本稿では、日本の地域ごとの労働市場における賃金上昇の背後にある要因を解説します。
高付加価値産業と生活維持サービス産業の間で景況感と人手不足の感覚が異なり、特に後者における賃金上昇が顕著です。
各都道府県の製造業比率と賃金変化率の関係は明らかで、製造業比率が低く人口減少が大きい地域ほど、賃金上昇傾向にあります。
これは人材確保の困難さにより、働き手の獲得や離職防止のために賃金を上げざるを得ない「結果としての賃上げ」が進んでいることを示しています。
今後、地域構造がもたらす「必然としての賃上げ」にどう対応するかが、日本の労働市場改革の重要なポイントとなりそうです。
出典 : それは「努力」か「必然」か ―地域別データが示す賃上げの現実 古屋星斗|「働く」の論点|コラム| https://www.works-i.com/column/hataraku-ronten/detail038.html
