STEAM教育とは?その意味と必要性、成功事例を徹底解説

現代の教育現場では、急速な社会の変化に対応するため、新しい学びの形が求められています。その中で注目されているのが「STEAM教育」です。本記事では、STEAM教育とは何か、その成り立ちや必要性について解説します。また、日本国内の成功事例もご紹介します。

STEAM教育の定義と背景

STEMからSTEAMへ

STEAM教育のルーツは、1990年代のアメリカで提唱された「STEM教育」にあります。STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取ったもので、科学技術分野の基礎力を強化するための教育プログラムです。特に、理系人材の育成が国家競争力に直結するという考えから、多くの国で注目されてきました。

しかし、現代では、科学技術だけでなく、創造力や人間性を重視した総合的なスキルが求められるようになり、Arts(芸術)を加えた「STEAM教育」が誕生しました。このアプローチにより、論理的思考力だけでなく、創造力や表現力も育成できる点が特徴です。

詳しくは、文部科学省の公式サイトでも「STEAM教育」の取り組みが紹介されています。ぜひ参考にしてください。
(参考)文部科学省:https://www.mext.go.jp/studxstyle/index3.html

STEAM教育が求められる理由

社会の変化に対応する人材育成

AIやIoT、ロボット技術など、科学技術が社会のあらゆる分野に浸透し続ける現代。これに伴い、知識を応用し、新たな価値を生み出す力が求められています。「STEAM教育」は、未来の社会で必要な課題解決能力を養うために不可欠なアプローチです。

創造力と課題解決力を育む

「STEAM教育」は、学びを実生活と結びつけ、創造的に問題を解決する力を育てるのが特徴です。プロジェクト型学習(PBL: Project-Based Learning)を通じ、子どもたちは現実の課題に取り組みながら、学びを深めることができます。

科学や技術だけでなく「Arts」の重要性

STEAM教育の「A」(Arts)は、創造的視点や表現力を象徴します。科学技術の知識だけでは解決が難しい問題に対し、デザインや感性を活用する力を養うことで、より全人的な教育を実現します。

教育現場でのSTEAM教育の実践方法

プロジェクト型学習の活用

STEAM教育の中心となるのは、プロジェクト型学習です。たとえば、環境問題や地域課題に対して、科学や技術、芸術の視点から解決策を考える学びが行われています。

アクティブラーニング教室の導入

アクティブラーニング教室(Active Learning Classroom, ALC)は、学生が主体的に学び、協働して学習することを促進するために設計された教室のことを指します。従来の講義形式の授業とは異なり、学生が積極的に参加し、問題解決やディスカッションを行うことができる環境を提供します。

  • 柔軟な家具配置:アクティブラーニング教室は、丸テーブルや可動式の椅子を使用しており、学生同士が顔を合わせて話し合えるような配置がなされています。これにより、グループワークやディスカッションがしやすくなります。
  • 技術の活用:教室には、プロジェクターやホワイトボード、タッチスクリーンなどの技術が備えられており、学生と教員が情報を共有しやすい環境が整っています。これにより視覚的な学習が促進され、学生の理解が深まりますし、最新のデジタル機器を活用することで、学びをリアルに体験できます。
  • 参加型の学習活動:アクティブラーニング教室では、学生が自らの考えを表現し、他者と意見を交換することが重視されます。具体的な活動としては、グループディスカッション、プロジェクトベースの学習、ロールプレイなどが含まれます。

教員研修の重要性

STEAM教育を成功させるには、教員がその理念や手法を理解することが不可欠です。教員向け研修プログラムを展開している企業もいくつかありますので、興味のあるものに参加してみるのも良いでしょう。
(参考)一般社団法人 STEAM-JAPAN:https://steam-japan.com/

日本におけるSTEAM教育の成功事

三田国際学園中学校・高等学校

三田国際学園は、教科横断型のプロジェクト型学習を通じて、環境問題など現実社会の課題に取り組む教育を展開しています。生態系の理解(理科)、政策研究(社会)、ポスター制作(美術)といったアプローチで、創造力と実践力を養います。ICT機器の活用(タブレット、3Dプリンター)も特徴です。

広島市立基町高等学校

広島市立基町高等学校では、地域課題をテーマにした「MITOKOラボ」プロジェクトを実施。地域企業や大学と連携し、ドローン技術やプログラミングを活用した実践的な学びを提供しています。地域の防災や観光振興をテーマに、生徒が社会と繋がる教育を展開しています。

西武台高等学校

「STEAMコース」と「アクティブラーニング教室」を導入し、少人数制の探究型学習や3Dプリンターを使ったプロジェクト学習を実施。生徒一人ひとりが主体的に学びに向き合う環境を整えています。

まとめ:STEAM教育の未来

STEAM教育は、単なる知識の伝達を超え、次世代を担う人材を育成するための教育アプローチです。文部科学省をはじめ、国内外で進む取り組みから学びつつ、自校での導入を検討してみてはいかがでしょうか?未来を切り拓く学びを通じて、子どもたちが社会で活躍する力を養う道筋を作ることができます。


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そしきLab編集部

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