
パワハラ、セクハラ、マタハラのみならず、アルハラ、ジタハラ、オワハラ…
近年さまざまな行為が「ハラスメント」と受け止められ、「◯◯ハラ」という形で略されて大量に世に出回っています。枚挙にいとまがありません。
そして、新しくやってきたのが「オトハラ(音ハラ)」です。
隣や近くに座っている人の「配慮なく過剰な音で周囲を不快にさせる行為」をさすのですが、いったい何がどこを超えると「オトハラ」になるのでしょう。
法的な定義はありません。それだけに、どう対応すれば良いのか探っていきましょう。
この音声コンテンツは、記事の文脈をAIが読み取り独自に対話を重ねて構成したものです。文章の読み上げではなく、流れや意図を汲み取った自然な音声体験をお届けします。※AIで作成しているため、一部誤りや不自然な表現が含まれる場合があります。
「◯◯ハラ」どこまで?
ハラスメントの法的定義については、労働施策総合推進法が令和元年(2019年)に改正された際、職場でのパワハラを防止する雇用管理上の措置を講じることを事業主に義務付ける規定が追加されました。
そして令和7年(2025年)には、職場におけるカスハラ(カスタマーハラスメント)防止のため、雇用管理上の措置を講じることを事業主に義務付ける規定も追加されています。*1
このようにいくつかのハラスメントについては法律上の定義や違法かどうかをはかるある程度の基準がありますが、近年はそうでないものが多く出てきました。
みなさんはどこまでご存じでしょうか?
数えるとキリがない「◯◯ハラ」
例えば、以下のような言葉が誕生しています。
- オワハラ=就活終われハラスメント。厚生労働省の定義によれば「採用内定又は採用内々定を行うことと引替えに、他の事業主に対する就職活動をとりやめるよう強要すること等青少年の職業選択の自由を妨げる行為又は青少年の意思に反して就職活動の終了を強要する行為」。*2
- ジタハラ=時短ハラスメント。残業時間を減らす具体的な対策が示されないまま、ただ表面上の「時短」を達成するために会社から帰宅を強要されること。*3
- カラハラ=カラオケハラスメント。接待や飲み会などのカラオケで、歌いたくない人に無理やり歌うよう強要すること。*4
- エンハラ=エンジョイハラスメント。仕事は楽しいものだと思うことを強制すること。
ついには「ハラハラ」=上司などに何かにつけ「ハラスメントだ」と主張すること、強いて言うなら「ハラスメント・ハラスメント」という言葉まで生まれる始末です。
ハラスメントの種類・法律との関係
ここまでくると、あらゆることにつけて「これは◯◯ハラスメントだ!訴えてやる!」という社員も出てくるかもしれません。
果たしていくつ存在するのか筆者にもわからない「◯◯ハラ」ですが、代表的なものをカテゴライズすると、下のようになります。「法律で定義されているかどうか」の違いです。

https://www.nissay-biz-site.com/article/kpajz6-qn
比較的新しく生まれた「◯◯ハラ」には法的な定義がないというのが実際のところです。
オトハラ(音ハラ)とは?
ただ法的定義がないといっても、上記にあるような「ハラスメント」については何か証拠になる客観的な記録が取れ、社内外の窓口に具体的に相談できる可能性があることでしょう。
しかし「オトハラ(音ハラ)」とは難しいものです。
日本ハラスメント協会は「配慮なく過剰な音で周囲を不快にさせる行為」であるとしており、主な例として、
- 周囲に聞こえる独り言
- 必要に大きいパソコンのタイピング音
- ノック式ボールペンのカチカチ音
- 鼻をかむ音
- ペットボトルを潰す音
- ストローの音
があり、これらの音を出す行為が
- 繰り返されていたか
- 長時間、長期間にわたって行われていたか
- 大勢の人が仕事への影響を感じているか
- 業務に必要な音か
を判断の目安にしています。*5
また「仕事に関する話でも、大声で長時間、手をたたくなどして話すことで就業環境が害されれば、音ハラに該当する」としています。
「うるさいなあ、こっちはいまそんな気分じゃないんだよ!」というストレスでしょうか。
ある調査では、職場で音によるストレスを感じたことが「ある」と回答した人は98%にのぼっています。具体的にどのような音を不快に感じるか、という質問では「ため息や舌打ち」が最多で、次いで「談笑する声」「キーボードのタイピング音」が続いています。
そして音によるストレスの影響については、約7割が「仕事に集中できなかった」と答えました。
音の感じ方は人それぞれ
ただ、これらの音が出る行為は、わたしたちが無意識のうちにやってしまっている、癖になっている可能性があります。ともすれば、ハラスメントだと訴える当人も自分で気づいていないうちに他の人からすれば不快感を覚える音を出している可能性すらあります。
無意識なだけに、誰かから指摘されないと気づかないケースも多いことでしょう。
筆者もタイピングの圧が強めで、特にエンターキーを強めに弾く癖があります。
カチカチカチカチ、ターン!
