
ちょうど今の若者たちの世代、特にZ世代は、コスパ(コストパフォーマンス)、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する人が非常に多いと言われている。
日本が少しずつ貧しくなっていく過程でサバイブするための知恵なのだろう。
「無駄を嫌う」
「人づきあいが悪い」
「お金を使わないので経済を回さない」
など、批判されることも多いが、手持ちの資源が少なくても、人生を楽しみたい、というのは、自然だし、特に悪いことでもないと思う。
ところで、ある調査によれば、趣味にかけるお金は月に5000円程度。
多くの人が実際に楽しんでいる趣味は、低コストのものに偏っている。
では何に実際、時間とお金を投じているのかというと、最も多いのは「ゲーム」や「動画/映画・音楽」だ。
スマホゲームには無料のものも多いし、サブスクは低コストで映画や音楽を楽しめる。
「Youtube」とか「SNS」などにもかなり多くの時間を投じているだろう。
しかし、こう思ってはいないだろうか。
「スマホに依存していてよいのだろうか?」
「貴重な人生をスマートフォンに吸われているばかりで不毛なのでは?」と。
例えば別の調査では、「脱スマホ・スマホ断食」について聞いたところ、33%が「ある」と回答。年代別では10代~20代の若年層順にその傾向が強くなる。
中でも、10代は48%と比較的高いという結果が出ている。
また、ゲームについても、スマホゲームで課金経験のある人の約9割が後悔していると答え、「そのゲームをやめた今、何をしていたんだろうと後悔している」。
ソニー生命の調査では「スマホで失ったもの」の1位が「時間」であり、好きなコンテンツ(ゲーム含む)であったとしても、それに没頭して時間が失われたと感じる人が多い。
そう。
「やっぱり時間とお金の無駄かな……」と思いながらも、タイパ、コスパを意識するというなんとも矛盾した状態なのだ。
最もコスパ、タイパのいい趣味はなにか
そういう人に言いたい。
「図書館に行け」と。
アプリ内課金もない、広告もない。サブスクでもない。
おまけに冷房も効いていて、電気代も浮く。
真に「完全無料」で一日中楽しめるスーパーな趣味は、図書館だ。
最近は便利になったもので、「カーリル」というサービスで、近所の図書館の本の貸し出し状況を見ることもできる。
おすすめを覗いて、どういう本があるかを検索してみるといい。

村上春樹の新刊もある(今はどこでも貸出中だが…)が、他にも面白そうな本がいくらでもある。これだけでもお得感が半端ではない。
また、図書館の公式サイトは、場所によっては「図書館員のおすすめ」があり、季節やテーマで自分の枠外の本を教えてくれる。

このように言うと、
「おいおいおい、結局、読書を勧めてくるのかよ、普通すぎるぜ」という、声が出てくると思うが、私が勧めているのは読書ではなく「図書館」である。
図書館には、本だけではなく雑誌や映画もある。

ネットフリックスでやっているような最新のドラマはないかもしれないが、Youtubeで得られる楽しみとは別次元の楽しみが得られる。
また、中に収められたコンテンツだけではない。
図書館という「場」は非常によくできていて、人間の知の偉大さを垣間見ることができる。
特に国会図書館は圧巻で、国内のすべての出版物があるという事実だけでも一度足を運んで見る価値がある。
「いやー、面倒だしゲームで十分だよ」という人もいるかも知れないが、まあ、聞いてほしい。
本や映画には、ゲームでは得られないものが、たしかにあるのだ。
一体なにか。
それは「私のために作ってくれた」という、強烈な感動だ。
「いや、ゲームのほうがプレイヤーの自由度が高い分、自分に合わせてくれる」という意見もあるだろうが、そうではない。
本や映画は、「自分の為に作ってくれたものではないとわかっている」がゆえに、逆に「これは自分のためにあったのだ」と思えたときに、とんでもなく大きな感動をもたらしてくれるのだ。
また、特に本は、ゲームに比べて、制作コストが圧倒的に低いため「万人向け」ではなく、強烈に偏ったコンテンツが存在を許されている。
だから、究極的には「感動」というレベルにおいて、ゲームは本や映画にはまだ遠く及ばない。
私は初めて訪れた街で、どこに行くか、と言われたときに「図書館に行く」と答えることも多い。
図書館は街の特色が出る施設でもあり、地方や風土、そこに住む人達の感性を強く反映する。図書館に行くことは、小旅行でもあるのだ。
さあ、もうここまで聞いて、図書館という趣味の、圧倒的「コスパ」「タイパ」に気づいただろう。
ぜひ自分の住む街の図書館に通ってみてほしい。
そこでは様々なイベントも行われており、大抵は無料だ。
スマホやwebも悪くない。
が、無料で手にできるコンテンツのうち、最も優れたものが図書館に集められているのもまた事実だ。
この記事を書いた人
安達 裕哉
生成AI活用支援のワークワンダースCEO(https://workwonders.jp)|元Deloitteのコンサルタント|オウンドメディア支援のティネクト代表(http://tinect.jp)|著書「頭のいい人が話す前に考えていること」88万部(https://amzn.to/49Tivyi)
◯Twitter:安達裕哉
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◯note:(生成AI時代の「ライターとマーケティング」の、実践的教科書)
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