現場とのつながりを強くするオフィスへ。羽田空港サービス株式会社様と実現したオフィス移転プロジェクト 

羽田空港サービス株式会社様は、現場との連携強化や働きやすい環境づくりを目的に、本社オフィスの移転を実施しました。

新オフィスでは、現場へのアクセス向上に加え、コミュニケーションを促進する空間や充実した会議・面接スペースを整備。限られた予算の中で理想のオフィスを実現するため、ウチダシステムズとともにプロジェクトを進めました。

今回は、移転の背景や新オフィスに込めた想い、そしてプロジェクトを通じて感じた変化について伺いました。

羽田空港サービス株式会社

総務部 マネージャー 箕浦 拓朗 様
総務部        葛葉 教雄 様

事業内容:航空機の地上支援(グランドハンドリング)や旅客サービス、貨物・ケータリング業務など
所在地:東京都大田区羽田空港1-1-4 HANEDA INNOVATION CITY ゾーンB 3階
内容:オフィス移転(2026年)
HP:https://hanedaas.co.jp/

現場との距離、通信環境、採用——移転の背景にあった旧オフィスの課題

ーまず、今回のオフィス移転の経緯について教えてください。

箕浦様:もともと本社は流通センター駅の近くにありました。ただ、入居していた建物の老朽化に伴って再建築の話がありまして、それをきっかけに移転先を考えていかなければならなくなりました。

正直、それまでは移転を意識していたわけではありませんでした。というのも、流通センター駅近くのオフィスへ移転したのも数年前のことだったんです。ただ、再建築の話が具体的に出てきたことで、本格的に動き出すことになりました。

ー移転先を選ぶうえで重視されたことは何でしたか。

箕浦様:やはり現場に近いことですね。私たちの会社は現場で働く社員が中心です。本社から現場へ行くこともありますし、現場から本社へ来ることもあります。そのため、現場に近い場所であることは重要な条件でした。

以前のオフィスもモノレールでアクセスできる場所ではありましたが、現場から見ると少し距離がありました。そこで羽田空港の近くを中心に、移転先ビルの候補を探しました。

また採用面では、面接に来られる方もアクセスしやすい場所であることは重要でした。今後入社する方々にとっても良い環境になると思っています。

ー移転が決まった際、社員の皆さまの反応はいかがでしたか。

箕浦様:やはり現場が近くなるということで、喜ぶ声は多かったですね。この建物自体もきれいですし、期待している社員は多かったと思います。
現場が近くなることにより、何かあれば本社へ報告に来ることもありますし、本社から現場へ持っていく物もあります。営業担当も空港へ行くことが多いですし、やっぱり近い方がいいんです。

葛葉様:今のオフィスであればモノレールでも京急でも行けますし、車でもすぐです。以前は30分近くかかっていた移動が、今はかなり改善されています。

ー現場とのつながりを大切にされているのですね。

箕浦様:そうですね。会長も創業当初から現場を大切にしてきた方です。そういった考え方は会社全体にも根付いていると思います。

葛葉様:現場第一主義ですね。バックオフィスの人間も、主役は現場だという考え方があります。だから今回のオフィスも、現場の社員が来たときに使いやすいように考えました。
以前は本社に来ても空いている机を借りて作業するような形でしたが、今は打ち合わせや作業ができる場所があります。現場の社員が本社に来る頻度も増えたと思います。

ー旧オフィスでは、ほかにどのような課題がありましたか。

箕浦様:本社部門の人数も増えてきていたので、以前のオフィスでも何とか運用はできていましたが、今後を考えると少し余裕が欲しいという状況でした。

休憩スペースもとても狭くて限られた人数しか使えず、多くの社員は自席で昼食を取っていました。今はリフレッシュスペースをしっかり確保できたので、多くの社員が利用していますし、以前とは使われ方が大きく変わりました。

採用面においては、面接用の部屋がなかったので会議室を調整するのが大変でした。今回は面接室を設けることができましたし、Webブースも2室設置しました。今は会議や打ち合わせなどでかなり活用されています。

葛葉様:ネットワーク環境も課題の一つでした。月曜日になるとつながらないとか、急に遅くなるとか、そういうことは結構ありました。使う人が多いと影響を受けてしまいますし、ひどい時には止まることもありましたね。