そんな具合です。ですからキーボードにもこだわりがあり、叩きがいを重視しています。ふにゃふにゃしたキーボードだと、逆に効率が下がってしまいます。気が付けば同じキーボードがもう9枚目になってしまいました。
いまは自宅勤務ですから他の人への迷惑はありませんが、会社員時代も同じ調子でしたから、もしかして「オトハラ」をしていたのかもしれません。そう考えると、すこしキツいなあと思ってしまいます。
しかし隣に座る同僚は「その音が出てくると、さやかちゃんが集中モードに入ってるんだなってわかるから、話しかけるタイミングがわかりやすくていいよ」と言ってくれたのですが、他の人からすると「うるさい」「話しかけにくて困る」と思われていたのかもしれません。
テレビの報道局という、常に騒がしいのが当たり前の空間にいたからというのも特殊な背景かもしれません。
「オトハラ」での揉め事に解決策はある?
しかし筆者本人としては、そういう音を出すタイピングをしなければ、今度はこちらの業務効率が下がったりストレスが溜まったりしてしまいます。それに、人間は何かをすると必ず何らかの音を出すものです。
ただ、程度によりますが、これをハラスメントと感じる人がいるのなら、なにか対策を講じる必要はゼロとは言い切れません。いまこの時代では「だったら出ていけ!」とはなりません。
よってお互い、何らかの歩み寄りはあったほうがよいかとは思います。
対策としては「オトハラ」について知ってもらい、あまりに大きな音を立ててしまう人には気をつけてもらうこともそうですが、ハラスメントと感じる方の社員については、
- 個人面談の際に、職場の音環境をどう感じているか確認する
- 必要であれば耳栓の使用を許可する(医師と相談するとなお良いでしょう)
- 慣れてもらうようにする
- フリーアドレス化で好きな席を日々選んでもらう
といったことが考えられるでしょう。
ただ、あからさまに誰かを批判するような独り言を大声で放つ、わざと近くで音を立てる、そうなれば話は別です。
しかし、完全に無音なオフィスなど存在しません。これが行き過ぎると、そもそも他人の存在自体が不快だということになってしまいますし、当人も無意識に、誰かにとっては不快な音を立てていることだってあります。
世知辛いことであるとは思いますが、まず社内でなんらかの規定を設けることを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
【参考資料】
*1
政府広報オンライン「労働施策総合推進法 一部改正でハラスメント対策強化」
https://www.gov-online.go.jp/article/202510/entry-9434.html
*2
千葉商科大学「オワハラの実態と対策について」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/kanji_dai5/siryou1.pdf p4
*3
マイナビサポネット「形骸化された働き方改革がもたらす「ジタハラ」の問題点と対策」
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/ty_romu_t20_timesaving_harassment_210508.html
*4
TBS NEWS DIG「【解説】ワクハラ、カラハラ、ハラハラ…「それ、〇〇ハラかも?」多様化するハラスメント」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/201894?display=1
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/201894?page=2
*5
日本経済新聞「職場で「音ハラ」してません? ため息や強いタイピング、仕事に支障」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD010S90R00C26A5000000/
組織力の強化や組織文化が根付くオフィス作りをお考えなら、ウチダシステムズにご相談ください。
企画コンサルティングから設計、構築、運用までトータルな製品・サービス・システムをご提供しています。お客様の課題に寄り添った提案が得意です。

