出社したくなるオフィスとは?オフィスづくりのコツ5選を事例付きで紹介!

コロナ禍の終息に伴い、徐々に企業における従業員の出社が増えています。

テレワークの形態は依然として残りつつありますが、多くの企業が従業員の出社にメリットを感じるようになっています。テレワークが一般的に認められるようになった昨今、従業員に出社してもらいたいと企業が考えていても、強制的な出社要請は社内での反発を招く可能性があります。出社を促進するには、社員が自ら出社したいと感じる魅力的なオフィス環境を整えることが必要不可欠です。

なんのために出社してもらうのかを考える

出社を促す前に、企業側がなぜ従業員に出社してもらいたいのかを明確に整理することが重要です。出社はあくまでも目的を達成する手段であるはずです。目的としては、業務効率の向上、チームワークの強化、社内文化の醸成など、様々な目的が考えられます。

その目的を達成するために、オフィスに出社することのメリットを従業員に実感してもらう必要があります。

オフィスに出社する従業員のメリット

オフィスに出社するメリットには、さまざまなものがあります。従業員がテレワークよりも出社の方が効果的だと感じた場合には、自ずと出社を選択するでしょう。そのメリットを実感できるような組織やオフィスにしていく必要があります。

オフィスに出社する従業員のメリットには、以下のようなものがあります。

コミュニケーションが円滑になる

職場において、人間関係の構築に苦労する人は少なくありません。実際、離職の主な原因の1つが人間関係の悪化です。オフィスに出社すると、ちょっとした雑談やコミュニケーションの機会が増えます。オフィス回帰について、約9割の方が「コミュニケーションを取りやすくなった」と回答しているデータもあり、多くの方がリモートよりも出社したほうがコミュニケーションが取りやすいと感じています。

コミュニケーションにより相互理解が深まることで、無駄な軋轢や齟齬が減り、業務効率も上がります。結果として従業員の帰属意識が高まり、離職率の低下やモチベーションの向上につながります。従業員同士のコミュニケーションが円滑になることは、企業側としても大きなメリットです。

業務効率が上がる

オフィスに業務上必要な設備が揃っているのであれば、業務の遂行がスムーズになります。従業員がテレワークよりもオフィスでの作業が効率的だと感じた場合、多くの社員が自然と出社を選択するでしょう。

さらに、対面の会議はオンラインよりも細かなニュアンスや表情を理解しやすいため、コミュニケーションが円滑になります。

福利厚生を受けられる

福利厚生は従業員にとって重要な要素の一つです。オフィスで自由に飲める飲料が提供されていたり、カフェやジムなどの設備が整っている場合、それらを利用するために出社することもあります。

スキルの向上ができる

特に上司と部下の間での技術の継承は、対面でのコミュニケーションがオンラインよりも有利な場面が多いものです。相談事があっても、オンラインではアポを取って話しかけるという行動が必要になり、部下にとってはハードルが高いことも。対面の場合であれば、気軽に質問や相談がしやすいものです。上司部下間だけでなく、オフィスに出社している他の従業員の仕事を見て、技術を学ぶこともできるでしょう。

出社したくなるオフィスのポイント

オフィス環境を整えて従業員が自発的に出社したくなるオフィスにするには、さまざまな方法があります。ただし、効果的なオフィスの形態は企業によって異なります。オフィスを企業が目指す形に近づけることも重要ですが、従業員が快適に過ごし、効率的に仕事ができる環境を整えるためには、従業員へのヒアリングが効果的です。

1.人間関係が良好で、コンプライアンスが守られている

ギスギスしていたり、セクハラが横行していたり、大声で従業員を怒鳴りつける声が聞こえるようなオフィスは誰しもが出勤したくないと感じることでしょう。そのような状況を避けるためには、平等な評価や労働条件の整備、コンプライアンス研修の実施などが必要です。

さらに、孤独感を解消し、コミュニケーションを促進する仕組みも大切です。例えば、雑談がしやすいスペースを設けるなど、従業員がコミュニケーションを取りやすい環境を整えるとよいでしょう。

2.リフレッシュ空間がある

一般的に、大人の集中力の持続時間は50分程度と言われており、一日中集中し続けることはできません。集中力が途切れる前に適度な休憩を取り、また集中して仕事に取り組むルーティンが効果的と言われています。そのため、休憩の質を上げることが業務効率の向上につながることになります。

