オフィスの休憩室を快適に過ごせる空間にするためには、いくつかのポイントがあります。なんのために休憩室を設けるのか明確にした上で、どんな設備が必要なのかを考えることが大切です。この記事では、休憩室のメリットや、休憩室をつくる際のポイントを紹介し、事例付きで解説していきます。
休憩室の必要性とは?
休憩室はリフレッシュルームやリフレッシュスペースとも呼ばれ、多くの企業に設置されています。法律上、休憩室の設置は努力義務であり、設置しなくても違法にはなりません。しかし、従業員が快適に過ごすためには必要といえます。
事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない
労働安全衛生法事務所衛生基準規則第十九条
もしオフィスに休憩室が無かった場合には、昼食を取る場所がないなどの問題が発生します。デスクがあればいいという方もいますが、普段仕事をする場所ではリラックスして休めない方もいます。仕事と休憩のメリハリをつけることは業務効率の向上にもつながるため、休憩の場として業務スペースとは別の場所を設けることが推奨されています。
休憩室とは異なり、条件を満たす事業所では「休養室」の設置が法律で義務づけられています。休養室とは、体調が悪くなった従業員がいる場合に、横になって休める設備のある部屋のことです。
社員数50名以上または女性社員数30名以上のオフィスには、男女別にそれぞれ休養室を設けなければ行けない法律があるため、注意が必要です。
休憩室を設置するメリット
休憩室を設置することには多くのメリットがあるため、基本的には設置したほうがよいといえます。しかし、ただ休憩室を設けるだけでは使いにくいものとなってしまうかもしれません。オフィスや従業員に合わせて、最適な設備を設ける必要があります。
休憩室を設置するメリットには、以下のようなものがあります。
- 従業員の満足度向上 → 離職率の低下
- 従業員の業務効率向上
- 従業員の健康促進(座りっぱなしを避けるなど)
- コミュニケーションの促進
- 採用でのアピールポイントとなる
効果的な休憩室をつくるポイント
過ごしやすい休憩室をつくるために、抑えておきたいポイントがいくつかあります。すべてを満たす必要はありませんが、満たされているポイントが多いほど効果的な休憩室になりやすいといえるでしょう。
1. まずは従業員の意見を取り入れる
休憩室は従業員が快適に過ごすための場所です。そのため、まずはどんな休憩室がよいのか、従業員に聞くところから始めてみましょう。部署・役職・年齢・性別などにより、意見は異なるはずです。現状の問題点や、現状満足している点、あったらうれしい設備などを聞いておくと、レイアウトに反映しやすくなります。
2. 十分な席数を設ける
使いたい人全員が座れないような休憩室は、休憩室として機能していません。席数が少ないと、部下が上司に遠慮して利用できない可能性もあります。とくに昼食を取る場所がない場合には大きなストレスとなってしまいますので、十分な席数のある休憩室にする必要があります。
しかし、全員分の席数を確保することが難しいケースも多く見られます。その場合には、昼休憩のタイミングを自由にしたり、部署ごとに休憩時間をずらして設定したりするなどの工夫が有効です。また、「休憩室」という休憩のみを目的としたスペースにするのではなく、打ち合わせやソロワークにも使えるようなフレキシブルなスペースとするのも、限られたスペースを有効活用する方法です。
3. 簡単なルールを設ける
従業員によって、快適/不快を感じるポイントはそれぞれです。最低限のルールを設け、不快な思いをする従業員が少なくなるようにしましょう。ルールが厳しすぎるとむしろ窮屈に感じてしまい、使いにくくなってしまうため、簡単なものがよいでしょう。ルールを設けたら、それを守ってもらうために周知もしっかり行う必要があります。
▼ルールの例
・食事したあとは必ず拭く
・通話は禁止
・冷蔵庫の個人利用は飲み物1本まで など
※簡単なものにすることが、ルールを守ってもらうコツです。
4. ワークスペースから隔離する
他の従業員が働いている姿が見えないようにしたり、声が聞こえないようにしたりするとベターです。休憩中に仕事の情報が入ると、落ち着いて休憩できなくなってしまう人もいます。上司が働いているタイミングで休憩することを後ろめたく思う部下も多いものです。
一方、ワークスペースに食べ物の匂いがすると、働いている従業員の集中力が削がれてしまうという問題があります。
