趣味、リフレッシュ、介護…注目の「二拠点生活」 その実態とメリット・デメリットは?

都市部の自宅の他に生活拠点を持ち、仕事に行く時は自宅からのオフィスに通い、そして休暇あるいはフルリモートの日は自然豊かなもう一つの拠点でマイペースで過ごしたり仕事をしたりする。
そんな「二拠点生活(多拠点生活)」がコロナ禍以降、注目されています。

きっかけは人それぞれですが、実際の二拠点生活とはどのようなものでしょうか。

各種調査結果をご紹介していきたいと思います。

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二拠点(多拠点)生活のきっかけは?

国土交通省の令和4年度の調査によれば、現在二拠点生活を行っている人(18歳以上)の割合は約701万人(6.7%)と推計されており、また関心を持つ人は全体の27.9%にのぼるとされています。*1

パーソル総合研究所が2023年に、多拠点生活=主な生活拠点を都市圏 (政令指定都市+東京23区内)に持ちながら、別の都道府県にも生活拠点を設けて定期的に行き来する生活を対象に様々な調査を実施しています。

まず、多拠点生活の目的についてです。

(出所:パーソル総合研究所「就業者の多拠点居住に関する定量調査」)
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/multi-regional-life/

最も多いのが「気分転換、リフレッシュ」で、次いで「自分の時間を過ごす」「趣味」となっています。

他には親近者の介護・保有物件の管理という家庭の事情もありますし、定年後や将来を見据えた新しい仕事探し、起業準備といった目的もあれば、その地域に貢献するため、といった理由もあります。
実に多様です。

パーソル総合研究所はこれを5タイプに分類しています。

1)多拠点生活志向タイプ(29.6%)=多様な目的から複数地域を行き来する生活を志向するタイプ。何かしらの形で地域で活動する意欲が高い。

2)地域愛着タイプ(13.6%)=自身の気分転換・リフレッシュや、その地域の魅力を堪能するため多拠点居住を行うタイプ。

3)趣味満喫タイプ(13.0%)=自身の趣味や嗜好を堪能するため多拠点居住を行うタイプ。

4)家族支援タイプ(21.9%)=近親者の介護や実家等の保有物件を管理するなど家族支援的に多拠点居住を行うタイプ。

5)受動的ワークタイプ(22.0%)=その地域に仕事等があり、受動的に多拠点居住を行うタイプ。地域を行き来する生活への意欲は低い。

そして、それぞれの割合は下のようになっています。

(出所:パーソル総合研究所「就業者の多拠点居住に関する定量調査」)
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/multi-regional-life/

「能動的に」普段と他の生活拠点を持っている人の割合は56.2%で、家族の事情などによって「受動的に」多拠点生活を送っている人も一定の割合で存在していることがわかります。
必ずしもすべてが積極的な多拠点生活とは限りません。

なお、それぞれのタイプを年齢別に見ると、多拠点生活を送る人の割合は下のようになっています。

多拠点生活者の性別・年代
(出所:パーソル総合研究所「就業者の多拠点居住に関する定量調査」)
https://rc.persol-group.co.jp/wp-content/uploads/thinktank/data/multi-regional-life.pdf p27

全体的に見ると、50代男性が多くを占めています。子どもが独立し、ある程度金銭的な余裕が出てきたためとも考えられます。

二拠点(多拠点)生活にかかる費用や実際の生活は?

二拠点生活をするからには、当然ながらプラスアルファのコストがかかります。

まず、居住地の確保です。親近者の家などの宿泊拠点がない場合、ホテル滞在か、実際に物件を手に入れる必要があります。

国土交通省の資料では、ある夫妻の実体験が紹介されています。*2

30代(資料作成時)の夫は東京の銀行勤務、妻は東京のサービス系企業勤務で、都内と山梨県大月市に生活拠点を構えています。自宅から車で約90分ほどの距離です。

この夫妻の場合は、土地・建物込みで160万円という格安物件を入手し、DIYで充実させています。
DIYが好きという人には、こうした選択は良いことでしょう。

そして、この夫妻の1週間の過ごし方はこのようになっています。

(出所:国土交通省資料「持続可能な二地域居住の始め方と気になるお金事情」
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/files/23112806zissen.pdf p11

コロナ後のテレワーク浸透により、山梨で過ごす割合が増えています。
また、電車や車で60分〜90分という手軽さも、この二拠点生活を後押ししていることでしょう。

そして、山梨ではこのような生活を送っています。

(出所:国土交通省資料「持続可能な二地域居住の始め方と気になるお金事情」
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/files/23112806zissen.pdf p12

仕事が終わると時間をかけずにすぐに自然に触れる時間を作れるというのは大きなメリットでしょう。

さて、気になる費用は、以下のようになっています。

(出所:国土交通省資料「持続可能な二地域居住の始め方と気になるお金事情」
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/files/23112806zissen.pdf p16

この夫妻の場合、居住物件のローンを抱えていないというのは大きいポイントでしょう。二拠点生活で発生するプラスアルファのコストを月3.6万円に収めています。
非常にスマートなお金の使い方と言えるでしょう。

「ダブルケア」増加の時代にも検討が必要

なお二拠点生活には、別の側面もあります。リフレッシュや趣味のための二拠点生活だけでなく、「ダブルケアラー」と呼ばれる人が増えつつあります。育児と介護の両方を同時にこなす人のことです。

ソニー生命の調査によると、大学生以下の子どもを持つ30歳〜59歳の男女(16,926名)のうち、「数年後にダブルケアに直面する見込みがある」と答えた人の割合は全体の22.5%にのぼっています。

(出所:ソニー生命「ダブルケア(子育てと介護の同時進行)に関する調査2024」)
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2023/nr_240125.html 

さらに厚生労働省によれば、介護者の約1割は別居の家族、つまり介護のために家族のもとに通う人であることもわかります。

(出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf p24

都市部への一極集中が進む中、介護のための二拠点生活を強いられる人が今後も増えてくることでしょう。仕事がある日は街中で子育てをしながら暮らし、休日に地方の親元へ通うという生活です。想像するだけでもかなりハードです。
通い先が先述の夫妻のように60分や90分であればまだ不可能とは言えないでしょうが、それ以上遠方となると、事前にどうするかを検討しておく必要もあるでしょう。

これは企業側でもなんらかの対策が必要なところですが、先述の「受動的な」二拠点生活が必要になった時、どのように切り抜けていくか。

そのような意味でも、二拠点生活についてある程度の知識を身につけておくことは重要でしょう。もちろん企業側としても、融通のきく休み方や、例えば交通費補助などの経済面での支援策を考えるのが好ましいことです。

この記事を書いた人

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後TBSに入社、主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として国内外の各種市場、産業など幅広く担当し、アジア、欧米でも取材活動にあたる。その後人材開発などにも携わりフリー。取材経験や各種統計の分析を元に各種メディア、経済誌・専門紙に寄稿。趣味はサックス演奏と野球観戦。
X(旧Twitter):清水 沙矢香 FaceBook:清水 沙矢香

参考資料

*1
国土交通省「二地域居住等の最新動向について」p.22
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/files/23112802kokudo.pdf

*2
国土交通省資料「持続可能な二地域居住の始め方と気になるお金事情」
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/files/23112806zissen.pdf


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