
「社員が誇れる職場をつくりたい」
そんな想いから始まった、ハンファエナジージャパン株式会社様の本社移転プロジェクト。ただの引越しではなく、組織文化や社員同士のコミュニケーションまでを見直す一大改革となった背景には、ウチダシステムズが提供するコンサルティングサービス「VECTOR(ベクトル)」の存在があった。
経営層へのヒアリングに加え、現場メンバーとの定例会議を通じて進められたプロジェクトでは、移転コンセプトの策定からカフェスペースのネーミングまで、多様な視点と創意工夫が融合された。
本記事では、代表取締役とプロジェクトメンバーの視点から、移転の舞台裏とVECTORがもたらした変化を紐解く。
代表取締役 崔 訓鐘(チェ・フンジョン) 様
アセットマネジメントチーム 主任 三浦 良介 様
所在地:東京都港区芝4-13-2
事業内容:太陽光発電事業
内容:移転、コンサルティングサービス「VECTOR(ベクトル)」
Web:https://hecj.jp/
トップインタビュー

ただの引越しではない─移転を通じて変革に挑んだ背景
ー オフィスの移転を検討された当初は、どのようにお考えでしたか?
崔様:最初は、本当に単純な“引越し”だと思っていました。現在のスペースが手狭になったから、より広い場所に移る、いわば物理的な変更だけを想定していたのです。ゆえに、はじめは引越業者や内装会社など複数社に声をかけて、条件や価格を比較するという一般的な進め方をしていました。
ー その考えが変わったのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか?
崔様:ウチダシステムズさんからのご提案を受けて、考え方が大きく変わりました。単なる場所の移動ではなく、移転という機会を通じて、会社の“在り方”そのものを見直すことができると気づかせてもらったんです。働く環境が変われば、人の意識や行動も変わる。社員同士のコミュニケーション、業務の進め方、さらには企業文化そのものにも影響を与えることができる—そういった視点をいただいて、これは単なるロジスティクスの問題ではないと確信しました。
ー 移転を経営課題の解決の手段として捉えるようになったのですね。
崔様:はい。とても大きな気づきでした。移転は単なる業務上の施策ではなく、社員が働きやすく、誇りを持てる環境を整える経営上の大切なテーマだと、あらためて実感しました。
組織文化とコミュニケーションを変える「場づくり」の工夫
ー 移転にあたり、どのような課題を感じていましたか?
崔様:一番の課題は、やはり社内のコミュニケーションでした。以前のオフィスでは、話すべき相手としか話さないという空気があり、部署間の連携や情報共有がスムーズにいかない場面が多く見受けられました。“見えない壁”をどう取り払うかが大きなテーマでしたね。
ー その課題を解消するために、どのような工夫をされたのですか?
崔様:まずは、働く環境をどう整えるかを一緒に考えていきました。たとえばオフィスの動線や席の配置、ラウンジなどのリフレッシュスペースについて、どうすれば社員同士が自然に話せる環境になるかを、ウチダシステムズさんの提案をもとに検討を重ねました。
ー 設備だけでなく、運用面や文化づくりも意識されたと伺いました。
崔様:はい。空間の使い方については明確なルールを設け、社員への説明会も行いました。せっかく良い環境を整えるので、その“使い方”や“考え方”まで含めて整えていくことが大事だと感じていました。
ー 移転後の社内外からの反応はいかがでしたか?
崔様:社員からは『使いやすくなった』『コミュニケーションが取りやすくなった』という声がありましたし、クライアントや取引先をお招きした際にも、『雰囲気がいい』『うらやましい』という評価をいただくなど、ポジティブな反応を多くいただいています。
ー 経営者として、今回の移転とVECTOR導入を振り返ってどう感じていますか?
崔様:今回の移転は、単なるオフィスの刷新ではなく、会社の文化や社員の行動、そして気持ちにまで変化をもたらすきっかけになりました。ウチダシステムズさんのVECTORというサービスに出会えたことが非常に大きくて、私自身、これはすごい提案だと感じました。経営の視点から見ても、会社の未来を見据えた価値あるプロジェクトだったと思います。
ー 移転を考えている他の企業に向けて、伝えたいことはありますか?
崔様:移転は単なる業務上の施策ではなく、組織の未来を考えるうえで非常に重要なチャンスだと思います。空間を変えることで、コミュニケーションも文化も変わる。その可能性を前向きに捉えて進めてほしいですね。
プロジェクトメンバーインタビュー