今回の移転ではネットワーク環境も見直しました。回線数を増やしていますし、ゲストWi-Fiも整備しました。今のところ大きなストレスなく利用できています。

総務部 マネージャー 箕浦 拓朗 様

予算の壁をどう乗り越えるか。パートナー選定で重視したこと

ー移転先が決まってから、オフィスづくりのパートナーはどのように検討されたのでしょうか。

葛葉様:最初から今の形をイメージできていたわけではないんです。実は最初、別の会社さんに相談していたんですが、出てきた金額を見て正直びっくりしました。最初はショールームへ行ったりしながら、「こんなオフィスにしたい」「あんなこともできそうだ」と考えていたんです。

ところが実際に見積りが出てきたら、とんでもない金額になってしまって。そこで初めて、「この予算の中でやらなければいけない」という現実に向き合うことになりました。

ーそこから改めて比較検討を進められたのですね。

葛葉様:そうですね。そのとき真っ先に思い浮かんだのがウチダシステムズさんでした。以前からお付き合いがありましたし、私たちの会社のこともよく理解してくれていました。

最終的には3社で比較検討を行いましたが、見積りや提案をお願いして、一番早く返ってきたのがウチダシステムズさんだったんです。その段階で、「このスピード感はすごいな」と感じていました。

箕浦様:スピード感もそうですが、相談しやすさが違いました。これまで何度も会社へ来ていただいていましたし、私たちの業務内容や会社の状況も理解してくださっていました。おかげで要望を伝えやすかったですし、「まず相談してみよう」と思える存在でした。

ーちなみに相談しやすさとは、どのような部分だったのでしょうか。

葛葉様:同じ目線で話してくれていたことだと思います。良いことばかりではなくて、「ここは難しいですよ」といったことも正直に話してくれるんです。だから信頼できました。今回の移転でも、かなり無茶な相談をしていたと思います(笑)

でもレスポンスが本当に早かったですし、私たちの仕事や会社の規模感も理解したうえで話を進めてくれていました。

ー予算内での調整はかなり難しかったと伺っています。

葛葉様:苦労しましたね。当初想定していた金額と大きな差があって、このまま進められるのかという状況だったんです。家具や内装の話ももちろんあったんですが、一番大きかったのはB工事でした。

移転を決めて、打ち合わせも重ねて、基本設計が終わって実施設計に入るくらいのタイミングだったと思います。その段階でB工事の金額が大きく出てきて、正直「このままだとオフィスができないかもしれない」「計画を白紙にするしかないのでは」というところまでいきました。

総務部 葛葉 教雄 様

ーそこからどのように進められたのでしょうか。

葛葉様:まずはB工事とC工事の区分けを一つひとつ確認しました。本当にB工事でやらなければいけないのか、C工事側で対応できるものはないか。B工事業者さんや関係者の方々とも協議しながら進めていきました。

電気の位置やセンサーの位置、照明、空調、換気の考え方まで、本当に細かいところまで話しました。工事はC工事だけれど、設定はB工事になる、といった細かな区分なども一つずつ詰めていきました。

現場調査も何度も行いましたね。図面も何度もやり取りしましたし、こちらで「こうしたい」と書いたものをウチダシステムズさんに直していただいて、寸法を確認して、またこちらで見直して……ということを何十回も繰り返しました。

USS田中:お客様の中で「ここは残したい」「ここは優先順位を下げられるかもしれない」というお考えがありましたので、一つひとつ確認しながら進めていきました。一緒に優先順位を整理していった形です。お客様側でも逐一打ち合わせができる環境をつくってくださっていたので、こちらとしても相談しやすかったです。

ーかなり難しい調整だったのですね。

葛葉様:そうですね。こちらも本当に無茶なことばかり言っていたと思います。椅子一脚、テーブル一台というレベルまで話を細かく積み重ねていきました。例えばモニターではなくテレビを使った方がコストを抑えられる、というような発見もありました。

具体的な見積りが見える状態になってくると、「これ、ウチダシステムズさんは利益が出ているのかな?」というのが分かってくるんですよ。それくらい、いろいろなところを調整してくれていました。「これ大丈夫ですか?」という話は何回かしましたね(笑)

