企業理念が浸透しない!?強い組織づくりのための新常識。

「企業理念」が社員に伝わらない。だから社員が同じ方向を向いて働けていない。そんなお悩みの声をよく耳にします。

ウチダシステムズではそんなお悩みを解決するために、『“組織風土”が育ち、“企業理念”が組織に浸透する場づくり』を支援する「VECTOR-MOVE(ベクトルムーブ)」というサービスを開発しました。

「企業理念」が伝わるような組織に変えていくために、オフィス移転・リニューアルをお手伝いするプロがどんな場づくりをしているのか、ウチダシステムズのVECTORチームにインタビューしてみました。

メンバープロフィールなど

VECTORチーム 後藤(写真左)
2015年入社。VECTOR-MOVEの立ち上げを行う。

VECTORチーム 佐藤(写真右)
新卒入社でVECTORチームに配属される。ワークショップでのファシリテーターや、VECTORサービスメニューの企画開発などを行う。

インタビュアー
ウチダシステムズのファンになってしまったWebマーケター。

会社のベクトルを合わせる場づくり・組織づくりとは

ーウチダシステムズではお客さまのオフィス移転やリニューアルに合わせて、組織づくりの支援もされているとのことですが、どういったことを行っているのでしょうか?

後藤:ウチダシステムズは単にオフィスをつくるだけの会社ではありません。オフィス移転やリニューアルの際、新しい空間・箱をつくるだけではなくて、 そこにふさわしい組織風土や、働き方、運用も一緒につくってしまおう。という考え方でサービスを提供しています。また、私個人の想いとしても、企業理念や組織とオフィスについての課題感を強く持っていました。その中で「会社のベクトルが揃っていて、強い組織になってほしいな」という目的で、「VECTOR-MOVE」というサービスを開発し、ご提供しています。

ー会社のベクトルが揃うとは、具体的にはどういうことなのでしょうか。

後藤:「VECTOR-MOVE」では「トップインタビュー」という社長のインタビューを起点にしてプロジェクトをスタートしています。まずトップの方の目指す姿や現在の課題、大切にしていること(理念)の引き出しを開ける。そしてゴールを共有し、トップの想いを引き継いで「この方向感、この距離感で場づくり・組織づくりを行うよ」と舵取りをしていきます。社員が同じ方向を向いて進めるようにする、つまりベクトルが揃うんです。

ーオフィスづくりを行う上では、そういった社長の想いを共有し、方向性を合わせることが非常に重要になってくるんですね。

佐藤:そうですね。「VECTOR-MOVE」サービスは、オフィスづくりというより「組織コンサルティング」や「インナーブランディング」というものに近いかもしれません。トップインタビューやウチダシステムズのオフィス見学を通して、関わる社員の皆様の意識合わせをさせていただくという、議論を始めるまでのベースづくりみたいなところからお手伝いをしています。
元々のVECTOR-MOVEの思想にも「意識と行動」という言葉があるのですが、実際にお手伝いさせていただくと、社員の方一人ひとりの行動が変わったり、意識が変わったりしていくのを目の当たりにします。そのあたりが当社として提供している価値になっているのかなと思います。
プロジェクトメンバーの皆様が、移転やリニューアルの期間を通して団結したり成長したりと、全社に対して影響力を発揮して社内表彰をもらえるような活動になればいいなと。これは密かに裏側で目標にしていることですね。

必要とされているのは「かっこいいオフィス」ではなく、「成長を後押しする空間」

ー「VECTOR-MOVE」サービスを開発しようと思ったきっかけはなんですか?

後藤:「仏作って魂入れず」っていうことが私の問題意識の原点にあって、そういった仕事はしたくないなと感じていたことですね。
クオリティの高い空間づくりとか、コストパフォーマンスの高いオフィスづくりというのはもちろん得意です。でもお金を払う側からすると「かっこいいオフィスではなく、会社が成長するための適切な空間が欲しい」と思っているのが本質だと考えています。

ーオフィスという箱ではなく、箱の中に入る「人や組織」が大事だ、ということですね

後藤:そうですね。ものすごく高機能なオフィスづくりをお手伝いすることもあるのですが、画面が3つも4つもあるような会議室を作っても、そこで働く人たちって会議下手だったりするんですよね。「会議が下手な人たちに、F1マシンみたいな会議室を作っても全然運転できない」みたいな原体験があって、「会議室に数千万円かけるのであれば、その半分をトレーニングや育成系の投資に回す方が本質的なお金の使い方なんじゃないか」とずっと疑問に思っていました。それがVECTOR-MOVEのスタート地点でした。

組織づくりのための場づくり

ー場だけではなく、組織を一緒につくっていくって、どういうことなんでしょうか。

後藤:一般的に、100名規模のオフィス移転/リニューアルで、準備期間が半年だとすると、社長・責任者・担当者の3人くらいが関与することになります。3人が半年間クオリティの高い空間とコストパフォーマンスを追求していても、残りの97人からすると移転の直前に段ボールが運ばれてきて初めて、移転の全体像を知る形になります。するとその97人の大半が「面倒くさいな」とか「移転嫌だな」というネガティブな気持ちで移転に取り組むことになる。そうしたら、私たちがその3人の方と濃密な6ヶ月間を過ごしても、本質的には社員にとっていい投資になっていないのではないかと思います。どういう会社になりたくて、どんな働き方をしてほしくてこのオフィスを作ったのかというのが他の97人に読み解けないんです。なので、97人が新しいオフィスでどう働いて欲しいのか? オフィスを通じてどんな組織にしたいのか? が“伝わること”が非常に重要になってきます。

