコストが回収できず、組織として大きな損失につながります。特に人手不足が深刻化する中で、若手人材の定着は企業の持続的な成長に直結する重要課題です。
海外でも広がる電話恐怖症
実は、この傾向は日本に限ったことではありません。
イギリスの電話応対サービス会社が2019年に発表した記事によると、オフィス勤務者の62%が電話に出る前に不安を感じているそうです。
また、アメリカで行われた2023年の調査でも、22歳から37歳の約8割が電話で話すことに不安を感じています。
韓国の調査でも、電話をかける前に精神的なプレッシャーを感じる人の割合は、20代が43.6%で、年齢が高くなるにつれてプレッシャーを感じる割合は低くなっています。*3
このような世代間のギャップは、コミュニケーション手段の多様化や個人の価値観の変化も影響していると考えられます。電話という直接的なコミュニケーションが、一部の世代にとって心理的なハードルとなっている現状は、企業にとっても無視できない課題と言えるでしょう。
チャットやメールは、文章を整え、送る前に確認し、必要なら上司や同僚に相談してから返信できます。言い換えると、自分の失敗をコントロールできる余地が大きいコミュニケーション手段です。
一方、電話はその場で返答を求められることが多く、相手の温度感も声だけで読み取らなければなりません。しかも、業務では「受け答え」「取り次ぎ」「要点整理」が同時に求められます。苦手意識の正体は、電話というツールよりも、失敗が即時に露呈する場に立たされる緊張なのではないでしょうか。
なくならない電話対応
2023年度(令和5年度)の総通信時間は、2,511.5百万時間で対前年度比11.0%減少しています(図3)。*4

出所)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」P.3
https://www.soumu.go.jp/main_content/001000766.pdf
前述のソフツーの調査によると、2023年時点の業務における一日あたりの電話に費やす時間は平均22.94分となっています。*1
総務省のデータでは通信時間は微減傾向にあり、2026年時点では業務における一日あたりの電話に費やす時間は22.94分より減少しているかもしれません。
しかし、減ったとはいえ、「どんなにSNSが発達しても、職場ではチャットツールも活用していますが、社外とのやり取りにおいては電話が欠かせない」という声も聞かれます。*2
筆者自身も、業務における電話対応が完全になくなることはないと考えています。
電話対応の苦手意識を軽減するには
電話対応で特に苦手意識を感じやすいのは、「問い合わせ内容がわからない」「自分の知識で正しく回答できるか不安」といった、いわゆる「何をすればよいかわからない」という漠然とした不安が原因ではないでしょうか。*1
この不安を軽減するために、まず実践したいのが「台本」の作成です。問い合わせ内容を事前に把握することは難しい場合もありますが、よくある質問や対応の流れをメモにまとめ、自分なりの台本を用意しておくだけでも、心に余裕が生まれます。
筆者は新入社員のころ、電話をかける側であれば、「お世話になっております。株式会社〇〇の田中です。」といった冒頭の挨拶から、用件、結びの言葉まで、細かく台本を用意しておくことで、安心感を得ていました。
そして、身もふたもない話ですが、何よりも「慣れ」が大切だと思います。
年齢が上がるにつれて電話対応への苦手意識が薄れるという図1のデータからもわかるように、電話対応の件数を重ね、場数を踏むことで、苦手意識は徐々に軽減されていくものです。筆者自身も、社会人経験を積むにつれて、新入社員の頃のようなしどろもどろな対応はなくなりました。
また、相手の顔が見えない電話だからこそ、意識したいのが「表情」です。笑顔で話すことで声のトーンが明るくなり、相手に好印象を与えやすくなります。電話対応に慣れてきたら、相手への印象を良くするために、電話中の表情にも気を配ってみると、ワンランク上の電話対応になるでしょう。
親しい人にもそっけない電話をしてしまうような筆者がこのようなことを言っても説得力がないかもしれませんが、仕事の電話をするときに気を付けていることです。
個人の努力だけではなく、企業としてのサポートも重要です。近年では、AIを活用して顧客の怒鳴り声を穏やかな声に自動変換するサービスも登場しています。*5
会社として、定期的な電話対応セミナーの実施や、こうしたツールの導入を検討することも、従業員の苦手意識軽減につながるでしょう。
経験を重ねてほしい
電話対応が苦手で、精神的な負担が大きすぎる場合は、思い切って電話対応が少ない、あるいはまったくない職場への転職も一つの選択肢です。
とはいえ、メールやチャットといったテキストベースのコミュニケーションに比べ、電話は直接的な対話であるため、誤解なく意図を伝えやすく、話がスムーズに進む場面も少なくありません。特に、複雑な内容や緊急性の高い案件においては、電話でのやり取りが有効な場合が多いのも事実です。
電話対応は、現代社会において依然として重要なコミュニケーション手段であり、その苦手意識を克服することは、ビジネスパーソンとしての成長につながる貴重な機会となります。すぐに得意になれなくても、今回ご紹介したような「台本を用意する」「笑顔で話す」といった工夫を実践し、経験を重ねることで、少しずつ苦手意識は軽減されていくはずです。
もし、どうしても耐えられないほどのストレスを感じる場合は、無理せず自分に合った働き方を選択することも大切ですが、まずは小さな成功体験を積み重ねることから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
田中ぱん
学生のころから地球環境や温暖化に興味があり、大学では環境科学を学ぶ。現在は、環境や農業に関する記事を中心に執筆。臭気判定士。におい・かおり環境協会会員。
参考資料
*1
出所)株式会社ソフツー「若者世代は7割以上が『電話恐怖症』に!?ソフツー『電話業務に関する実態調査』を発表 」
https://www.miraiai.jp/research_231101/
*2
出所)TBS・JNN NEWS DIG合同会社「電話恐怖症”『電話する機会がない』『失敗したら』 SNS世代が抱える会社での電話への壁 通話を原則禁止の企業も…」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1928914?display=1
*3
出所)株式会社集英社「『電話が怖い…』鳴るたびに動悸、手汗…世界中で広がる電話恐怖症(テレフォビア)とは…アメリカでは8割の若者が電話に不安感を」
https://shueisha.online/articles/-/252346?disp=paging&page=2
*4
出所)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」P.3
https://www.soumu.go.jp/main_content/001000766.pdf
*5
出所)ソフトバンク株式会社「SoftVoice – カスハラ対策」
https://www.softbank.jp/biz/services/ai/softvoice/
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