社内イベントを効果的なものにするためには、会社に合ったイベント形式を選ぶ必要があります。参加者を増やし、社内の結束を高めるための社内イベント開催のコツをご紹介します。
社内イベントのアイデア一覧
どんな社内イベントを開催しようか悩んでいるという場合には、まずはどんな社内イベントが開催されているのかを知ることが近道です。ただし、社内イベントに求める効果によって、開催すべき社内イベントは異なります。
そこで、数ある社内イベントのアイデアをいくつかの分類に分けてみました。その例と効果について、一つずつご説明していきます。
日常イベント
誕生日会やラジオ体操などの日常的なイベントです。コミュニケーション促進や、健康促進が狙いです。
また、Tシャツデーやクールビズなどの取り組みも、企業風土を少しずつ変える取り組みとして有効なものになります。
季節イベント
お花見や忘年会などは一般的な社内イベントの代表格です。慰労目的で開催されることが多いようですが、社員に季節感を感じてもらうことで、日々の業務のメリハリがつくことにも繋がります。
クリスマスや初詣などは家族と過ごしたい方も多い場合があるので、社内イベントとして行う場合には日付をずらしたり、自由参加にしたりなどの軽い気持ちで参加しやすいイベントにすると、参加率も上がります。
▼季節のイベントの例
- 春…お花見
- 夏…バーベキュー、ビアガーデン、花火大会
- 秋…ハロウィンパーティー
- 冬…クリスマスパーティー、忘年会、新年会、初詣
業務改善イベント
業務改善に繋がる社内イベントです。全社会議、新規事業の社内コンペ、1日部署交換などが該当します。業務改善だけではなく、会社のことをさらに深く知る機会にもなります。近年はタウンホールミーティング(テーマを設け経営層と従業員が対話する)などを行う会社も増え、社内の風通しをよくする方向性でのイベントが行われています。
また、社員のモチベーションアップをさせる目的での表彰式もよく行われるイベントです。ただし、表彰内容は慎重に検討する必要があります。例えば営業の売上を表彰する場合にも、エリアや商材が異なる場合に売上だけで評価してしまっては、不平等な評価になりがちです。また、協力してチームで成果を上げていく社風の場合は無駄な軋轢を生み、逆効果となってしまうことも多いため、注意が必要です。
社会貢献イベント
社会に貢献できることに意義を見いだしている社員にとっては、ボランティア活動なども有効的なイベントです。一方、業務や給与に関係のないことをさせられることに苦痛を覚える社員もいるため、よく検討して開催する必要があります。
また、地域とのつながりを得られるフリーマーケットなどのイベントも、商材などによっては有効です。一般消費者向けの商材を扱っている会社は、地元に根付いた企業としてのイメージアップと認知度アップを狙えます。
スポーツ系イベント
運動会、スポーツ大会、レクリエーションなどを行う社内イベントです。身体を動かしながらコミュニケーションを生むことができます。勝利を目指したり、よいスコアを残すなどのゴールがあるため、対話が苦手な社員も輪に入りやすいイベントです。
一方、スポーツが苦手な社員や、興味のない社員にも楽しんでもらう配慮も必要です。難易度が低いスポーツを選んだり、飲食をしながら応援をするだけでもよいことにしたりなどの工夫をオススメします。
▼スポーツ系イベントの例
- 難易度高めなスポーツ…野球、フットサル、ゴルフ、駅伝、ダンス、eスポーツ
- 難易度低めなスポーツ…ボウリング、ダーツ、アスレチック体験
- レクリエーション…登山、釣り
ゲーム系イベント
ゲームを行う社内イベントです。チームで協力したり、対話をしたりするため、コミュニケーションが生まれます。社員それぞれの考え方のくせなどを把握するきっかけにもなり、相互理解を深めることで業務にも生かすこともできます。
スポーツが苦手でも参加しやすいイベントですが、対話が苦手な社員への配慮が必要になります。ジェスチャーゲームなど、身体を動かすゲームなどがオススメです。また、さまざまな役職の社員が参加する場合は、接待プレイにならないように、運動要素が大きいゲームやチームで協力するゲームにするなどの工夫があるとよいでしょう。
▼ゲーム系イベントの例
- 体験型ゲーム…脱出ゲーム、謎解きイベント
- 思考型ゲーム…クイズ大会、カードゲーム、水平思考ゲーム、ワードウルフ
- 身体型ゲーム…ジェスチャーゲーム、マシュマロチャレンジ、ジェンガ
なお、ウチダシステムズでは「2023SDGs」というカードゲームで、楽しみながらSDGsを学ぶイベントを開催しました。学びにも直結するゲームはとくにオススメのゲームです。
クリエイティブ・教養イベント
アート系のワークショップや作品制作、鑑賞会、読書会などのイベントです。業務に関連するものを選ぶと、社員の参加意欲が高まりやすくなります。アート・クリエイティブ・エンタメ・芸能・音楽・アパレル関係などの職種なら社員の目を育てることができ、業務の質の向上に直結します。
