
デスクワークが中心の働き方では、「運動不足が気になるものの、仕事が忙しく運動する時間を確保できない」という方も多いのではないでしょうか。
サントリーホールディングスでは、日常生活に「プラス10分」の運動を取り入れる「Activeプラス10」など、社員が無理なく身体を動かすための取り組みを進めています。
健康のために体を動かすというと、ジムやスポーツなどをイメージしがちです。
しかし、必ずしもまとまった運動時間を確保することだけが方法ではありません。
この記事では、サントリーの取り組みを紹介しながら、働く人の運動不足や座りすぎが健康に与える影響、仕事の中で自然と身体活動を増やせるオフィスづくりについて医師の視点から解説します。
この音声コンテンツは、記事の文脈をAIが読み取り独自に対話を重ねて構成したものです。文章の読み上げではなく、流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。※AIで作成しているため、一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。
サントリーが取り組む「Activeプラス10」とは?
サントリーホールディングスでは、健康経営の一環として、2023年から「Activeプラス10」に取り組んでいます。*1
「Activeプラス10」とは、日常にプラス10分の運動を取り入れ、社員一人ひとりが無理なく活動的な生活を目指す施策です。*1
まとまった運動時間を確保するのではなく、日常生活の中で無理なく身体活動を増やすという考え方に基づいています。
例えば、歯磨きをしながらのスクワットや、出社時に階段を利用するなどの日常のちょっとした工夫を、社内SNSなども活用しています。
これらの工夫を取り入れながら、会社全体としての健康づくりを進めています。
取り組みの一環として、2025年には笑いと運動を組み合わせた「ながら運動講習会」も開催され、会場とオンラインを合わせて200人以上の社員が参加しました。*1
このように、近年では特別に運動する時間を設けるだけではなく、日常生活の中で少しずつ身体活動を増やすという考え方が注目されています。
特に、働く人は1日のうち長い時間を職場で過ごすことも多いと考えられます。
そのため、会社として働く人が職場で活動的に過ごせるような取り組みを行うことは、働く人の健康を支えることにつながります。
さらに、こうした取り組みは労働生産性にも影響する可能性があります。*2
デスクワークでは「運動不足」だけでなく「座りすぎ」にも注意
では、サントリーのような取り組みが求められる背景として、デスクワークにおける健康上の課題をみていきましょう。
オフィスワーカーの場合、運動不足に加え、長時間座り続けることも健康上の課題となります。
デスクワークでは身体活動量が少なくなりやすい
オフィスワーカーのように座って仕事をする時間が長い職種では、歩数が少なく、身体活動のレベルが低くなる可能性が高いことが指摘されています。*2
実際に、日本人オフィスワーカーを対象とした研究では、勤務中の平均座位時間は1日あたり455.6分で、約7.6時間に及ぶと報告されています。*3
長時間の座りっぱなしが健康に与える影響
長時間座って過ごす座位行動は、さまざまな健康リスクとの関連が指摘されています。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することが推奨されています。*4
身体活動が不足し、座って過ごす時間が長い生活は、2型糖尿病などの生活習慣病をはじめ、さまざまな健康リスクとの関連が指摘されています。
また、デスクワークでは同じ姿勢が続くことで、腰や肩などに負担がかかる場合もあります。
健康への影響だけでなく、身体の不調によって集中力が低下するなど、仕事のパフォーマンスに影響する可能性もあります。*2
仕事中に身体活動を増やすための方法
では、ここでは身体を動かす機会を増やすために、仕事中でも取り入れられるちょっとした工夫を紹介します。
特別な運動を始めるのではなく、まずは普段の行動を少し変えてみることがポイントです。
こまめに立ち上がる
長時間座ったままにならないよう、仕事の合間にこまめに立ち上がることを意識しましょう。
飲み物を取りに行く、離れた場所にあるものを取りに行くなど、短時間でも席を離れる機会を作ることで、座りっぱなしの時間を減らすことができます。*5
移動では階段や徒歩を選ぶ
移動の際、エレベーターやエスカレーターをついつい選んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、階段や徒歩を選ぶことで、日常の移動のなかで自然に身体活動量を増やすことができます。*5
「運動の時間を作る」のではなく、普段の移動そのものを身体活動の機会に変える方法です。
休憩時間にストレッチや軽い運動を取り入れる
休憩時間もぜひ活用しましょう。
実際に、日本の労働者を対象とし、昼休みに週3回の運動指導を実施した研究報告があります。
10週間の介入後、運動プログラムを実施しなかった群と比較して、実施した群では活力や対人ストレス、仕事満足度などの改善がみられました。*6
激しい運動をする必要はなく、短時間でも身体を動かす機会を設けることが、心身のリフレッシュにつながる可能性があると考えられます。
自然と体を動かしたくなるオフィスとは?
