採用時の性格診断テストはどう活用する?配属や組織設計に活かす方法を医師が解説

性格診断テストは、職業選択や採用時の適性検査の一つとして用いられています。
一方で、性格診断テストを、採用時以外にどのように活用すべきか悩む企業も少なくないのではないでしょうか。

今回の記事では、性格診断の基本的な考え方を整理するとともに、結果を配属設計やオフィス環境の設計に活かす方法について解説します。

本記事は音声でもお楽しみいただけます!
この音声コンテンツは、記事の文脈をAIが読み取り独自に対話を重ねて構成したものです。文章の読み上げではなく、流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。※AIで作成しているため、一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。

性格診断テストの基本的な考え方と適性検査としての位置づけ

性格診断テストは、エンターテイメントとして知られている一方で、採用や人員配置の参考としても活用されています。
ここでは、性格診断テストの基本的な考え方と、適性検査としての位置づけを整理します。

適性検査の種類と性格検査の特徴

企業が労働者を採用する際には、いくつかのステップを踏む必要があります。
その一つに適性検査が含まれます。

職業適性検査や職業興味検査、性格検査など、企業によって呼び方や方法にはバリエーションがあります。
適性検査は、行う目的に合わせ、適切な種類の検査を選んだうえで、専門的な知識と経験を持った人が用いることが望ましいとされています。

また、適性検査の結果を絶対視したり、うのみにしたりすることは避け、心理測定の妥当性・信頼性を踏まえた運用が求められます。*1

性格特性は優劣ではなく傾向

性格検査としてよく知られているものに、ビッグファイブという尺度があります。

これは、以下の5つの次元で性格の個人差を包括的に説明するものです。*2

  • 開放性(Openness)
  • 勤勉性(Conscientiousness)
  • 外向性(Extraversion)
  • 協調性(Agreeableness)
  • 神経症傾向(Neuroticism)

開放性は、「独創的な」「興味の広い」、勤勉性は「勤勉な」「責任感のある」、協調性は「協力的な」「共感的な」、外向性は「話し好きな」「陽気な」、といった形容詞が自分に当てはまるかどうかで測定されます。*3
神経症傾向は、落ち込みや不安、怒りなどの感情を抱きやすい傾向を示しています。*2

ビッグファイブは、性格をさまざまな方向から理解し、自分自身の強みや人間関係を構築するうえでの注意すべき点を知るために有効なツールといえるでしょう。

また、就職活動などで用いられる性格診断の方法として、「Myers-Briggs Type Indicator(MBTI)」というものもあります。
これは、日本では16性格診断ともいわれています。
実際に、企業内のチーム構築やリーダーシップ開発、ストレスマネジメント、キャリアプランニングのためのツールとしても用いられています。*4
ただし、MBTIについては学術的評価に関して議論もあり、活用にあたっては限界を理解しておく必要があります。

性格診断テストを配属設計に活かす視点

次に、性格診断テストを採用時や人事異動の際の配属設計に活かすための方法について考えてみましょう。

ビッグファイブと職業選好の関連について調べた日本の研究では、外向性と開放性が高いグループは営業・教育職などの人と関わる機会が多い職種との親和性が特に高い傾向がみられました。
また、弁護士や医師、記者などの執筆業、芸術、料理などに関する職業にも適合性がみられることが示唆されています。*5

さらに海外の研究では、管理職は神経症傾向と協調性が低く、開放性、誠実性、および外向性が高い傾向があることが示されました。
協調性が低いという点は意外に感じられるかもしれませんが、管理職はときに厳しい判断や交渉を行う必要があるため、こうした職務特性が結果として反映されているとも解釈できるでしょう。*6

こうした研究結果を踏まえると、以下のような役割との親和性が考えられます。*6

  • 開放性が高い人:イノベーションを重視し、新しく斬新なアイデアを生み出す開発業務
  • 外向性と開放性が高い人:さまざまな人と交流し、新規案件の獲得などに携わる営業業務や、人にものを教える職務
  • 誠実性が高く神経症傾向が低い傾向:マネジメントなどの管理職業務

このように人員を配置すると、それぞれの特性を活かすことが期待できます。
個人の性格特性と職務内容がミスマッチの場合、従業員にとって大きなストレスとなったり、パフォーマンスの低下により上司も困惑したりといった事態が起こり得るでしょう。
また、性格特性と職業適合性に関する研究には、因果関係を特定することが難しいなどの限界もあります。
あくまで参考情報としての活用が重要です。

組織設計・オフィス設計にどうつなげるか

ここでは、性格診断を組織やオフィス設計につなげるためのヒントを提供します。

性格特性と働く環境の関係

従業員の性格特性とオフィスのワークステーションの種類との相互作用が、仕事中の集中力と幸福感に影響を与えるかどうかについて調べた海外での研究があります。*7
なお、ここでいうワークステーションタイプの例としては、以下のようなものがあります。

