リモートとオフィス勤務のハイブリッド時代 活気ある「オンラインオフィス」空間をデザインしてみよう

コロナ禍から本格的に始まったテレワークはすっかり浸透し、いまは週に数回の出社と数回のオフィス勤務、という働き方が珍しくなくなりました。

そしてテレワーク導入直後、あるいは最近でも「対面でコミュニケーションを取る」ことの必要性を感じている人は多いようです。しかしオンラインコミュニケーションの空間ちょっとした仕掛けをすることで、おのおのが自宅にいても社内コミュニケーションをリアル並み、あるいはそれ以上に活発にすることもできそうです。

そんな事例をご紹介します。

本記事は音声でもお楽しみいただけます!
この音声コンテンツは、そしきlabに掲載された記事の文脈をAIが読み取り、独自に対話を重ねて構成したものです。文章の単なる読み上げではなく、内容の流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。
※AIで作成しているため、読み上げ内容に一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。

オンラインと対面で全く異なる「コミュニケーションの種類」

オフィスの中では様々なコミュニケーションが交わされます。

業務上の機密を含むシリアスなものもあれば、いわゆる「報連相」からペットの話などの雑談、日々幅広い会話が日々生まれています。
下のようなものがメインではないでしょうか。

オフィスで生まれるコミュニケーションのスタイル
(出所:日本能率協会マネジメントセンター「データで見るコロナ禍における「コミュニケーション」の実態調査」)
https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0041-communication.html

そして図の後半にあるのは、テレワーク経験者と未経験者での感じ方の違いです。

注目したいのは「雑談」「声かけ」といった感情コミュニケーションの量がオンラインと対面で大きく異なっている点です。上記にあるように、「オンラインではクローズドなコミュニケーション」対面では「オープンなコミュニケーション」が活発になるということです。

確かにこれは頷ける話です。
筆者は、言ってみれば毎日が在宅、コミュニケーションもチャットツールのみですので、気が付けば何日も、電話ですら人と話していないというのは日常茶飯事です。

確かに、非常に効率的です。
電話であればすれ違ってしまい手間がかかることはよくあるのですが、チャットツールではそのようなことはありません。

しかし、時々しんどくなってしまいます。
こういう状況が続くと、人としての何かに飢えるようになる気がします。また、しゃべることも笑うことも少ないので表情筋がずいぶん衰え、顔つきがかわってしまったようにも感じます。

友人らとの食事や雑談は筆者にとって、こうした悩みを改善してくれる良い時間になっています。
人は群れの中で生活する生き物ですから、適度な対面コミュニケーションは必要なのでしょう。
ただ、興味のない話に付き合わされる対面環境もあまり心地の良いものではありません。ないものねだりになってしまうのはある程度は仕方ないことです。

テレワークに必要なのは「気楽な感情コミュニケーション」の場

ただ、オンライン上のコミュニケーションに工夫をこらすと、オンライン上での感情コミュニケーションも可能になり、ひいては「たまたま休憩所で知り合った他部署の人と話していたらおもしろい話になった」というイノベーションにつながる可能性があります。

コロナよりもはるかに先にテレワークを導入していた、サイボウズの事例をご紹介しましょう。

サイボウズは、社内のチャットツールに多くの「スペース」を設置しています。部門ごと、プロジェクトごとのスペース、という実務的な場所は当然のことですが、特徴的なのは「分報」と呼ばれるスペースです。*1

ここはオフィスでいうところの「ぼやき」を可能にする場所です。オンライン上の話なのでX(旧Twitter)のようなものです。「疲れた」「お腹減った」といったようなちょっとしたつぶやきを投稿できる場所です。
「日報」に対し、分ごとの感情を報告できる「分報」というわけです。

そこに同部署の人間がいれば「そうだよね〜、ちなみに今オフィスはこんな感じだよ〜」と返信することから始まる雑談もあるでしょう。
むしろ、オフィスの休憩スペースでしょっちゅう見かけるのでちょっと気になる人がいるけど話しかける勇気がない、といった相手からのリプライも期待できます。初めて話す人に対しては、オンラインのほうがハードルが低いということもあるからです。
その2人の偶然の出会いから、新しいプロジェクトが発足してもおかしくありません。SNS世代と親和性の高いオンラインスペース構築といえます。

