
2025年9月1日、厚木商工会議所商業部会様が主催するセミナーにお招きいただき、株式会社ウチダシステムズ 営業企画推進部の吉田学が登壇。
「企業向けAIセミナー 実務で使える生成AI」と題し、約70名の方にご参加いただきました。
今回のセミナーは、「生成AIをまだ使ったことがない、あるいは興味はあるけれど業務にどう活かせばよいか分からない」総務・経営企画担当者やバックオフィススタッフを主な対象に実施。
初心者でも分かりやすく、明日から実務で使える実践的な方法が数多く紹介されました。
「使ってみたいけど勇気が出ない」という方は、ぜひ最後までお読みください!
講師
株式会社ウチダシステムズ 営業企画推進部 部長|吉田 学
- 2022年11月のChatGPT登場を機に、個人の興味から利用を開始。
- コミュニティ、書籍、SNS等を通じて学習を深め、自己投資額は累計100万円にのぼる。
- 社内の「生成AI活用プロジェクト」でプロジェクトリーダーを務める。
- 資格「生成AIパスポート」を2024年に取得。
AIって今どんな状況? 日本と世界の利用実態と基礎知識
セミナーは、生成AIが社会や企業にどのように普及しているか、その現状と背景を整理するところからスタート。
日本における個人利用率はわずか9.1%と低い一方で、導入が進んでいる企業では劇的な成果が報告されています。*1
例えばGMOは生成AIによって月間9.6万時間の業務削減を実現。*2
教育現場でも、AIを使った探究学習で生徒の「質問力」や思考力を高める効果が確認されています。*3
また、ChatGPTのユーザーは35歳以下の若年層が多くを占める*4ということから、今後AIを使いこなす世代が新入社員として入社してきます。AIを取り入れているかどうかが企業選びの判断基準の一つになるかもしれないと示唆しました。
AIを安全に活用するために理解しておくべき基礎知識についても解説。
- AIは「知識を理解」しているのではなく「次に来る言葉を予測」している
- もっともらしい誤答=ハルシネーションが発生することがある
- 機密情報を入力する際には、自社のプライバシーポリシーやセキュリティルールを確認した上で、適切に利用する
吉田は「公式文書や対外的な資料に利用する際は、必ず人間による最終確認を欠かさないことが重要」とし、実務利用における注意点にも気を配るよう促していました。


明日から使える!実務に役立つ活用法ベスト3

ここでは、生成AIを「とにかくまず業務で試してみたい」という人に向け、すぐ実践できる活用例が紹介されました。
難しい知識がなくても取り入れられる、身近なシーンに直結する使い方です。
議事録作成
Teamsなどで録音した音声を読み込ませ「議事録にしてください」と指示。
決定事項やアクションが整理され、従来2時間かかっていた作業が20分ほど(手直しあり)に短縮できる場合も。
メール作成
「○○様宛に△△についての案内メールを」と依頼するだけで雛形が完成。
トーンの調整や翻訳も自在。
業界調査
「〇〇業界の構造を調べて」と入力すると、主要ステークホルダーを含めた概要を整理。情報源の絞り込みや、出力形式を指示することで効率的に情報を把握可能。
実践を通して、生成AIは録音・動画・写真などさまざまな形式の情報を「テキスト」にし、そのテキストを議事録や箇条書き、表形式などに加工できるという「フォーマット変換」が基本的な強みであると示しました。
会場では、これらの紹介にあわせて実際にスマホやPCを開き、その場で試してみる参加者の姿も見られました。自分の手を動かして体感する姿勢が、AIの日常使いを加速させます。

プロンプトは魔法の呪文? AIを本気で使いこなす応用編
基礎的な使い方を超えて「より自社の業務に合わせてAIを使いたい」と考える人に向けて、応用編ではプロンプト設計の工夫が紹介されました。
吉田は「深津式プロンプト*6」という型を用いて、以下の5要素を組み合わせることが効果的だと説明。
- ゴール(役割付与)
- コンテキスト(背景・目的)
- 制約条件(ルール指定)
- 出力フォーマット(表、箇条書きなど)
- ステップ(手順を段階的に指示)
実演では、顧客からの複雑な依頼メールに返信するプロセスをAIに組み立てさせるデモを実施。AIが単なる「文章生成ツール」ではなく「思考のガイド役」として働く様子が披露されました。
さらに、アイデア出しから実行計画のレポート化までを10分で完結させるデモも行われ、従来なら1〜2日かかる作業が瞬時に形になることに、会場全体が大きな関心を寄せていました。

まずは習慣化から。実務に定着させるコツと習慣化のヒント
さまざまな実践方法を紹介しましたが、「AIを理解しようとすることよりも、日常的に触れることが何より大切」だとしていました。
AIを業務の相棒にするための習慣化のヒントも特別にご紹介↓
- 毎日1回はAIに触れる
- 良いプロンプトはメモして再利用する
- 音声入力を活用して、言語化できていないことも含めてAIに伝える(文脈も含めてAIに伝えることができ、アウトプットの質が上がる)

セミナー終了後には「自社で導入する際の最初の一歩は?」「AIを自分好みにカスタマイズする方法は?」といった質問も寄せられ、参加者の関心の高さが改めて感じられました。
また、「身近にAIのことを聞ける相談相手がいないから、リアルセミナーに参加できてよかった」という嬉しいお言葉もいただくことができました。
知識を得るだけでなく、実際に社内でどう取り入れるかを真剣に考える姿勢が目立ちました。今回のセミナーを通じて、実際に生成AIを実務に活用していただけることを願っております。
ご相談も受け付けています
「自分の業務で試してみたい」
「講演で紹介された方法を社内でもできるのか知りたい」
そんな小さな疑問からで大丈夫です。
生成AIを自社活用してみたいという方は、“ちょっと相談してみる” くらいの気持ちでご連絡ください。みなさまの業務に合った生成AIの使い方を一緒に考え、ご提案いたします!
この記事を書いた人

そしきLab編集部
ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。

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参考資料
*1 出所:総務省(2024)「デジタルテクノロジーの高度化とその活用に関する調査研究」
*2 出所:gmo_news_8680.pdf
https://group.gmo/pdf/news/gmo_news_8680.pdf
*3 出所:文部科学省 千代田区立九段中学校を視察
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2025/20250130.html
*4 出所:ChatGPTユーザーのほとんどが大学生、日本も18~24歳の利用が最多──教育現場の利用動向も明らかに
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2503/18/news166.html?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR1C7x82e5MoBVKzNvr7ptxw7yWeXEZLwRWK0BAi-esY5f5D1VS43Fcgseo_aem_OHMMN13o2HBuSb5G0PnZwQ
*5 出所:Daiyu Hatakeyama | @dahatake | 畠山 大有 (@dahatake) on Speaker Deck
https://speakerdeck.com/dahatake
*6 出所:【深津式プロンプト】「ChatGPTに役割を与える」活用例と使い方 | マーケターが知っておきたい生成AI | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2023/02/16/44314
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