そしきLab編集部 東京のC5W地区ではオフィス市場が活況を呈しており、賃貸料の安定した成長が見られますが、パンデミック前のレベルにはまだ達しておらず、さらなる成長の余地があります。
サヴィルズの報告によると、柔軟な働き方が浸透しつつある一方で、オフィスへの復帰トレンドは続いており、多くの企業が2025年を完全なオフィス復帰の目標年として指定しています。
オフィス空室率はパンデミック前の逼迫した水準に近づいており、特に大規模なスペースを必要とする大手企業にとって、選択肢の少なさが問題となっています。新たなオフィスビルへの高い事前リーシング需要があり、多くのビルが完成時に完全または高い稼働率で市場に出ているため、この勢いは今後も続くと予想されています。
オフィス市場は非常に強い状態にありますが、リーシングの慣行も進化しています。設備が整ったオフィスやサテライトオフィスの採用が増加しており、中規模ビルだけでなく大型物件にも拡がりを見せています。この流れは渋谷のスタートアップハブだけでなく、都心のオフィス市場に広がっています。
さらに、パンデミックは柔軟な勤務体系を加速させ、大企業でも本社に加えて郊外にサテライトオフィスを設けることを真剣に検討しています。これは通勤時間の短縮と従業員の利便性向上につながっています。建設コストの上昇は、オフィスの設置コストや必要な時間という重荷を背負う移転する企業にとって、この傾向の大きな原動力となっています。
企業の業績は好調で、2025年第2四半期の企業利益は過去最高の35.8兆円を記録し、全体的な株価も高水準を維持しています。合理化や世界への展開を支える再編を進める多くの日本企業は、給与の実質的な上昇と併せて、オフィス市場に良い影響をもたらすでしょう。
全体を通じて、新たな供給が限られている状況、テナントの強い需要、および一流オフィス資産における希少感の高まりが、C5W東京オフィス市場を引き続き上向きの軌道に乗せていくことが予想されます。
出典 : Why the Tokyo office market is set for a continued upward trajectory https://realestateasia.com/commercial-office/news/why-tokyo-office-market-set-continued-upward-trajectory