アルコールチェック義務化は12月1日から!対象となる企業と導入方法を解説

2023年12月1日からはじまるアルコールチェック義務化。自社がアルコールチェック義務化の対象になるのか、どのように導入すればいいのかと悩んでいるという方も多いはず。そんなお悩みを解決できるように、アルコールチェック義務化についてわかりやすくまとめました。

アルコールチェックの義務化とは?

国土交通省は、事業用自動車の運転者に対する飲酒運転の防止策として、“運転前後のアルコールチェックとその記録の保存”を義務づけています。

この規定は元々、運送業など一部の業種にのみ適用されていましたが、2022年の道路交通法の改正により、すべての業種が対象となっています。アルコール検知器の使用・管理者の専任・目視チェック・記録保存が義務化されていますが、アルコールチェッカー(検知器)が市場に流通していないという問題があり、検知器の使用のみ延期の発表がされていました。しかしついに、2023年12月1日からアルコールチェッカーの使用も正式に義務化されると発表されました。

アルコールチェック義務化の対象企業は、アルコールチェッカーの入手と、運用に必要な人員やフローを早急に整備する必要があります。

アルコールチェック義務化の対象企業は?

アルコールチェックはすべての業種で義務化されましたが、義務化の対象となるかは車種や台数によります。

アルコールチェック義務化の対象企業

  • 定員11名以上の自家用車1台以上
  • その他の自家用車5台以上(自動二輪は0.5台換算)

※1事業所あたりの台数

どちらかに当てはまる企業は、アルコールチェックを行わなければなりません。

飲酒運転をした場合の罰則

アルコールチェックをせずに、社員が飲酒運転をしてしまったときの罰則にも触れておきます。社員が飲酒運転を行った場合、社員個人だけでなく、企業側にも厳しい罰則が科せられます。企業は自社を守るためにもアルコールチェックの導入と運用が必要と言えるでしょう。

飲酒運転には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2つのカテゴリーがあり、それぞれ異なる罰則が適用されます。

酒酔い運転運転者がアルコールで酔っ払っていて、まっすぐ歩けない、受け答えができないなどの状態であると判断された場合に適用される
酒気帯び運転アルコールチェッカーで運転者の血中アルコール濃度が一定以上と計測された場合に適用される

罰則は状況や法律によって異なりますが、高額な罰金や運転免許の取り消し、さらには刑事訴追などが考えられます。企業は社員の飲酒運転を防ぐために、アルコールチェックを行い、法令遵守を徹底することが求められています。

飲酒運転をした場合の罰則

酒酔い運転酒気帯び運転
運転者車両の提供者(企業)5年以下の懲役または100万円以下の罰金3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類の提供者、同乗者3年以下の懲役または50万円以下の罰金2年以下の懲役または30万円以下の罰金

アルコールチェックの導入方法

アルコールチェック義務化の対象となってしまったが、まだ対応できていないという企業も多く見られます。そこでここでは、法律に則したアルコールチェックの導入方法をご紹介していきます。

1.運転安全管理者の選任

運転安全管理者となるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。そのため、ふさわしい社員がいない企業は、早急に運転安全管理者になれる人材を確保する必要があります。ここがアルコールチェック義務化を妨げる一番のネックと言えるでしょう。

アルコールチェック義務化の対象企業となる場合、安全運転管理者を選任しなければなりません。また、車両が20台以上の場合は、副安全運転管理者も選任する必要があります。副安全運転管理者は、20台ごとに1人追加しなければなりません。例えば車両が40台ある場合には、安全運転管理者1人のほかに、副安全運転管理者が2人必要だということです。

安全運転管理者の要件

安全運転管理者副安全運転管理者
年齢20歳以上(副安全運転管理者がいる場合30歳以上)20歳以上
実務経験運転管理者経験2年以上運転管理者経験1年以上もしくは運転経験3年以上