ーなるほど。確かに社員としては「面倒くさい」という気持ちになりそうですね。どのように全員が関わりやすい進め方をしているのでしょうか。

佐藤:オフィス移転やリニューアルで社員を巻き込んだプロジェクトを組むケースはほとんどなくて、総務系・人事系の方を中心に進めていくことが多いです。
ただウチダシステムズでは、場づくりと同じくらい組織づくりを重要視しています。なので私たちが提供しているVECTOR-MOVEでは、お客さまの代表社員の方々にプロジェクトメンバーとして入ってもらうことにしています。各部門からさまざまな世代・職種の方に集まっていただくことで、それぞれの考え方が加わったオフィスになります。そうすることでオフィスを「ただの働く場所」にするのではなく、「会社のことを考えながら勤められるような場所」にするための移転やリニューアルのプロジェクトになるんです。

後藤:移転あるいはリニューアルまでの長い時間の1番最初に、「どんな方向で、どんな解像度の目標に向かっていくのか」といったコンセプトを考えるのですが、それを各部署から選抜されたプロジェクトメンバーで考えていくことで、社員主体で考えられることになるという仕組みです。
答えはお客さまの中にしかないので、それを私たちが紐解くお手伝いをして、 世の中のトレンドなんかも掛け合わせながら、方向性づくりのお手伝いをします。

社員が自主的に会社の想いに沿って動けるように

ーウチダシステムズならではの、オフィスづくりの特長を教えてください。

佐藤:お客さまが「移転前から改善に取り組む」というところじゃないですかね。移転を機にスタートすることもあるのですが、それより前から解決できる課題は先に解決しようと動いています。 
コミュニケーションの課題だったら、「チャットで部活みたいなの作ってみようよ」とオンラインのコミュニケーションを取りはじめることもあります。新しいオフィスという場を待たずにそういった施策に自ら取り組んでいくというのは、他社の解決方法とはちょっと違うアプローチかなと思います。
我々が「全員参加」という行動ポリシーのもとでイベントをやって、失敗したからこそできるアドバイスもありますし。

後藤:そうだね。移転前、リニューアル前に練習するっていうのは特徴だよね。
特にコミュニケーション系の課題は移転しないとできないものってほとんどなくて、移転前にやれちゃうんです。なので「移転を待たずに練習しちゃえ」「移転を待たずに始めちゃえ」ということを言っています。

ー社員が自発的に動いてくれるのはマネージャー層からすると嬉しいですよね。今日の取材前のイメージとしては、「こういう課題にはこういうレイアウトが効いてね」みたいな話が多いのかなと思っていたのですが、基本的に「人」を中心としたお話が多いですね。

佐藤:想像されているような「オフィスを中心とした場づくり」という答えを出す会社も多いと思いますが、ウチダシステムズでは「人や組織を中心とした場づくり」という考え方をしています。

後藤 :私も「要は机なんかなんだってよくて」みたいな話をしてしまいます。「パソコンがあればみかん箱でできるじゃん」みたいな。時折デザインチームには怒られますが(笑)

組織を変えるには、まず10人から変える

ー場づくりというのは「オフィスに家具を置く」ということではなく、「組織をより良くするためにどうしていくか」ということなんだと改めて感じました。

後藤:オフィス移転やリニューアルという劇的な環境変化の際に「オフィスをこういう風に利用してほしい」「こういう風に働いてほしい」という背景を読み解くことが一般の人には難しいと思います。それを丁寧に紐解いて伝える役割なので、普通にオフィス移転やリニューアルをするよりも、トップの期待している働き方を社員が理解するお手伝いにはなっていると思います。 

ーお客さまの変化を実感することはありますか?

佐藤:お客さまの雰囲気は変わります。目に見えて空気感が変わりますね。
受付ですれ違っても素通りだった社員の方が、プロジェクトの後、社員同士で顔と名前が一致してご挨拶をいただけるようになったときに「全然雰囲気が違うな」「外部から見たときの印象もすごく良くなったな」と思ったのはよく覚えています。

後藤:お客さまの事務所の中に賑やかさが増えたという印象を持つことは多いですね。会話が増えたとか、笑顔が増えたとか。関係性が近づいたかなと感じる変化がありますね。
私たちは移転やリニューアルを通じて10人のプロジェクトメンバーの関係性が深まること、強くなることを経営者の方に約束できます。一部の社員が変わることで、循環的に他の社員も変化していきます。なので一部の方が変わることができたら、もう御の字です。

社員が団結し、成長し、未来のチームになる

ーVECTOR-MOVEのオフィス移転・リニューアルを通して、どんなところがお客さまに評価されていますか?

佐藤:オフィス移転やリニューアルを経験することはそう多くないので、プロジェクトメンバーの方には、新しい働き方や約束事を作ったり、家具の色決めたりするイベントに関われたということを喜んでいただいています。
あとは「自分の業務について考えることはあっても、会社がこれからどうなっていくか、会社の課題をどうするか、自分たちが未来どうなっていきたいかを考えることなかったので印象に残った」という感想をいただくことは多いですね。

後藤:立場が上の方には、プロジェクトメンバーの人選のときに「未来の自社をつくり考えるプロジェクトで、新しいオフィスは自社を導くための箱なので、メンバーは未来のエースになるような若手・中堅メンバーを各部から集めてください」と伝えています。
未来を担うメンバーが団結したり成長したことに「ありがとう」と言ってもらえることは多いですし、そう言ってもらえると嬉しいですね。
プロジェクトメンバーが社内表彰に選ばれる様な活動になることがいちばん嬉しいです。 オフィス移転・リニューアルの活動がお客さまの会社の財産になると思ってお手伝いをしています。

ーオフィスと組織の関係性が良く理解出来るお話でした。今日はありがとうございました。


組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。

企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

この記事を書いた人

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そしきLab編集部

ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。