「全社員が喜べるオフィス」を目指して─プロジェクト初期の葛藤と手応え
ー 移転プロジェクトのメンバーに選ばれたときのお気持ちはいかがでしたか?
三浦様:このプロジェクトに選んでいただいたということが、すごく嬉しかったです。オフィスの移転って、誰もが経験できることではありませんし、自分にとっても貴重な機会だと思いました。
ー その一方で、不安などはありませんでしたか?
三浦様:正直、最初は右も左も分からず、不安もありました。本当に全社員が喜んでくれるような働きやすいオフィスをつくれるのか、自分たちのアイデアだけで実現できるのかという気持ちは強かったです。
ー その不安は、どのようにして解消されていきましたか?
三浦様:プロジェクトチームで意見を出し合って、その内容をウチダシステムズさんにブラッシュアップしていただくことで、少しずつ『こういう方向で進めていけば良いんだ』というイメージが明確になっていきました。不安だった部分が、段階的に自信へと変わっていった感覚です。ウチダシステムズさんが方向性を示してくださったおかげで、安心して進めることができました。
ー プロジェクトの中で、特に印象に残っている場面はありますか?
三浦様:やはり、オフィスの完成イメージがパースとして形になった時ですね。それまでは頭の中で描いていたものが、実際に目に見える形になったことで、『いよいよ本当にできるんだ』という実感が湧きました。
プロジェクトチームの力─共創で生まれたエナジーカフェと関係性の変化
ー 印象に残っている取り組みはありますか?
三浦様:カフェスペースのネーミング会議が印象に残っています。プロジェクトメンバーそれぞれが名前の案を出し合って、その中から“エナジーカフェ”という名前に決まりました。“エナジー”は社名の“ハンファエナジージャパン”に由来していて、再生エネルギー事業を生業とする会社としての特徴も込めています。皆で決めた名前なので、今でもすごく愛着があります。

ー プロジェクトを通じて感じた変化はありましたか?
三浦様:普段あまり関わることのない部署の人たちと話す機会が増えたことは大きかったです。部署の枠を越えて人間関係が広がりましたし、これまであまり発言されなかった方が、自分の意見を話すようになったり、行動に変化が見られるようになったりしたことも印象的でした。
ー 実際にプロジェクトに参加して、ご自身の中ではどんな気づきがありましたか?
三浦様:移転プロジェクトって、もっと堅いものだと思っていました。実際はチームの雰囲気も明るくて、和気あいあいと進めることができました。アイデアを出し合って、一つひとつが形になっていくのを見ているうちに、気づけばすごく前向きに取り組めていました。
多くの人と関わりながら一つのものをつくり上げる経験ができたことが、大きな財産になりました。社員から『移転してよかった』という声を聞けたことが何より嬉しかったです。
ー ウチダシステムズのサポートについて、どのように感じていましたか?
三浦様:最初は何も分からず不安でしたが、ウチダシステムズさんにしっかりと方向性を示してもらい、ロードマップも明確だったので安心して進められました。定例会議も毎回和やかな雰囲気で、楽しく取り組めたのがよかったです。
ー 移転を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
三浦様:最初は不安もありましたが、プロジェクトチームの結束力と、ウチダシステムズさんのサポートがあったからこそ、楽しく前向きに進めることができました。関わる人たちの声を聞きながら進めていくことが、成功の鍵になると思います。
まとめ
オフィス移転は、単なる空間の変更ではなく、組織や人の意識に変化をもたらす重要な機会となります。本プロジェクトでは、経営層と現場が一体となって取り組むことで、社内のコミュニケーションや働き方に前向きな変化が生まれました。
部門を越えた対話や、社員全員の意見を反映したプロセスを通じて、オフィスは“みんなでつくった場”へと進化します。関係性の変化や、働くことへの意識の高まりが、移転の本当の成果なのかもしれません。

この記事を書いた人

そしきLab編集部
ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。
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