いい大人が、「どうすればいいですか?」では困る。

かつて、私が在籍していた会社の職場では、
「どうすればいいですか?」
と聞くことは、禁忌……とまではいかないが、悪評につながる行為であった。

例えば、こんな具合だ。

「すいません、先ほど、審査会社の価格比較表を作ってくれ、とメールで依頼された件ですが、どうすればいいでしょうか?」
「……何が知りたいの?」

「えー、どうしたらいいかわからなくて。」
「……何から始めればいいか、見当はつく?」

「ちょっと良くわからないです。」
「じゃ、まずそれを考えてきて。」

「……はい。」
「いや、もういいよ。別の人に頼むわ。」

上のやり取りは露骨だが、これに近い質問しかできない人を、しばしば見た。

こんなことが何回か続くと、「あいつは頭が悪い」という話になり、プロジェクトにアサインされなくなり、そのうち社内失業してしまう。
そして、社内失業した人は、大抵辞めていく。

こういう人間に対して、先輩や上司が考えていることはただ一つ。

「いい大人で、何も考えずに質問してくる人って、まずいよね。少しはGoogleでもAIでも何でもいいから調べようとか思わないの?」だ。

断っておくと、もちろん、仕事を教えるのも先輩や上司の仕事の一つであり、相手の能力が低いからと言って、「放置する」のは良くない。

「やり方を教えて、うまく動いてもらうように誘導する」
ほうが、全体としてはよほどマシだ。

だが、放置されてしまう側にも、責任がある。

一つは、「態度」が悪いことだ。

全体としてみれば、さっさと手順を教えて、やってもらったほうが「効率的」かもしれない。
だが人は「効率」では動かない。感情で動く。

「わざわざ時間を割いて教えてくれること」への感謝と誠意を見せなければ、上司・先輩は「こいつには教えたくない」と思うだけとなる。

したがって、教えてもらう側にも
「頑張って考えました。調べてきました」という姿勢が問われる。

「とりあえずわからないので聞きにきました」では、先輩や上司をイラつかせるだけだ。

二つ目は「質問の仕方が悪い」ことだ。

「どうすればいいでしょうか?」

という質問は、子供や学生ならば許されるが、お金をもらっている大人、会社員であれば、仮説を立てることや、思考することを一方的に相手に押し付ける行為であって、まさしく、「迷惑行為」と言える。

なお、コンサルティング会社は質問一つとっても、能力を値踏みされてしまうため、「質問の仕方が悪い」と、すぐに能力を見限られてしまう。
そうなると、もう出世は見込めない。

「聞きに行く」
という行為一つでも、大変な神経をつかうことが良くあった。

「どうすればいいですか?」
「よくわかりません。」
「何からやればいいですか?」

といった言動は、すぐに「考えてないヤツ」とみなされてしまい、評価を落とす。

かといって、聞かないともっと大きなトラブルになってしまう。
したがって、新人時代は「良い質問を考える」ということに、大きな時間を使っていた。

ただ、これはのちに、「独り立ちしたとき」に、大きな財産になる。

自分に情報が足りないとき、お客さんが迷っているとき、
そういったときに、相手の意図を推測して、質問ができるようになるのだ。

*

正しい答えを得るためには、正しい問いを発する必要がある。

そして、「なにがわからないか」を明確にするためには、よく考え、頭を使って疑問をまとめ上げる必要がある。
仮にそれができなくとも、少なくともそれまでの経緯をきちんと説明することで、上司や先輩の印象は随分変わるだろう。

そういうことをすべてすっ飛ばして、
いい大人が、「どうすればいいですか?」では、本当にまずい。

繰り返しになるが、「ちゃんと教えない上司/先輩が悪い」というケースも多い。
何も材料を与えずに、「考えろ」では、途方に暮れてしまう人がいるのも分かる。

しかし、そう言っていても、何も解決しない。

問われているのは、「少しでも質問された側の負担が減るような質問をしよう」という、相手への配慮である。

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この記事を書いた人

安達 裕哉

生成AI活用支援のワークワンダースCEO(https://workwonders.jp)|元Deloitteのコンサルタント|オウンドメディア支援のティネクト代表(http://tinect.jp)|著書「頭のいい人が話す前に考えていること」88万部(https://amzn.to/49Tivyi
◯Twitter:安達裕哉
◯Facebook:安達裕哉
◯note:(生成AI時代の「ライターとマーケティング」の、実践的教科書)


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そしきLab編集部

【この記事は生成AIを利用し、世界のオフィスづくりや働き方に関するニュースをキュレーションしています】