なお、「休憩室が狭くて落ち着かない」などの意見が多い場合には、ワークスペースと休憩スペースをつなげて広い空間にするケースもあります。雑談の声が小さめ、他の従業員が働いていても遠慮なく休憩できる風土、ソロワークが多いオフィスなどの場合には、ワークスペースと休憩室を隔離しなくてよいこともあります。
5. グリーンを設置する
休憩室をよりリラックスできる空間にするために、オフィスグリーンの設置もオススメです。緑視率という基準があり、視界に入る緑の量が多いとリラックスできるとされています。育てやすい観葉植物を置いたり、フェイクグリーン(造花)を置いたりしてもリラックス効果があるほか、壁紙を緑色にするという方法も有効です。
注意点として、休憩室が仮眠室もかねている場合には、本物の植物は避けたほうがよいでしょう(本物の植物は暗い場所で二酸化炭素を排出するため)。
▼オフィスグリーンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
6. 窓際に休憩室を設ける
休憩室をよりリラックスできる空間にするための工夫として、窓際に休憩室を設けることも効果的です。窓からの景色を眺めながら休憩することで、仕事のことを忘れてよりリラックスできます。自然豊かな場所であれば、季節感も楽しめるでしょう。オフィスからの景色がよいのであれば、とくにオススメです。
7. 飲み物や軽食を用意する
福利厚生として、ウォーターサーバー、コーヒー、お茶などを用意し、自由に飲めるようにしている企業も増えてきました。従業員の満足度を上げるだけでなく、コーヒーなどで頭をすっきりさせれば、業務効率も高まるでしょう。カフェを設置している企業もあり、そのスペースで夜は社内飲み会をするなどの活用もオススメです。
ウチダシステムズでは味噌汁サーバーを設置しており、ほっと一息ついてリラックスできると人気の設備になっています。
8. 座席の配置を考える
コミュニケーション促進のために、4人席などの複数人で使うことを前提とした席を設ける場合もあります。しかし、一人でゆっくり過ごしたいときにはストレスになることもあります。楽しく会話しながら休憩できるスペースと、一人で静かに過ごせるスペースとの両方を用意し、気分で選べる環境にするのがよいでしょう。
写真で見る休憩室の事例
休憩室のポイントをおさえても、そのような休憩室にすべきか具体的なイメージが浮びづらい方も多いのではないでしょうか? そこで、ウチダシステムズが実際に手がけた休憩室・休憩スペースの事例を写真付きでご紹介します。
設備の揃ったカフェ&コミュニケーションスペース
おしゃれな空間で対話できるカフェ。明るすぎない照明にはリラックス効果があり、ゆっくり過ごしてもらうことができます。さまざまな椅子やデスクを用意することで、目的ごとに好きな席を選んで利用できるようになっています。
カフェ感覚で使えるフレキシブルスペース
広々としたフレキシブルスペースです。座り心地のよい椅子に座り、一人でゆっくり過ごすことができます。ソロワークの気分転換にも気軽に利用できます。複数人で使えるテーブル席も設置しているため、コミュニケーションの場としても利用されています。
広々スペースで一人でもみんなでも
一人席も複数人席も豊富にあり、好きな用途で過ごせる明るい空間になっています。自然光を取り入れられる大きな窓からは、景色を眺めてリフレッシュすることもできます。キッチンがあるため、簡単な昼食を作ったり、社内イベントやパーティーを開いたりすることもできるスペースです。
リフレッシュとしても、ワークスペースとしても
リラックス&コミュニケーションをテーマに、オフィスの一角にスペースを設けています。リフレッシュだけでなく、ちょっとした打ち合わせにも使えるスペースです。ポップなインテリアデザインにより、会話も弾みます。
休憩室もウチダシステムズにご相談ください
オフィスなどの移転・リニューアルを手がけているウチダシステムズでは、休憩室づくりのお手伝いもできます。休憩室に求められているものをヒアリングして、お客様のオフィスにとって効果的な休憩室とはなにかを考えることが得意です。
休憩室にお悩みの方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。
企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。