そのような職種ではない場合にも、文化的なコンテンツに触れることで、社員の教養を高められます。さまざまな事柄に興味を持ちやすくなり、視野を広げることにもなります。業務に直結はしづらいですが、長期的なスパンで考えると、営業の質を高めたり、社員の人生の豊かさに繋がる効果が期待できます。
飲食イベント
食事会や飲み会です。お花見や忘年会などの季節イベントも飲食イベントと言えるでしょう。主な効果はコミュニケーションの促進と、慰労になります。古くから「同じ釜の飯を食う」というように、美味しい食事やお酒を楽しみながらコミュニケーションを取ることで、仲間意識を生み、業務効率を向上させることにも繋がります。
しかし「プライベートの時間を使って上司の機嫌を取ったり、同僚と愚痴の言い合いをしたりするコミュニケーションは苦痛」という方の割合も年々増えています。一次会で帰りやすい仕組みづくりをしたり、一方的な会話にならないようレクリエーションを開催するなどの工夫をすると、参加してもらいやすくなります。
旅行イベント
社員旅行などのイベントです。日帰り・宿泊・合宿などのパターンがあります。
慰労やコミュニケーションの促進を目的として行うことが多いですが、研修を挟んだり、教養を深めるプログラムを組むとさらに効果的です。海外旅行などの豪華な社員旅行を開催することで、離職率の低下を狙う企業もあります。
近年では社員旅行を好まない方や、子どもがいて参加できない方も表層化してきたため、減りつつある傾向です。宿泊旅行など長時間の旅行の場合は、「仲のいい社員同士で行動できる時間を増やす」「自由時間を設ける」「家族も呼べる」などの工夫が大切です。
家族・地域参加型イベント
社員の家族を招くファミリーデーや、子どもの職場体験などの社内イベントです。社員の家族を会社に招き、仕事の様子を見たり体験したりすることで、家族からの理解を深めてもらう効果があります。
オンラインイベント
近年はリモートメインの企業も増えています。オンラインでも思考型ゲームやオンライン飲みなどは可能です。普段リモートで働いている社員は、他の社員との交流が絶たれがちなため、定期的な交流の場を設けたいところです。普段関わりのない社員同士でも話しやすいように、議題を用意するとよいでしょう。
社内イベントの効果
社内イベントにはさまざまな効果が期待されており、長年行われてきました。そこで、社内イベントの効果を一つずつ解説していきます。
1.コミュニケーションの促進
企業が社内イベントを行うときの目的として最も期待されることは、コミュニケーションの促進です。社員同士でコミュニケーションを取ってもらい、結束を深めてもらう狙いがあります。社員同士がそれぞれの人となりを知っていくことで、仲間意識が生まれ、社員一同で仕事を繋いでいるという実感に繋がります。「よく知らない社員から振ってくる仕事」よりも、「よく知った仲間からバトンを渡された仕事」のほうが協力的な姿勢になれます。
2.慰労
社内イベントは単純な慰労としての効果を期待して開催されることもあります。例えば、大きなプロジェクトが終わった後にプロジェクトメンバーが労い合いながら開催する飲み会で、達成感を得られる社員も多いはずです。
ただし、飲み会などの慰労としての面が強いイベントが苦手な社員もいます。自由参加にしたり、気軽に参加できる雰囲気作りをしたりなどの配慮をするとよいでしょう。
3.企業理念の浸透
経営層と一般社員が対話できる社内イベントなどによって、日々働いているうちに薄れがちな会社の理念を見直してもらう効果を得ることもあります。目的のない業務はモチベーションの低下を招くため、会社の目的である理念を再認識してもらう機会は大切です。
4.スキルアップ
社員のスキルアップに繋がるイベントができれば、業務がスムーズになり業績に直結する効果があります。社員自身が成長を実感できることで、モチベーションアップにも繋がります。また、「会社が自分をスキルアップさせてくれる」と感じてもらうことができれば、離職率の低下にも繋がります。
近年、社内イベントの参加者は減っていく傾向にあります。これまで社内イベントは強制参加という風潮が強かった企業も、「無理して参加しなくてもよい」「強制はできない」という風潮に変化してきています。そのため、参加者を集めることに苦労しているイベント企画担当者の声も多く耳にするようになりました。社内イベントの参加ハードルを下げ、魅力的に見える工夫をしていくことが今後より一層大切になっていきます。
社内イベントを成功させるためのポイント
社内イベントを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえて企画する必要があります。参加率を高め、開催の効果も感じられるようなイベントにするためのポイントを解説します。
目的を決める
社内イベントは「毎年やっているから」「やることになっているから」という理由で行われることもありますが、その場合はあまり効果を得られません。まずはどういった目的で行うのかを考える必要があります。コミュニケーションを促進したいのか、企業理念を浸透させたいのかなど、目的によってやるべきイベントは異なります。