USS田中:営業としては、お客様の要望を叶えたいという気持ちがありました。一方で、何でも受けてしまうと自分たちの負担が大きくなることにもなるので、そのバランスは難しかったです。ただ、ここまで一緒に進めてきたのに、白紙になるのは絶対に避けたい。何とかやり切りたいという思いがありました。

葛葉様:田中さんは本当に大変だったと思いますよ。こちらもギリギリで連絡してしまったり、上からも横からもいろいろな話が入ってきたりしましたから。もはや営業というより一緒にプロジェクトを進めているメンバーのような感覚でした。

実際、まだ何もないスケルトン状態のオフィスに来て、一緒に床に座って打ち合わせをしていましたから(笑)コンセントもほとんどないような状態でしたけど、一緒に現場に入って考えてくれていたんです。そういう姿を見ていたので、「営業の域を超えているな」と感じていました。

ウチダシステムズ 首都圏法人営業部 営業2課 田中 彩瑛

限られた予算の中でも譲れなかった。“羽田空港サービスらしい”オフィスづくり

ー予算調整を進めるなかで、「ここだけは実現したい」と考えていたことはありましたか。

箕浦様:やはりエントランスですね。会社の顔になる場所なので、妥協したくないという思いがありました。予算には上限がありましたので、どこに優先順位を置くかはかなり話し合いましたが、エントランスについてはしっかり作り込みたいと考えていました。

ー実際にデザインはどのような考え方で進められたのでしょうか。

USS山岸:今回、最も特徴的なのはエントランスだと思っています。羽田空港サービス様は航空機の地上支援業務を担われていますので、その仕事を空間にも反映したいと考えました。尾翼をモチーフにした壁面に木製ルーバーを重ねたり、滑走路をモチーフとして取り入れたりすることで、空を支える存在感や安心感を表現しています。 

また、社員同士のつながりをより強くしていきたいというお話も伺っていましたので、照明計画にもその考え方を反映しました。ライン照明を用いて空間全体につながりを感じられるデザインを意識しています。

エントランス

ーリフレッシュスペースも印象的です。

USS山岸:この場所は眺望が非常に良かったので、その景色をできるだけ活かしたいと考えました。間仕切りにガラスやルーバーを採用し、光がオフィス全体に届くよう計画しています。

葛葉様:実際によく使われていますね。窓際の席もありますし、景色も良いので。以前、社長が「今日ちょっと飲もうや」と言って、このスペースで飲んだこともありました(笑)夜になると雰囲気も変わりますし、色々な使い方ができる場所になっていると思います。

USS山岸:会議室も、最初はガラスを使いたいという案もありました。ただ、会議室は守秘性も必要になります。採用面接を行うこともありますし、社内の重要な打ち合わせもあります。そのため、開放感と機密性のバランスを取りながら計画しました。

葛葉様:会議室を全部ガラスにすると、見えすぎる部分もありますし、逆に使いにくいところも出てくる。結果的には今くらいがちょうど良かったと思っています。扉のスリットのおかげで会議室を使っていることが分かるので、使いやすいと思います。

ウチダシステムズ デザイン室 デザイン1課  山岸 真子

移転後に実感した効果と社員の反応

ー完成したオフィスをご覧になった時はいかがでしたか。

葛葉様:完成後は取引先の方が来られたのですが、「すごいオフィスですね」と言われることも多かったです。現場の社員が本社に来た時も、「一流企業に来たみたいだ」という声が上がりました。

でも、私たちとしては「いや、一流企業じゃなくて、あなたが所属している会社だよ」と伝えたいんです(笑)見た目が良くなったことも大事ですが、現場の社員にも「自分たちの会社なんだ」と感じてもらえる場所にしたいと思っています。

ー移転後、働き方やオフィスの使われ方に変化はありましたか。

葛葉様:かなり変わりましたね。以前は応接室や会議室を各部署が押さえてしまって、使いたい時に使えないことが多かったんです。今はファミレス席やリフレッシュスペースがあるので、ちょっとした打ち合わせならそこでできます。以前なら部屋に入ってドアを閉めてやっていたような話も、今はオープンな場所でできるようになりました。

箕浦様:予約なしで使えるのが大きいですね。ファミレス席もリフレッシュスペースも、かなり活用されています。最初は「本当に使われるかな」という不安もあったんですが、オープンしてすぐに皆さん使い始めていました。4人くらいで集まってミーティングをしたり、モニターを使って説明したり、Webミーティングをしている社員もいます。外を見ながら仕事をしている人もいますね。