※どちらも運転に関する違反をした日から2年未満のものは選任できない

2.アルコールチェッカーの購入

アルコールチェッカーやアルコール検知器は、アルコール濃度を確認するために必要です。これらの機器は、音、色、数値などを通じてアルコール濃度を検出できるものであれば法的にはどんなものでも問題ありません。

なお、アルコールチェッカーには使用期限があるため、定期的に新しいものを購入する必要があります。一般的に、使用期限は1年〜1年半程度、または使用回数が1000〜10000回程度とされていますが、廃棄物を減らす意味でセンサー交換保守、またはセンドバックでリサイクル利用できる機種をオススメしています。

アルコールチェッカーの選び方のポイント

センサー安価な製品の中には、想定より寿命が短く測定結果が安定しない(→誤検知されると運転ができず業務が滞ってしまう)製品も存在するので、長時間安定して計測できる燃料電池式(電気化学式)がオススメです。
記録時刻や計測値が出力でき、後から確認ができるメモリー機能があるものがオススメです。測定者と運転者が同一である証明の仕組みがある等、正確な記録を残せるもの、転記ができるよう見直せるものがよいでしょう。
ごまかし防止機能一定量の息を吹かないと有効な測定とされないものがオススメです。息を吹きかけない状態でも計測結果が出てしまうものは、ごまかすことができてしまいます。
保守運用センサー交換や保守ができる機種がオススメです。とくに、多くの人が使用し計測回数が増える据え置き型は、保守運用まで考えて選ぶとよいでしょう。

どのアルコールチェッカーがよいかわからない場合は、お気軽にウチダシステムズにご相談ください。

3.アルコールチェックの記録と保存ができる環境の整備

アルコールチェックを実施した際には、その記録を残し、1年間保存する必要があります。記録の保存媒体は紙でも電子でも問題ありませんが、自社に合ったテンプレートの作成をおすすめします。

アルコールチェックの記録に必要な項目

  1. 確認者氏名(原則として安全運転管理者または副安全運転管理者) 
  2. 運転者氏名
  3. 自動車のナンバー等
  4. 確認の日時
  5. 確認の方法(アルコール検知器の使用の有無、対面でない場合は具体的確認方法)
  6. 酒気帯びの有無(検査機器で示された数値だけでもよい)
  7. 指示事項(酒気帯びありの場合などにどのような措置を取ったのかを記録する)
  8. その他必要な事項 

アルコールチェックのやり方

では、実際にアルコールチェックはどのような流れで行うのでしょうか?

アルコールチェックは、運転業務の開始前と、運転業務終了後の2回、運転業務をするものに対して行うこととされています。挨拶まわりに行く、運転車両が変わるなどの断続的な運転業務もあるかと思いますが、その都度アルコールチェックをする必要はなく、その日の業務前と業務終了後に行えば問題ありません。

アルコールチェックの手順

  1. 運転前(もしくは業務開始前)に安全運転管理者(もしくは副安全運転管理者)がアルコールチェッカーで計測
  2. アルコールチェックの結果を記録する
  3. 運転業務
  4. 運転後(もしくは業務終了後)に安全運転管理者(もしくは副安全運転管理者)がアルコールチェッカーで計測
  5. アルコールチェックの結果を記録する
  6. 記録をファイリングなどして保存する

安全運転管理者などが対面で確認できない場合は?

出張や直帰などで安全運転管理者や副安全運転管理者による確認ができない場合は、カメラや通話などの手段を活用して顔色や声色などを確認し、アルコールチェッカーの数値を報告させることも許されています。

アルコールチェック義務化に対応したいなら

アルコールチェック義務化の対象となり、導入を考えていても、具体的にどのように進めていいかわからない、自社に合った運用方法がわからないというかたも多いはずです。そのような際には、ぜひお気軽にウチダシステムズにご相談ください。

アルコールチェッカーの販売や、使い方の説明はもちろんのこと、アルコールチェック義務化に対応した運用方法のご提案をさせていただきます。


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そしきLab編集部

ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。