
ぐんぐんと気温が上昇し、夏本番、湿気を含む蒸し暑い日が増えてきました。
環境省がかつて設けた「クールビズ」の概念は今は広がっていますが、具体的な基準はあるようなないようなもので、当初は環境省が決めていたクールビスの期間も基本的には企業に一任されています。
クールビズは「オフィスカジュアル」の一種といえます。
しかし実際働く人の間にはいろいろな不安があり、特に男性の場合「ポロシャツはどうなのか」という悩みがあるようです。
今回はポロシャツについて、ありかなしか?の考え方と、上手な選び方についてもご紹介します。
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※AIで作成しているため、読み上げ内容に一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。
環境省の線引きは?
2005年に呼びかけが始まったクールビズは、2012年からは東日本大震災による電力不足もあって、さらに服装の軽装化を図るといった「スーパークールビズ」も提唱されています。
ジャケットやネクタイをやめるなどの服装の工夫で冷房を減らして電力消費を抑えようという狙いで、今ではいろいろな企業で当たり前のように導入されていることでしょう。
たとえば外食産業では店舗の制服を変えるなど、業界ぐるみでクールビズを取り入れています。*1
そして近年はスーツではなくても、清潔感さえあれば多少カジュアルでも良い「オフィスカジュアル」という言葉がよく見られるようになりました。
しかしどこまでが「オフィスカジュアル」として許されて、どこからがそうではなくなるのでしょう?
ここは線引きの難しいところです。
クールビズはオフィスカジュアルの典型といえます。そしてクールビズに関しては環境省の場合、以下の基準を設けています。

https://www.env.go.jp/content/900520342.pdf
気になる「ポロシャツ」は、6月1日以降の「スーパークールビズ」期間の着用は「◯」とされています。通気性も吸汗性にも優れていますから暑い時期には選びたくなるアイテムでしょう。かつ近年はオフィスに適するようにデザインされた「ビズポロ」というジャンルの商品も出ています。
では、実際はどうでしょう。
紳士服のコナカの調査によると、クールビズ期間中にどのような服装をしているかの割合は下のようになっています。

(出所:コナカ「クールビズに関する調査」)
https://www.konaka-jp.com/news/230509_questionnaire.pdf p4
ワイシャツにスラックス、といった組み合わせが非常に多くなっています。
「ビズポロ」で見ていくと、合わせるものがスラックスあるいはチノパンで、これらを合計すると22.2%となっています。少ない数字ではありません。
「だらしないおじさん」にならないためのビズポロとは?
とはいえ周囲の目は気になるものです。
先のコナカの調査では、クールビズで「どこまでカジュアルにして良いか分からない」という⼈が47.0%にのぼるほか、クールビズだと「⾒た⽬にだらしない印象を与えるのではないか」と考える⼈は28.2%という結果が出ています。*2
筆者はTBS在籍時代に社内でポロシャツ勤務の先輩を何人か見かけましたが、皆さんポロシャツをパンツインして下はチノパン、必要時にはジャケットを着る、というスタイルを取っていました。きちんとボタンを閉めていた、空けてもひとつだけ、というのが印象的で、そのせいか清潔感や「きちんと感」を欠くような姿ではありませんでした。
ただどこかで、「この職種だから許されてるけど、外部の人に接するにはどうなんだろう」という思いも若干あった、というのは事実です。
しかしそれはポロシャツの素材や色の選び方でずいぶん変わるようです。
ビジネスウェアのメーカーは、オフィスでポロシャツを着こなす方法をいくつか提案しています。
いろいろ納得するところがあるので、ご紹介していきます。
メーカーが伝授する、上手な「ビズポロ」の着こなし
洋服の青山はポロシャツの着用についてこうアドバイスしています。*3
襟が立体的なデザインのポロシャツはフォーマル度が高く、誠実な印象を与えられます。台襟付きのポロシャツを選ぶとよいでしょう。
台襟とは襟の土台のことで、首回りに立体感を生み出します。一方で台襟のないポロシャツはリラックス感が出すぎて、カジュアルな印象になってしまうのだそうです。
ボタンダウンのポロシャツも襟が崩れにくくおすすめだということです。
そして、色はホワイト、ブラック、ネイビー、グレーといったシンプルな色を選び、素材は天然ならリネン、化学繊維ではメッシュ生地なら、通気性や吸汗性も高いうえ光沢もあるので高級感も出る一石二鳥のようです。
さらにサイズはぴったりのものを選び、ジャケットを着用する際にはスーツと同じジャケットは避けた方が良いとのこと。清涼感がなく、暑苦しい印象を与えてしまうそうです。
かつ、ポロシャツの上に羽織るのであれば、リネンやコットンなどでできた軽くて薄手のジャケットが適しており、無地もしくはストライプなど主張の少ない柄のジャケットが良いとのことです。
台襟の存在には、筆者もなんとなく重要性を感じます。
マスコミでは、カメラマンは国会内など一部の現場を除けばスーツで仕事をするのはかなり厳しいものです。よってカジュアルな上着にチノパンもしくはジーンズといった服装になるのですが、アウトドアメーカーのシャツを着るにしても「襟があるかどうか」でかなり印象が変わったからです。
実際、動きやすいけれども襟付き、という服装のカメラマンがほとんどだったと記憶しています。
カジュアルでありながらも機能性は大切に
ポロシャツも、素材や形、着方によって大きく印象は変わるようです。
なお、前出のコヤマのアンケート調査では、クールビズにあたってこんな悩みも挙がっています。
「スーツに比べて収納が少ない」という点です。

(出所:コナカ「クールビズに関する調査」)
https://www.konaka-jp.com/news/230509_questionnaire.pdf p11
確かにスーツ姿でジャケットを着ていればポケットは多く、スマホやペン、名刺入れなど多くのグッズを身につけておくことができます。
しかし上着がない場合、収納といえばシャツの胸ポケットとスラックスかチノパンの両ポケットだけになってしまいます。
ここは快適性と収納性どちらを選ぶのか?といった話にもなりそうですが、年々夏の気温が上がっていく現代で、知恵の絞りどころになりそうです。
外出や来客時間が決まっているのなら、オフィス内と出先で着替える、といった形も一考の価値があるのではないでしょうか。着替えの時間すら「もったいない」と考えるようでは、さすがにそういった会社は余裕がなさすぎるのでは?と筆者なら思ってしまいますし、着替えるという行為には気持ちを入れ替える効果もあることでしょう。
服装については色々な「暗黙の了解」のようなものがありますが、いまやそれらが本当に全て合理的なのか。
環境や働き方が変わっていく中で、過去の慣習をひとつずつ問いただしてみるのはいかがでしょうか。
この記事を書いた人

清水 沙矢香
2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として各種市場・産業など幅広く取材、その後フリー。取材経験や各種統計の分析を元に多数メディアや経済誌に寄稿中。

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参考資料
*1 日本フランチャイズチェーン協会「環境対策への取組み」
https://www.jfa-fc.or.jp/particle/499.html
*2 コナカ「クールビズに関する調査」
https://www.konaka-jp.com/news/230509_questionnaire.pdf p9、p8
*3 AOYAMA Journal「夏に必須のポロシャツをオフィスカジュアルで着こなすポイントとコーデをご紹介!」
https://www.y-aoyama.jp/aoyama_journal/office-casual-poloshirt/?srsltid=AfmBOooRWipokQtIQDBFhKZo94vM9UDyNaXMjtUL54PsNhgXYe-Gniqp
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