従業員に質のよい休憩を取ってもらい、リフレッシュしてもらうためには、休憩スペースやカフェを設置したり、オフィスグリーンを増やしたりする方法があります。トイレで一息つくという方も多いため、トイレをきれいに整備することも有効的です。健康の維持も兼ねて、ジムを設置する企業もあります。

リフレッシュできると感じる環境には個人差があります。休憩時間をどう過ごしたいかは、その日の気分によっても異なるはずです。雑談できるようなスペースと、一人でゆっくり過ごせるスペースとの両方を用意できるとよいでしょう。

▼休憩室をつくるポイントについては、下の記事もご覧ください。

3.設備が整えられている

業務に必要な設備や、役立つ設備をオフィスに揃えることで、テレワークよりも業務効率が向上します。例としては、作業をしやすい広い机や、複数のディスプレイ、業務のための資料スペース、ネット環境、オンライン会議を便利にする機材などがあります。

また、託児スペースを用意することで、小さな子どもがいる従業員でも出社しやすくなります。多様な働き方に対応できるオフィスにすることも有効的です。

4.清潔感がある

当たり前ではありますが、清掃が行き届いていないオフィスで過ごすことはストレスになり得ます。清潔でおしゃれな空間で仕事がしたいと考える方が大半でしょう。おしゃれではなくても、最低限、清掃が行き届いているようにすべきです。特に築年数が長いオフィスや入居して長いオフィスは汚れているように見えやすいため、清掃を徹底する必要があります。

5.多様な働き方のできるスペースがある

ABW*と近年言われているように、オフィス内にさまざまなタイプのスペースを設置し、従業員が業務内容やニーズに応じて自由に利用できるようにすることが一般的になってきています。業務内容に応じて適切な労働環境を提供することが重要です。スペースの例としては、集中スペース、作業スペース、ミーティングスペース、電話やオンライン会議スペース、機密情報処理スペースなどがあります。
*ABW=Activity Based Working(従業員が自分の仕事内容にあわせて勤務場所を選べる働き方のこと)

このような多様なスペースが用意されていると、従業員はそのときに適した環境を選択できるため、業務効率が向上します。例えば、集中力が必要な作業は集中スペースを利用し、チームでの共同作業が必要な場合はミーティングスペースを活用することができます。活動に応じた柔軟性がある環境が、従業員の生産性や満足度を高めることにつながります。

多用な働き方ができるスペースがあるオフィスの事例

集中スペース

集中作業やオンラインミーティングに適しているとされる個室ブース。一人用のものから複数人数で使えるものまでラインナップも豊富になっています。個室ブースを設置するスペースがない場合は、吸音素材を使ったローパーティションで簡易ブースを作ることもできます。

株式会社/日本経営様
株式会社陣中様

ミーティングスペース

対面コミュニケーションのメリットは、さっと集まれるスピード感と手軽さにあるといえるでしょう。フリースペースとしてミーティング用テーブルがあると、「ちょっといい?」から始まる打合せが多くなり、出社するメリットを感じやすくなります。

株式会社中西製作所様

リフレッシュスペース

しっかりリフレッシュできる空間を作るには様々な要素が必要です。家のようなインテリアにする、コーヒーサーバーやお菓子などを用意する、ワークスペースから離すなど、従業員が利用しやすい環境を整えられるとよいでしょう。

BDA Partners株式会社様

チームで仕事ができるスペース

チームで仕事をする場合、通常のワークスペースでは仕事が捗らない場合も。複数人で集まり、資料を広げて作業ができる場があることは、出社したくなるオフィスの要素になるでしょう。

創英国際特許法律事務所様

出社したくなるオフィスのまとめ

コロナ禍以降、働き方は大きく変化しました。リモートワークが一般的に受け入れられる社会にはなりましたが、それでも従業員が出社することにメリットを感じる企業は多いものです。従業員に積極的に出社してもらうためには、オフィス環境の整備が重要になります。

しかし、企業ごとに適切なオフィスの形態は異なるため、なにから取り組めばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。そこでウチダシステムズでは、オフィス診断サービスを提供しています。オフィス診断サービスは、オフィスの改善点を診断し、適切な改善策を提案するサービスです。出社したくなるオフィスづくりを考えている方は、ぜひ一度お問い合わせよりご相談ください。

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そしきLab編集部

ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。