運動不足対策を従業員個人の意識だけに任せるのではなく、自然に身体を動かせる職場環境を整えることも一つの方法です。
立って仕事ができる場所を作る
昇降式デスクやスタンディングスペースなど、座り続けなくても仕事ができる選択肢を用意します。*7
仕事内容や体調に応じて姿勢を変えられる環境があることで、長時間座り続ける時間を減らしやすくなります。
歩く機会が自然に生まれる動線を作る
コピー機や共有スペース、打ち合わせ場所などへの移動も身体活動の一つです。*7
必要な設備を単に近くへ集約するだけでなく、仕事の効率を損なわない範囲で自然に移動が生まれるレイアウトを検討する方法もあります。
短時間の運動やストレッチを取り入れやすくする
休憩スペースや少し身体を動かせる場所があれば、休憩時間にストレッチをしたり、立ち上がって気分転換したりしやすくなります。
「運動のための特別な施設」を設けることだけでなく、日常的に身体を動かしやすい環境を作ることがポイントです。
健康づくりを「本人の努力」だけにしないことが大切
最後に、健康づくりを従業員本人の努力に任せないために、職場としてできることを考えてみましょう。
「運動しましょう」だけでは続かないこともある
「運動しましょう」と呼びかけるだけでは、忙しい社員にとって継続が難しい場合があります。
サントリーの「Activeプラス10」のように、無理のない小さな行動から始めることに加え、職場側が身体を動かしやすい選択肢を用意することも重要です。
企業側が身体を動かしやすい環境を整えることで、従業員が健康行動を続けやすくなる可能性があります。
職場として活動的に過ごすことが重要であるという共通認識を持つ
個人が仕事中に身体を動かそうと思っていても、職場全体にその認識がなければ実践しにくい場合があります。
例えば、仕事の途中で立ち上がったり軽く身体を動かしたりすることを、「仕事をしていない」「サボっている」と受け取られるのではないかと気にする人もいるでしょう。*2
そのため、「座り続けることが必ずしも良い働き方ではない」「適度に身体を動かすことも健康的に働くために必要」という認識を、職場全体で共有することが重要です。
健康的な行動を選びやすい環境を作る
立って働くことができる、歩く機会がある、休憩中に身体を動かせるなど、自然に健康行動を選べる職場環境を整えることも一つの方法です。
筆者が以前勤めていた職場では、お昼の休み時間に職員向けのヨガ教室が開催されていました。
動画を見ながら職員同士で軽いヨガをするという気軽な取り組みでした。
このように、「一人で運動を始める」のではなく、職場のなかに身体を動かす機会が用意されていることも、健康的な行動を始めるきっかけの一つになると感じます。
運動を強制せず選択肢を増やす
一方で、健康状態や身体機能には個人差があるため、運動を一律に強制するのではなく、それぞれが自分に合った方法を選べる環境づくりも求められます。
健康に良いからといって、全員に同じ運動を求めることは適切ではありません。
「立って働く」「階段を使う」「休憩中に軽く身体を動かす」など、複数の選択肢を用意し、一人ひとりが自分に合った方法を選べる環境を作ることが大切です。
まとめ
運動不足を解消するために、必ずしも仕事の後にまとまった運動時間を確保しなければならないわけではありません。
立つ、歩く、階段を使うなど、日常の小さな身体活動も積み重ねることができます。
サントリーの取り組みのように、社員が無理なく身体を動かすきっかけを作ることに加え、オフィスそのものを「自然と体を動かしたくなる環境」にすることも、働く人の健康を支える一つの方法ではないでしょうか。

この記事を書いた人

木村 香菜
行政機関である保健センターで、感染症対策等主査として勤務した経験があり新型コロナウイルス感染症にも対応した。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
参照
*1 笑って楽しむ「ながら運動」でリフレッシュ、「Activeプラス10」セミナー開催-サントリー
https://www.suntory.co.jp/company/peopleculture/topics/topics000073.html
*2 身体活動・運動の推進 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
PDF:働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント p1
https://www.mhlw.go.jp/content/001195870.pdf
*3 Arimoto A, Ishikawa S, Tadaka E. Empirical study of the 30-s chair-stand test as an indicator for musculoskeletal disorder risk of sedentary behaviour in Japanese office workers: a cross-sectional empirical study. BMJ Nutr Prev Health. 2021 Mar 22;4(1):158-165.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8258064/
*4 身体活動・運動の推進 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
PDF:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 p7
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
*5 身体活動・運動の推進 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
PDF:アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-(アクティブガイド2023)成人版(両面印刷・三つ折り)
https://www.mhlw.go.jp/content/001361383.pdf
*6 身体活動・運動の推進 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
PDF:働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント p3
https://www.mhlw.go.jp/content/001195870.pdf
*7 身体活動・運動の推進 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
PDF:働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント p2
https://www.mhlw.go.jp/content/001195870.pdf
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