少人数なら自席で話して、もう少し人数が多い時はリフレッシュスペースやファミレス席に移動する。そういう使い分けが自然にできるようになっています。

ーリフレッシュスペースは、休憩以外にも使われているのですね。

葛葉様:そうですね。もともとは休憩スペースとして考えていましたが、クイックな打ち合わせにも使える場所にしたいと思っていました。
今は昼休みにはテレビがついて、皆さんがここで食事をしたりしています。冷凍庫に福利厚生の軽食を置いているので、それを温めて食べる社員もいます。以前は自席で食べていたので、書類や匂いを気にすることもありましたが、今は気兼ねなく使えています。

箕浦様:ここは床も汚れても拭きやすいようにしています。食事もできますし、打ち合わせもできますし、いろいろな使い方ができる場所になりました。

羽田空港のターミナルが見えるリフレッシュスペース
オフィスとの間仕切りはガラスで、外光が部屋の奥まで届く

ー使い方は、社員の皆さまが自然に広げていったのでしょうか。

箕浦様:そうですね。ファミレス席ではミーティングに使ってください、会議室はお客様が来た時や機密性の高い打ち合わせに使ってください、というような簡単なルールは伝えました。ただ、細かく決めすぎたわけではありません。使いながら、皆さんが自然に使い方を見つけていった感じです。

葛葉様:部署を超えて話ができる場所にもなっています。会議が終わった後にそのままここで話したり、現場の社員が来て使ったり。そういう意味でも、以前よりコミュニケーションは取りやすくなったと思います。

実際に移転して感じるのは、社員の行動が変わったことですね。リフレッシュスペースやオープンスペースを当たり前に使うようになりましたし、働き方の選択肢も増えました。オフィスを変えたことで、人の動きやコミュニケーションの取り方まで変わるんだなと感じています。

これからも相談できるパートナーとして。今後の構想とウチダシステムズの価値

ー今後、このオフィスをどのように活用していきたいと考えていますか。

箕浦様:今年の7月で創立20周年を迎えます。大きな節目になりますので、この1年で何かしらのイベントは実施したいと考えています。せっかくこうしたオフィスができましたので、社員や関係者を招いてイベントを行ったり、この場所そのものを活用した取り組みもできるのではないかと思っています。

葛葉様:このオフィスは10年から15年は使っていくつもりで作りました。イノベーションシティという環境もありますし、周囲にはさまざまな企業が入居しています。そういった方々との交流も含めて、この場所を起点に新しい刺激を得られればいいなと思っています。

また、まだこのオフィスに来たことがない現場社員もたくさんいます。今後はランチミーティングのような形で現場との交流を増やしていくことも考えています。

ー改めて、ウチダシステムズをどのような企業に勧めたいと思われますか。

箕浦様:とにかく相談しやすい会社だと思います。こちらの状況を理解したうえで話を聞いてくれますし、非常に協力的でした。

葛葉様:まず話をすることが大事なんです。できないことはできないとはっきり言ってくれる。でも、できることについては本当に粘り強く考えてくれるんですよ。電話だけではなく、実際に足を運んでくれることも多かったです。顔を合わせると、こちらも言いにくいことが言いやすくなるんです。

予算の話もそうでした。こちらが「何とかこの範囲で実現したい」と相談すると、一緒になって優先順位を考えてくれる。何を残して何を見直すかを、一つひとつ整理してくれました。ガラスパーテーションもそうですし、ルーバーもそうでした。私たちが「ここだけは残したい」と思っている部分を理解したうえで、実現方法を考えてくれたんです。

USS山岸:コスト調整が必要になると、どうしてもデザイン部分から見直されるケースも少なくありません。ただ今回は、「ここは残したい」「ここは実現したい」という思いを最後まで持っていただいていました。だからこそ、限られた予算の中でも羽田空港サービス様らしい空間を形にすることができたと思っています。

葛葉様:今回の移転によって、現場との距離はもちろん、社員同士のコミュニケーションも以前より活発になりました。このオフィスが完成して終わりではありません。この場所を活用しながら、これからも現場とのつながり、そして社員同士のつながりを強めていきたいと思っています。 

この記事を書いた人

そしきLab編集部

ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。


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