  • プライベートオフィス:完全に密閉された空間
  • キュービクル:高い壁で仕切りがあり、座っている間は見通せない個人用ワークスペース
  • オープンベンチ:仕切りがない、または座っている間でも見通せる仕切りがある
(引用)*7 Erica Baranski, Casey Lindberg, Brian Gilligan, Julia M. Fisher, Kelli Canada, Judith Heerwagen, Kevin Kampschroer, Esther Sternberg, Matthias R. Mehl,
Personality, workstation type, task focus, and happiness in the workplace.
Journal of Research in Personality,2023;103:104337.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092656622001507

この研究からは、オープンスペースで働く外向性が高い従業員ほど、仕事の際の幸福感が高いという結果が報告されています。*7
外向性が高い人は、オープンスペースのような社会的な交流を促進する環境で満足度が高くなりやすいことが示唆されます。

また、神経症傾向がある従業員は、オープンベンチスペースでは閉鎖的な環境よりも気が散ることがあるという結果も得られています。*7
こうした人にとっては、職場ストレスから身を守りやすいキュービクルや個室オフィスが適している場合があるともいえます。

一方、協調性や誠実性が高い従業員は、ワークステーションの種類による影響を受けにくいのではと考えられています。*7

開放性が高い人は知的好奇心が強く、独創的で、想像力が豊かな傾向があります。
そのため、キュービクルや個室オフィスのような静かな環境が、深く集中して創造的な作業に取り組むために適しているといえるかもしれません。*7

「人を変える」から「環境を設計する」へ

従業員個人の性格特性はなかなか変えることは難しいでしょう。
そのため、環境と制度を適切に設計することが重要です。

神経症傾向の高い人に関しては、なるべく個人スペースでの仕事をするように促すことが環境的な配慮として考えられます。
あらかじめ神経症傾向が強いということを自分と上司の両者が知っておくことで、自己管理やストレス対処の工夫をしやすくなるでしょう。
具体的には、上司によるこまめな面談やメンタルケアなどの機会を設けるといった方法があります。

また、協調性や誠実性の高い従業員は、どのようなオフィスでもパフォーマンスを発揮しやすい傾向が報告されています。*7
そのため、行おうとしているプロジェクトに合わせてオープンスペースで積極的に交流するときと、個人スペースで深く思考するときとなど切り替えられるようにするとよいでしょう。

可能な範囲で、従業員の性格に合わせたオフィス設定や環境設計をすることで、心理的な安全性の担保にもつながります。

まとめ

性格診断テストは、適性検査の一類型として位置づけられます。
それは能力の優劣を決めるものではなく、特性を理解するための手がかりです。
配属設計やマネジメント、そしてオフィス環境の整備に活かすことで、ミスマッチを防ぎ、心理的安全性の高い職場づくりにつながります。

人の特性は変えにくくても、組織や空間は設計できます。
性格診断テストを、よりよい組織や働く環境を設計するための出発点として活用していきましょう。

メルマガ限定で配信中

プロが教える“オフィス移転の成功ポイント”

  • 組織づくり・ワークプレイスのトレンドを素早くキャッチ
  • セミナーやイベント情報をいち早くお届け
  • 無料相談会やオフィス診断サービスを優先的にご案内!
無料でメルマガを登録する

この記事を書いた人

木村 香菜

行政機関である保健センターで、感染症対策等主査として勤務した経験があり新型コロナウイルス感染症にも対応した。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医、日本人間ドック・予防医療学会認定医。

資料一覧

*1 事業主の皆様へ 採用選考の具体的な方法-厚生労働省
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/methods.html

*2 JILPTリサーチアイ第67回「テレワークで満足を得られる人、得られない人─個人の性格による違い―」-独立行政法人 労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/067_210813.html

*3 調査シリーズNo.208『就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識』-独立行政法人 労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/208.html
PDF:調査シリーズNo.208全文 就業者のライフキャリア意識調査-仕事、学習、生活に対する意識 p195
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/documents/208.pdf

*4 職業適性診断に関する能力分析及びその向上方法の検討.社会情報学会大会研究発表論文集.2021.51-56. p53(3ページ目)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ssiproceedings/2021/0/2021_51/_article/-char/ja/

*5 ビッグファイブ性格特性による職業選好の体系的理解: 認知個人差への示唆.technical Report on Attention and Cognition.2025;19:1-2. p2
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/AandC/documents/2025/19.pdf

*6 Kang W, Guzman KL, Malvaso A. Big Five personality traits in the workplace: Investigating personality differences between employees, supervisors, managers, and entrepreneurs. Front Psychol. 2023 Mar 28;14:976022.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10089283/

*7 Erica Baranski, Casey Lindberg, Brian Gilligan, Julia M. Fisher, Kelli Canada, Judith Heerwagen, Kevin Kampschroer, Esther Sternberg, Matthias R. Mehl,
Personality, workstation type, task focus, and happiness in the workplace.
Journal of Research in Personality,2023;103:104337.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092656622001507


組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。

企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

この記事を書いた人

アバター

そしきLab編集部

【この記事は生成AIを利用し、世界のオフィスづくりや働き方に関するニュースをキュレーションしています】