おしゃれな会議室で仕事をしよう デザインやレイアウトのために取り入れたい「色と人の関係」

オフィスの会議室というと、白い壁に白い机、ホワイトボード…
そんな風景を思い出す人は少なくないでしょう。

白は本来、清潔感を感じさせ、あるいは太陽光を反射しますので明るい印象を筆者は個人的には受けるのですが、なぜか四方を白い壁に囲まれてしまうと少し緊張します。これが他社への訪問となると、圧迫感すら覚えてしまいます。

するとなんだか、フランクに話しにくくなってしまいます。楽に話すことを許さないお堅い企業なのかな、とも思ってしまいます。

もちろん、社内の会議室でも同じことが言えるでしょう。
そこで、どう改善すれば気楽に話をしやすくなるか、心を開きやすくおしゃれな会議室になるのか、「色」から考えてみましょう。

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色がもたらす心理効果

色には人間の感情と結びつき、一瞬で人の心をつかむ力があるといいます。さらに色と色が出会うことによって生まれる視覚効果を利用すれば、販促効果が大きくなるとも指摘されています。*1

実際、さまざまな食材や飲食店の広告・看板には赤やオレンジなどの暖色系が多く使われています。暖色系は食欲を刺激する色とされているためです。
逆に食欲を減退させる色とされる寒色系や無彩色はあまり使われません。

五感に直接訴えかける「色」の使い方しだいで、人間はある情報に引き寄せられるものです。

それぞれの色が持つ基本的な心理効果

「青は落ち着く」「緑をみていると目が癒される」。
皆さん、なんとなくそんなイメージを持っていることと思います。

そして他の代表的な色が持つ効果は、以下のようなものです。

出所:SMBCビジネスクラブ「印象が確実にアップ! これだけは押さえたい「配色の3原則」
https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/articles/1163

上の図はプレゼン資料について説明されていますが、空間づくりにも同じことが言えるでしょう。それぞれの色に「イメージ・個性」があることがわかります。

赤が「危険」を伝える場所や信号機に使われるのも納得がいきます。

実際、「色」は五感に働きかけるものであり、使い方しだいで人間はある情報に引き寄せられることもあれば、その逆もありえるといいます。

色と色の組み合わせが意味を持つ

しかし色にそれぞれの印象や個性があるとしても、単色で囲まれた空間となると、それはそれで奇妙な印象を受けるでしょう。想像してみてください、四方を黄色で囲まれた空間…いくら「ポジティブ」な個性の色であろうと、さすがに落ち着きません。

そこで大切なのが「配色」です。

例えば白をベースにして、その上に2色を配色する場合、下のようなイメージを与えるといいます。

出所:SMBCビジネスクラブ「印象が確実にアップ! これだけは押さえたい「配色の3原則」
https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/articles/1163

あくまで個人的な印象ですが、空間となった時には「natural」な配色の空間は落ち着きそうです。木目調のテーブルに植物、のイメージが沸きます。
他の配色をみても、目的によって使い分ける、ということができそうです。

色によって変わる「部屋の広さ」

また、色の配置によって空間の「奥行き」の感じ方も異なるようです。つまり、同じ部屋でも、配色によって部屋の「広さ」の感じ方が変わるということです。

京都大学のある研究では、色彩が部屋の奥行きの感じ方に与える影響についてこんな実験をしています。*2

出所:京都大学リポジトリ「色彩の心理効果の意味を考えるー一人と環境の長く深い付き合い」石田泰一郎https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/server/api/core/bitstreams/639b8c14-7dd9-4faa-b021-d9407e8c423e/contentp.89

具体的には、被験者は並べて置かれた参照ボックス(左)とテストボックス(右)を交互に観察するというものです。いずれも室内の明度は明度7.5に統一しており、テスト空間の奥面の明度は2.5 (黒)・5.0 (灰)・ 9.5 (白)の3通り準備します。そして、それぞれの明度条件に対して、テストボックスと参照ボックスの相対的な奥行き量を、あらかじめ設定した段階に分類します。

その結果は、以下のようになりました。
部屋の中が明るい均一の照明の場合は奥面の明度条件によって奥行きの判断に差は生じませんでした。しかし奥行き方向に照度勾配がある場合には、奥面の明度が低い面(暗い面)ほど遠く判断されていることが分かりました。つまり部屋が広く見えたということです。

四方を白で囲まれると圧迫感があると感じていた筆者の感覚も、そうおかしなことではなさそうです。

配色にはバランスも必要

最後に、配色の「バランス」について考えてみましょう。

配色の原則として「70:25:5の法則」があります。

出所:SMBCビジネスクラブ「印象が確実にアップ! これだけは押さえたい「配色の3原則」
https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/articles/1163

上の図も資料に関してのものですが、この原則を利用すると下のようになります。

出所:SMBCビジネスクラブ「印象が確実にアップ! これだけは押さえたい「配色の3原則」
https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/articles/1163

この配色はアクティブな印象を受けます。
アースカラーを意識する、といったことも可能になりそうです。

また「5%」のオレンジが、差し色として機能しているのでしょう。ファッションの考え方に似ています。

さらに、ブルーとオレンジは対照色相(対照性のある配色)の関係にあるため、お互いを引き立て合う効果があります。対照色相が生み出す強いコントラストによって、アクティブな印象を生み出しています。

部屋ごとに印象を変えることも

ここまで、色の違いを人はどう感じるのか、について見てきました。

こうした原則を取り入れて、例えば複数ある会議室ごとに印象を変えたりデスクなどの色を変えたりすることでうまくバランスを取れば、多様な空間を生み出せることでしょう。

会議の内容をフランクな場所にしたいのか、引き締めたいのかというシチュエーションの違いによって部屋を使い分けることもできますし、社員の気分転換にもなりそうです。

また、部屋の中じたいの明るさによって、感じ方も変わってきそうです。

配色は一歩間違えると逆効果を生み出しかねませんから、専門家に相談してみるのも良いでしょう。

この記事を書いた人

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後TBSに入社、主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として国内外の各種市場、産業など幅広く担当し、アジア、欧米でも取材活動にあたる。その後人材開発などにも携わりフリー。取材経験や各種統計の分析を元に各種メディア、経済誌・専門紙に寄稿。趣味はサックス演奏と野球観戦。
X(旧Twitter):清水 沙矢香 FaceBook:清水 沙矢香

【参考資料】

*1 公益社団法人日本印刷技術協会「色がもつ心理効果、役割をデザインに活かす」
https://www.jagat.or.jp/archives/37163

*2 京都大学リポジトリ「色彩の心理効果の意味を考えるー一人と環境の長く深い付き合い」石田泰一郎
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/server/api/core/bitstreams/639b8c14-7dd9-4faa-b021-d9407e8c423e/content p88、89


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