なお、社内イベントの目的は目に見えてわかるようなものではないことが多く、達成ができたかどうかの判断は難しいものです。テストも兼ねてさまざまなイベントを開催し、反応を見て、イベントを重ねるごとに改善していく気持ちで取り組むとよいでしょう。
担当者に目的を伝える
イベント実行の担当者が企画者と異なるケースもあります。そういった場合は、担当者に「なぜやるのか」という目的を伝える必要があります。例えば「コミュニケーションを増やす目的でイベントをやりたい」と伝えておけば、イベント担当者もコミュニケーションが増えるようなイベント内容を考えてくれるはずです
目的に沿った企画を考える
社内イベントを企画するときは、目的に沿った効果のあるものにしなくてはいけません。「企業理念を浸透させたい」と思ったときにバーベキューをしても効果が薄いことは想像がつくはずです。
また、イベントの開催を発表する際や参加者を募る際にも、目的を掲示するとよいでしょう。社員が「参加させられている」と思ってしまっては、効果が薄れます。「毎年恒例の運動会をします」というよりも「普段関わっていない社員同士の親交を深めるために運動会をします」のほうが、納得して参加してもらいやすくなります。
社風に合った企画を考える
社風によって、ふさわしいイベントは異なります。「おしゃべり好きな、アクティブでチームワークが得意な社員」が多い企業と、「黙々と個人で仕事をこなすスキル特化のプロフェッショナルな社員」が多い企業とでは、喜ばれるイベントも異なるのではないでしょうか。若い世代は意味のない飲み会を好まない傾向にあるなど、世代によっても好まれるイベントは異なります。
無理のない計画を立てる
大がかりすぎたり、複雑すぎたりする社内イベントは、進行に手間取り失敗しやすいです。もし社員旅行を企画しているのなら、ある程度はツアー会社に任せてしまうなど、無理のない計画を立てるとよいでしょう。小さいアクシデントは起こるものだと考え、余裕のある計画をすることが大切です。
参加しやすい日時にする
飲み会であれば、翌日が休みの金曜の夜に開催するなど、参加しやすい日時を考えます。幼い子どもがいる社員が多いなら昼間にイベントを行うなどの工夫をします。さらに、解散の時刻も掲示することで予定が立てやすくなり、参加へのハードルを下げることができます。また、イベントを開催するたびに日時を変えてみるのもよいでしょう。なお、オフィス内での飲み会などは、自由参加自由退出などの参加しやすい日時設定もでき、オススメです。
振り返りをする
社内イベントの目的が達成できたのか振り返りをして、報告書を残すフローにするとよいでしょう。匿名アンケートの集計なども結果がわかりやすくなります。目的が達成できたことを視覚化できると達成感を得ることができます。また、達成できなかった場合にも、次回以降の改善策を考えることでよりよい社内イベントを行えるようになるはずです。また、「失敗した」という漠然な感想をイベント担当者が抱いてしまうと、次にイベントを企画するモチベーションを無くしてしまいます。良かったところも振り返り、改善案を考えることで、モチベーションの低下を防ぎます。
【イベント事例】ウチダシステムの社内イベント
どんな社内イベントを行うべきかについては、その企業それぞれ異なります。そのため、一例とはなりますが、ウチダシステムズで開催した社内イベントをご紹介します。取り入れられそうだと感じたところは、ぜひ参考にしていただければと思います。
ファミリーDAY
【目的】社員の家族を招き、家族にも仕事や職場の様子を理解してもらう
【内容】毎年十数組のご家族が参加され、ビンゴ大会やワークショップなどで盛り上がります。
BBQ
【目的】社員同士のコミュニケーション促進
【内容】全国のグルメを取り寄せ、会社近辺の公園を使用。家族やパートナー企業、内定者などが参加する場合も。
各種部活動
【目的】社員間の交流を深める、仲間意識の醸成など
【内容】好きなものが同じ社員同士で集まり、それぞれの活動を行う(登山部、写真部、ディズニー部、謎解き部、図書クラブなど)
各種スキルアップ研修
【目的】社員のスキルアップ
【内容】年次別研修、職種別研修、新人研修など
ウチダシステムズでは、社内イベント以外にも企業理念を浸透させる取り組みなどに力を入れています。お客様のオフィスも診断し、オフィスデザインをすることで場づくりから企業理念をはっきりさせるお手伝いをしています。企業風土をつくるための仕組みづくりや、社内イベント企画へのアドバイスなども行っています。興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧ください。
組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。
企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。
この記事を書いた人
そしきLab編集部
ウチダシステムズのスタッフを中心に、組織作りや場づくりについて議論を交わしています。業務の中で実際に役に立ったことなどを紹介していきます。