オンラインでも従業員の心を満たす原則

サイボウズのなかむらアサミ・シニアコンサルタント(2020年当時)はこのように述べています。

感情情報もいかにオンラインに載せるかというところが、とても大事になってきます。ちょっとした感情のやり取りで、オフィスだと顔を見てやり取りできたものが、オンラインだとなかなかそれができなくなる。ちょっとした、「良かったね!」とか「ああ、何かちょっとがっかりしちゃったね」とか、そういった感情が共有できない。それにより孤立感が高まる、一体感が薄れた感じがするという声が最近よく、私たちの下にも寄せられます。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「サイボウズにおけるテレワークの取り組みと課題」) https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20200929/houkoku/04_jirei3.html

感情情報の共有が失われることで、孤独を感じてしまう。
これは先ほど筆者の勤務環境のお話をしましたが、まさにその通りです。表情筋が衰える感覚です。

さらに興味深いことも語られています。

もう一つの継続のポイントとして、情報をオープンにすることが挙げられます。大事なのは、私たちは自分の周りにはたくさん情報があるんだということを皆が知っている時代だということです。
(中略)
自分のところの情報が限られてしまうと、情報が来ていないことに対して不満に思ってしまう傾向が高い。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「サイボウズにおけるテレワークの取り組みと課題」 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20200929/houkoku/04_jirei3.html

確かにテレワークの孤独さを招くものとしては、「オフィスでは実は、自分の知らないことが自分抜きで進められているのではないか」という猜疑心は大きな要素になることでしょう。

筆者のようなフリーランスであれば「自分はそもそもそこに関わる立場ではない」という考え方で仕事を続けられますが、組織に属しているのに自分の知らない情報があると勘繰りながら働くというのは非常に心地の悪いものでしょう。

チャットツールの中で「一つの箱に閉じ込められている」こともストレスの要因になっていそうです。しかし十分な情報の中で回遊できるオンラインスペースならば、テレワークの孤独を和らげることができるでしょう。

回遊性とゲーム性

サイボウズの事例から筆者が感じるのは、デジタル空間を現実のオフィスと同じように回遊できたら楽しいだろうな、ということです。
通路を歩いていたら偶然同期社員と出くわして立ち話をした、とか、休憩スペースに行ったらいつも顔を合わせる人と会話をするようになった、他の部署を訪れた時に誰が在席していて雑談をきっかけにどんな会話が生まれたか、といった現実で起きることをデジタル空間に再現するのです。

在宅ワーカーはRPGゲームのように社内を回遊し、そこで発生するお題を消化していく、これは実際のオフィスでよく起きることで、従業員の経験値に関わる大きな要素になります。
オンラインだけの環境であっても、自分の経験値を高めることができる。そんな感覚で仕事を進められたら、テレワークはもっと気楽なものになるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後TBSに入社、主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として国内外の各種市場、産業など幅広く担当し、アジア、欧米でも取材活動にあたる。その後人材開発などにも携わりフリー。取材経験や各種統計の分析を元に各種メディア、経済誌・専門紙に寄稿。趣味はサックス演奏と野球観戦。
X(旧Twitter):清水 沙矢香 FaceBook:清水 沙矢香

メルマガ限定で配信中

プロが教える“オフィス移転の成功ポイント”

  • 組織づくり・ワークプレイスのトレンドを素早くキャッチ
  • セミナーやイベント情報をいち早くお届け
  • 無料相談会やオフィス診断サービスを優先的にご案内!
無料でメルマガを登録する

参考資料

*1「テレワークの教科書」サイボウズチームワーク総研 p130、p157


組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。

企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

この記事を書いた人

アバター

そしきLab編集部

【この記事は生成AIを利用し、世界のオフィスづくりや働き方に関するニュースをキュレーションしています】